56 / 91
華は根に、鳥は古巣に帰る
56
しおりを挟む
真っ赤に色づいた紅葉が乾いた風に揺れている。枯れた葉は木々から振り落とされまいとしがみつき、懸命なその姿はどこか憐憫を誘った。
不意に、荒く強い風が木立を駆け抜ける。
その大きなうねりに、小さな木の葉は為す術なく身を委ねるしかなかった――――
王宮の一画から、朗々と賛歌を歌う雅楽の音が聞こえる。
どこから鳴っているのか探れば、出どころは庭園からであった。
つるりと磨かれた砂利の敷き詰められた地面。手入れの行き届いた紅葉たち。様々な趣向が凝らされた置物。中でも、巨大な池と、瓦屋根の亭*が目を惹いた。
そんな贅の限りを尽くされた庭園に、常よりも華やかな着物をを身につけた官吏たちが一堂に会していた。
とある二人の官吏が杯を交わしている。
「いやはや…………戦の只中ではあるものの、このような宴があると心が華やぎますな」
「ええ全く。その通りですな。ささ、もっと飲んでくだされ」
「おおっ……とと」
痩せぎすな官吏の注いだ酒が、太鼓腹の官吏の杯から溢れ出そうになる。それを太鼓腹が慌てて受け止め、痩せぎすが済まなそうに頭を掻いた。
そして彼らは同時に杯を呷ると、中央の亭を見やった。
視線の先では、文生、美琳、淑蘭の三人がいた。
中央には文生。そして文生の右隣に淑蘭、左隣には美琳が椅子に座って並んでいる。
二人は彼らを微笑ましく見やる。
「一時はどうなることかと思いましたが、無事にご懐妊なさって良かったのう」
痩せぎすが言う。と、太鼓腹が応じる。
「あとは無事に生まれれば王も御出陣しやすいというもの」
「さすれば兵らの士気も上がりましょう。何より直系の王族が残ること程嬉しいことはない」
「うむ。公でも良いと言えば良いが、やはり分家は分家。肝心なところで何をしでかすか分からないもの」
「ええ、先の戦はいただけませんでしたな。子佑殿も何をとち狂ってしまったのか」
「あのように意地汚い策略をした上に、浅ましくも追放を逃れようとするなど、引き際までみっともない」
「左様でございますな。折角此度の戦に出陣する許可が下りたのだ。頑張ってもらいたいところ…………おや」
ふと痩せぎすは相手の杯が空になっているのに気づく。
「もう飲み干されてしまいましたか。随分と早いですが……」
「ははは。これくらいならまだまだ。もっといけますぞ?」
「おお、なんと頼もしい。ではもう一杯如何かな?」
「勿論。ありがたくいただこう」
痩せぎすと太鼓腹は赤ら顔で笑い合い、話に花を咲かせるのであった。
一方宴の主賓であるはずの文生は、沈鬱な空気を身に纏っていた。
「…………」
文生は無言で酒を呷り続けており、そのせいで顔が仄かに赤くなっていた。だがその表情は決して陽気なものではない。
「王。お酒はそれ程になさってくださいませ」
淑蘭の言を、文生はすげなく撥ね退ける。
「其方が指図するでない」
「ッ! し、失礼致しました」
淑蘭は文生の刺々しい声に身を縮める。
二人が険悪な空気になっている中、柔らかい声が入ってくる。
「私も心配です。そんなに飲まれますと御体に毒です」
「…………美琳」
美琳はにこり、と微笑む。その笑顔はまるで作り物のように美しかった。
「大事な御体なのです。何かあってからでは遅いですよ?」
「そう、だな……其方がそこまで言うなら、もうやめておこう」
文生はまだ酒の残っている杯を侍女に渡し、重い顔で立ち上がる。と同時に、雅楽の音が止み、庭園にいる官吏たちが文生に注目する。
文生は少し渋い顔をする。しかしすぐに落ち着いた面立ちで話し始める。
「今日は我が后…………淑蘭の懐妊披露宴によく集まってくれた。感謝する」
その言葉と共に、少し腹の膨らんだ淑蘭が立ち、軽く膝を折る。すると場にいる全員が拱手し頭を垂れ、口を揃えて言う。
「王よ、勿体なき御言葉でございます。淑蘭様、おめでとうございます」
「うむ」
と言って文生は、鷹揚に頷く。瞳を揺らがせながら。
「そして今日は其方たちに、伝えたき儀がある」
一瞬。文生は瞼を固く閉じ、そして意を決した顔で言葉を発する。
「これまで、二人は共に後宮入りした故、正室の座は定めてこなかった。だが此度…………淑蘭を正室に据えることにした」
途端、会場は色めき立つ。それを片手で制しつつ、文生は続ける。
「現状、戦において我が国は優勢に立っている。だが、どう転ぶか定かでないのが戦というものだ。故に万が一のことを考え、淑蘭の子を第一位継承者として待遇するために決めた」
〝無論、男であれば、の話だが〟と文生は間に挟む。
「今後、〝美琳が懐妊する〟か〝淑蘭の子が女子である〟場合は、淑蘭の処遇は変わる。が、今後しばらくはそのことを念頭に置いて動くように」
「ははッ!」
文生の沙汰に、官吏たちは深く頭を下げるのであった。
再び雅楽の美しい音色が歌い出す頃。
庭園の隅で仁顺が一人佇んでいた。そこにとある一人の男が近づく。
「上手く事が運んで良かったな? 仁顺丞相」
その声に仁顺が振り返る。と、小太りで、けれど頬が異常に痩けている男が立っていた。
「……何故ここにおるのですかな? 子佑公」
「はッ! それは嫌味か? 仁顺よ。いや、もう仁顺様と呼ばねばならなかったな?」
そう言いつつも、尊大な態度の変わらないその男は、庭に置かれた石で作られた腰掛けに、どっかと座る。
仁顺はいつもと変わらぬ穏やかな笑みを浮かべる。
「子佑様はお体にお変わりありませぬか?」
「お主は相も変わらず皮肉が上手いな。私のどこを見てそれが言えるのだ」
「ただ儂は心配を申し上げているのみでございますよ」
「フン。口ではいくらでも言えるからな」
子佑が苦虫を噛み潰したような顔で言った言葉を、仁顺は無言の微笑みで一蹴する。
「それで、本日はどのようなご用向きですかな? まさか、この会に呼ばれたわけではありますまい?」
刹那、仁顺の白い眉毛の下から鋭い光が走る。だが子佑もそれを鼻で笑って吹き飛ばす。
「そのまさかだ。だがまあ…………お主の予想と違って、私はただの〝小間使い〟として伝言を頼まれただけよ」
「ほう。伝言とな」
仁顺の片眉が上がる。
「ああ。お主に前線からの報告だ」
にやり、と子佑が口角を吊り上げる。
「〝至急、応援求む〟だ、そうだ」
*亭…東屋。
不意に、荒く強い風が木立を駆け抜ける。
その大きなうねりに、小さな木の葉は為す術なく身を委ねるしかなかった――――
王宮の一画から、朗々と賛歌を歌う雅楽の音が聞こえる。
どこから鳴っているのか探れば、出どころは庭園からであった。
つるりと磨かれた砂利の敷き詰められた地面。手入れの行き届いた紅葉たち。様々な趣向が凝らされた置物。中でも、巨大な池と、瓦屋根の亭*が目を惹いた。
そんな贅の限りを尽くされた庭園に、常よりも華やかな着物をを身につけた官吏たちが一堂に会していた。
とある二人の官吏が杯を交わしている。
「いやはや…………戦の只中ではあるものの、このような宴があると心が華やぎますな」
「ええ全く。その通りですな。ささ、もっと飲んでくだされ」
「おおっ……とと」
痩せぎすな官吏の注いだ酒が、太鼓腹の官吏の杯から溢れ出そうになる。それを太鼓腹が慌てて受け止め、痩せぎすが済まなそうに頭を掻いた。
そして彼らは同時に杯を呷ると、中央の亭を見やった。
視線の先では、文生、美琳、淑蘭の三人がいた。
中央には文生。そして文生の右隣に淑蘭、左隣には美琳が椅子に座って並んでいる。
二人は彼らを微笑ましく見やる。
「一時はどうなることかと思いましたが、無事にご懐妊なさって良かったのう」
痩せぎすが言う。と、太鼓腹が応じる。
「あとは無事に生まれれば王も御出陣しやすいというもの」
「さすれば兵らの士気も上がりましょう。何より直系の王族が残ること程嬉しいことはない」
「うむ。公でも良いと言えば良いが、やはり分家は分家。肝心なところで何をしでかすか分からないもの」
「ええ、先の戦はいただけませんでしたな。子佑殿も何をとち狂ってしまったのか」
「あのように意地汚い策略をした上に、浅ましくも追放を逃れようとするなど、引き際までみっともない」
「左様でございますな。折角此度の戦に出陣する許可が下りたのだ。頑張ってもらいたいところ…………おや」
ふと痩せぎすは相手の杯が空になっているのに気づく。
「もう飲み干されてしまいましたか。随分と早いですが……」
「ははは。これくらいならまだまだ。もっといけますぞ?」
「おお、なんと頼もしい。ではもう一杯如何かな?」
「勿論。ありがたくいただこう」
痩せぎすと太鼓腹は赤ら顔で笑い合い、話に花を咲かせるのであった。
一方宴の主賓であるはずの文生は、沈鬱な空気を身に纏っていた。
「…………」
文生は無言で酒を呷り続けており、そのせいで顔が仄かに赤くなっていた。だがその表情は決して陽気なものではない。
「王。お酒はそれ程になさってくださいませ」
淑蘭の言を、文生はすげなく撥ね退ける。
「其方が指図するでない」
「ッ! し、失礼致しました」
淑蘭は文生の刺々しい声に身を縮める。
二人が険悪な空気になっている中、柔らかい声が入ってくる。
「私も心配です。そんなに飲まれますと御体に毒です」
「…………美琳」
美琳はにこり、と微笑む。その笑顔はまるで作り物のように美しかった。
「大事な御体なのです。何かあってからでは遅いですよ?」
「そう、だな……其方がそこまで言うなら、もうやめておこう」
文生はまだ酒の残っている杯を侍女に渡し、重い顔で立ち上がる。と同時に、雅楽の音が止み、庭園にいる官吏たちが文生に注目する。
文生は少し渋い顔をする。しかしすぐに落ち着いた面立ちで話し始める。
「今日は我が后…………淑蘭の懐妊披露宴によく集まってくれた。感謝する」
その言葉と共に、少し腹の膨らんだ淑蘭が立ち、軽く膝を折る。すると場にいる全員が拱手し頭を垂れ、口を揃えて言う。
「王よ、勿体なき御言葉でございます。淑蘭様、おめでとうございます」
「うむ」
と言って文生は、鷹揚に頷く。瞳を揺らがせながら。
「そして今日は其方たちに、伝えたき儀がある」
一瞬。文生は瞼を固く閉じ、そして意を決した顔で言葉を発する。
「これまで、二人は共に後宮入りした故、正室の座は定めてこなかった。だが此度…………淑蘭を正室に据えることにした」
途端、会場は色めき立つ。それを片手で制しつつ、文生は続ける。
「現状、戦において我が国は優勢に立っている。だが、どう転ぶか定かでないのが戦というものだ。故に万が一のことを考え、淑蘭の子を第一位継承者として待遇するために決めた」
〝無論、男であれば、の話だが〟と文生は間に挟む。
「今後、〝美琳が懐妊する〟か〝淑蘭の子が女子である〟場合は、淑蘭の処遇は変わる。が、今後しばらくはそのことを念頭に置いて動くように」
「ははッ!」
文生の沙汰に、官吏たちは深く頭を下げるのであった。
再び雅楽の美しい音色が歌い出す頃。
庭園の隅で仁顺が一人佇んでいた。そこにとある一人の男が近づく。
「上手く事が運んで良かったな? 仁顺丞相」
その声に仁顺が振り返る。と、小太りで、けれど頬が異常に痩けている男が立っていた。
「……何故ここにおるのですかな? 子佑公」
「はッ! それは嫌味か? 仁顺よ。いや、もう仁顺様と呼ばねばならなかったな?」
そう言いつつも、尊大な態度の変わらないその男は、庭に置かれた石で作られた腰掛けに、どっかと座る。
仁顺はいつもと変わらぬ穏やかな笑みを浮かべる。
「子佑様はお体にお変わりありませぬか?」
「お主は相も変わらず皮肉が上手いな。私のどこを見てそれが言えるのだ」
「ただ儂は心配を申し上げているのみでございますよ」
「フン。口ではいくらでも言えるからな」
子佑が苦虫を噛み潰したような顔で言った言葉を、仁顺は無言の微笑みで一蹴する。
「それで、本日はどのようなご用向きですかな? まさか、この会に呼ばれたわけではありますまい?」
刹那、仁顺の白い眉毛の下から鋭い光が走る。だが子佑もそれを鼻で笑って吹き飛ばす。
「そのまさかだ。だがまあ…………お主の予想と違って、私はただの〝小間使い〟として伝言を頼まれただけよ」
「ほう。伝言とな」
仁顺の片眉が上がる。
「ああ。お主に前線からの報告だ」
にやり、と子佑が口角を吊り上げる。
「〝至急、応援求む〟だ、そうだ」
*亭…東屋。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
烏孫の王妃
東郷しのぶ
歴史・時代
紀元前2世紀の中国。漢帝国の若き公主(皇女)は皇帝から、はるか西方――烏孫(うそん)の王のもとへ嫁ぐように命じられる。烏孫は騎馬を巧みに操る、草原の民。言葉も通じない異境の地で生きることとなった、公主の運命は――?
※「小説家になろう」様など、他サイトにも投稿しています。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
イエス伝・底辺からの救世主! -底辺で童貞の俺に神様が奇跡の力をくれたんだが-
中七七三
歴史・時代
極貧の限界集落。ナザレ村。
そこの底辺労働者が神に選ばれた。
ナザレのイエスと呼ばれる男。大工(テクトーン)だ。
それはローマでは最底辺の労働者を意味している言葉。
しかも、30歳。童貞だった。
彼は、神に奇蹟の力をもらい、人類を救済せよと命令された。
仕方ないので、彼は動き出す。
人類救済に向けて。
それは、神の計画「人類救済計画」の始まりだったのか?
紀元30年のパレスチナより物語は始まるのであった。
信仰の対象のイエスではなく歴史的な側面からのイエス伝。
ムアコックの「この人を見よ」よりは罰当たりでないようにします。
表紙画像は再利用可能なフリーの物を使用しています。
■参考文献(2016/10/27)
イエス・キリストは実在したのか?/レザー アスラン (著), 白須 英子 (翻訳)
はじめて読む聖書/田川建三ほか (著)
ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書) /橋爪 大三郎 (著), 大澤 真幸 (著)
「宗教」で読み解く世界史の謎/武光 誠 (著)
カトリック入門: 日本文化からのアプローチ/稲垣 良典 (著)
イエス コミック/安彦 良和 (著)
新約聖書 1/佐藤優・解説 (著), 共同訳聖書実行委員会 (翻訳), 日本聖書協会 (翻訳)
「バカダークファンタジー」としての聖書入門/架神恭介 (著)
この人を見よ/マイクル・ムアコック (著), 峯岸 久 (翻訳)
聖書考古学/長谷川 修一 (著)
口語訳旧約聖書(1955年版)ネット版
http://bible.salterrae.net/kougo/html/
(2016/11/2追加)
キリスト教と戦争 (中公新書) /石川 明人(著)
(2016/11/6追加)
ユダとは誰か 荒井 献(著)
マグダラのマリア 岡田温司(著)
(2016/11/9追加)
トマスによる福音書 荒井 献(著)
(2016/11/12追加)
ツァラトゥストラかく語りき フリードリヒ・W. ニーチェ (著),佐々木 中 (翻訳)
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 フリードリッヒ・ニーチェ (著), 適菜 収 (翻訳)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
大江戸シンデレラ
佐倉 蘭
歴史・時代
★第8回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
時は、大江戸が一番(いっち)活気に沸いた頃。 吉原の廓で生まれ育った舞ひつるは、久喜萬字屋の振袖新造。
いつか、母親のような呼出(花魁)になるため、歌舞音曲はもちろん、和漢書に狂歌に川柳と厳しいお師匠の下、精進する毎日。 そんな折に出逢った相手は……
※「大江戸ロミオ&ジュリエット」および「今宵は遣らずの雨」のネタバレを含みます。
仇討浪人と座頭梅一
克全
歴史・時代
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。
旗本の大道寺長十郎直賢は主君の仇を討つために、役目を辞して犯人につながる情報を集めていた。盗賊桜小僧こと梅一は、目が見えるのに盗みの技の為に盲人といして育てられたが、悪人が許せずに暗殺者との二足の草鞋を履いていた。そんな二人が出会う事で将軍家の陰謀が暴かれることになる。
戦国終わらず ~家康、夏の陣で討死~
川野遥
歴史・時代
長きに渡る戦国時代も大坂・夏の陣をもって終わりを告げる
…はずだった。
まさかの大逆転、豊臣勢が真田の活躍もありまさかの逆襲で徳川家康と秀忠を討ち果たし、大坂の陣の勝者に。果たして彼らは新たな秩序を作ることができるのか?
敗北した徳川勢も何とか巻き返しを図ろうとするが、徳川に臣従したはずの大名達が新たな野心を抱き始める。
文治系藩主は頼りなし?
暴れん坊藩主がまさかの活躍?
参考情報一切なし、全てゼロから切り開く戦国ifストーリーが始まる。
更新は週5~6予定です。
※ノベルアップ+とカクヨムにも掲載しています。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる