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対決

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「着きました、ここです」

僕は車を降りた。扉を占める前に、黒い炎で2人を包んだ。
「約束が・・・」

「何、それ?」扉を閉めた。ドアの取っ手のところをハンカチで拭いた。

建物を見上げる。5階建てのビルだ。

「ナビちゃん、関係ない人はいそう?」

「いえ、全て関係企業が入っています」

「分かった」

一階のドアを蹴破り、中にいた6人の身体を一瞬でバラバラにした。
2階、3階と同じように問答無用で切り刻み、上がっていく。

流石に4階は、異変に気づいたようで、取り囲まれた。

「お前は誰だ!」

無視をして、全員を切り刻んだ。

すると、目の前に急に現れた男の手元から、「バーン!」と音がした。

「ヤッバ!」目に集中する。

「マズイ!避けきれない」身体を左に捻るが間に合わない!

銃弾は見えているのに!
銃弾は、僕の左腕辺りにあたりそうだったが、直前に弾かれ、左の壁に当たった

撃った相手は、予想外の位置にある壁が削れ、
「えっ!何が起こった!」と慌てている。

「ふぅ~、危なかったぁ。トキノ、やっぱ頼りになるな」

僕は近づこうと歩く。
また撃ってくる。
しかし、分かっていれば、避けられる。

相手は僕の姿を追いきれずに、左右に拳銃を振りながら、「あぁぁぁぁ」と叫んでいる。

そして、腕を落とした。
「ぎゃあ!」と叫び、床に倒れて腕を押さえている。

「他に人は?」

「5階に組長が」

「ありがとう」と首を斬った。



5階に上がろうと階段に来たら、また銃声がした。

 もうネタバレしてるんだよ。僕は黒い炎を放つ。相手が見えなくても、大体どこにいるか分かれば十分なので、楽だ。
黒い炎に包まれた人が、踊り場で、野田クリスタルのように動いている。

それからも同じように、魔法かオリオンで対応していく。

5階の重甲な扉を開く。明らかに作りが違う。

奥にいる人を守るように、十数人が立って、拳銃を構えている。

また問答無用で、全員の腕を落とす。

「ぎゃぁぁぁ」と叫び声が響く。

「何で、すぐ撃たないのかなぁ。まぁ、無駄だけどね」

「お前は誰だ?」奥に座っている人が落ち着いて言った。身体に響く声だ。

「あなた達は、問答無用で一般市民を犯罪に巻き込む。それと同じことをしてるだけだよ。狩る側から狩られる側になっただけ。食物連鎖だよ、弱いものは食べられても文句は言えないんでしょ?」

腕のない全員の身体をバラバラにした。




「何が目的だ?」

「僕のことスカウトしたいんでしょ?その理由を聞きたいだけだよ」

「知らん。ワシは頼まれただけだ」

「それなら、必要ない。死んで」

僕はゆっくりと近づいた。

すると、火の塊が迫ってきた。

僕は魔法障壁を作った。炎が消えた。
「そんな馬鹿な!」

座っている人の奥に、新たな人が現れた。
「やっぱり、能力を使う悪い人がいたんだね」

「どうだ?仲間にならないか?世界を支配するんだ」

「世界?そんなの、どうするんだよ。厨二病なの?ハッハッハッ」

「うるさい!」次は氷系だった。

また障壁で防ぐ。

「あなた、向こうで魔法使いだったの?この世界じゃ、全然役に立たないね。可哀想、フフフッ」

「マスター、後ろから来ます」

「うん、分かってる。でも」

背中から、「カーン」という音がした。

「何故だ!何故斬れない!」

「ねぇ、あなた達どっちが偉いの?どっちかは人質にしたいんだけど」

2人は同時に攻撃してきた。しかし、動くまでもなく、攻撃を受ける。

「何故、攻撃が効かない!」

「ねぇ、僕の質問に答えてくれたら、教えてあげでもいいよ」 

「うるさい!」2人が離れる。

めんどくさいなぁ、魔法の方が色々と聞いてみたいから、残すか。

僕は魔法使いに、黒い炎を浴びせてから、剣士をオリオンで真っ二つにした。

魔法使いに近づく。
「ねぇ、苦しいでしょ。黒い炎。冷たくなっていくのに、表面は焦げていく」

「うわぉぁぉ!」

「どうする?このまま死ぬ?僕の仲間になる?」

「何でも話す。仲間にしてくれ」

「分かった」
黒い炎を解除する。


魔法使いは肩で息をしている。

「おじいちゃん」と椅子に座っている人に声をかけた。

椅子を回して、こっちを向いた。全く震えていない。覚悟はしているようだ。
「おじいちゃんは、この人の組織に誘拐を頼まれたの?」

「そうだ」

「他に誘拐のことを知っている人は?」

「全員、そこに転がっている」

「うん、分かった」

僕は首を落とした。

「なんで、そんなに簡単に人間を殺せる」

「人間?僕が殺してるのは、魔族だよ」

「そうか。まだ向こうの世界にいるつもりなのか」

「いや、違う」声のトーンを下げた。

「お前達こそ、現実が分かってないだろ」

「この世界は腐っている。我々が支配しないと、この世界は終わる」

「だからって、誘拐してもいい理由にはならない」

「それは自覚している。言い訳はできない。ただ、君の力は強大過ぎる。世界のバランスを壊してしまう」

「世界?そんな物全く興味はない。僕は大切な人達と普通に暮らせればいい」

「じゃあ、なぜ力を使う」

「僕は僕のために使っているだけだ。誰にも迷惑をかけてはいない」

「もう遅い!世界が君のことを狙っている」

「それなら、その国を滅ぼすだけだ」

「核戦争になるぞ!それでも大切な人を守れると言うのか?」

はぁ、結局こうなるのか。
「あなたの言いたいことは分かった。あなたのリーダーと話がしたい。そっちが何もしなければ、僕からは何もしない。約束する」

「分かった。必ずその場を設ける。あと、君の家族、そして、今日の女の子、高木世羅、少なくともこれだけは、絶対に守らなければならない」

「話を聞いた後だ。必要なら、僕から頼む」

「分かった。早めに連絡する」

連絡先を確認した。

「ここの処理は?」

「うちでなんとかする。鉄工所と同じことをされると目立つ」

「あっ?どうして鉄工所のこと、僕がやったって分かったの?」

「ビデオの中に、辛うじて高木世羅の妹が写っている映像が残っていた。それで調査をしたら、君が浮かび上がったんだ」

「全部燃えてしまうと思ったのに」

「まだ君は若過ぎる。完璧でいようとしても無理だ。大人でさえ、完璧な人間なんていないんだ」

「そうですね。もっと違う方法なら、分かり合えたかもしれないのに」

「それは申し訳ないことをしたと思っている。ただ言い訳をさせてもらうなら、君に現実を分かって欲しかったんだ」

「分かりました」

僕は手を伸ばして、魔法をかけた。
「うわぁ!と叫ぶ。

「あれ?これは・・・回復魔法?」

「はい、本当に悪い人じゃないと感じたので」

「どうして、こんなに魔法が使えるんだい?」

「この場所、凄い使えるんですよね。理由は分からないんですけど」

「君は、向こうの世界では、何者だったんだ?」

「言っちゃっていいのかな?まぁ、リーダーが信用できる人なら話します」

「う~ん、信用できるかって言われると困るなぁ。信用してもらわないと困るというか・・・」

「僕の知っている人ですか?」

「申し訳ないが、私の一存では決められないんだ」

「分かりました。お互い、タネ明かしは後日ってことで。帰ります」

「必ず連絡する」

僕は頷いて、部屋を出た。



残された男は電話をした。

「佐野だ。リーダーに繋いでくれ」
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