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条件

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「うぅっ~ん」私は布団の中で伸びをした。水泳で疲れたのか、いつの間にか寝ていたようだ。

「あっ!」布団をめくり、服をチェックする。ブラの位置も大丈夫そうだ。 

「良かった」ふぅっと息を吐き出した。

「さてと、帰る準備を始めるとしよう!」

 掛け布団を定位置にかけた。

 シーツと枕カバーを外す。荷物から新しいものを出してベッドに付け、枕に付ける。

 使ったものは持ち帰り、自宅で洗う。そして次に使う時に、持ってくる。これが、ここを使うルールだ。

「ほら、起きなさい!」
 掛け布団を外して、定位置に持っていく。

 次はシーツと枕だ。

「うっわっ!」下のスウェットが盛り上がっている。

「セバスチャン」

「はい、お嬢様」

「あれは何?」

「これは朝立ちと言って・・・」

「毎朝なの?」

「そのようでございます」

「分かったわ」

「失礼いたします」


 起きない、あなた悪いのよ。
 マリアはスウェットとパンツをゆっくりと下ろす。

 肉棒がむくっと頭を持ち上げる。

 これが無意識に。男ってすごいわぁ。そんなことばっかり考えてるのかなぁ。

 手で触る。昨晩ほどではないが、固い。

 掴んで、しごく。だんだんと更に固くなってくる。

 舌で舐め回す。
「マリアさん、もう一回してもいいですか?」

 既に夢の中では、したことになってるのか?まぁ、こんなことをされてれば、仕方ないか。

 口で咥える。すぐに精子が口の中に当たる。

 もうそろそろ起きるかな、止めておこう。パンツとスウェットを元に戻す。

「ほら、いい加減、起きてよ!」  

 貴之は眩しそうに目を開けた。
「あれ?マリアさん、なんで服着てるんですか?」

「はぁ?逆になんで裸になのよ!」

「だって、今、中に出したばかりなのに」

「寝ぼけないで!あなたも服着てるでしょ!」 

「あっ!ホントだ」

 貴之はまたベッドに横になった。
「起きなさい!」

「嫌だ!ずっと夢の中で、マリアさんとするんだ!」  

「本当に置いてくわよ。あなたなら帰れるでしょ」

「まぁ、帰れますけど、一人は嫌です」

「だったら起きなさい!」

「分かりました」貴之は立ち上り、下のスウェットを上げた。

 シーツを新しいものに変えながら、
「暇なら、昨日使った道具、川で洗ってきて、洗剤は使えないから、手で撫でるだけでいいから」

「分かりました」小屋を出ていった。

「フフフッ、完全犯罪成立ね」

 小屋の中の掃除を始める。

「よし!こんなものか!」

 荷物を車に積み始めると、貴之が戻ってきた。
「洗ってきました」と見せた。

「うん、きれいになってる。ありがとう」

「それで、川で試したら、ここまでできました」

 と掌を見せた。少し赤く光っていた。
「えっ!ここまでできたの?」

「形にはできません」

「半日も経って無いのよ!凄いわ」

「じゃあ、できたご褒美!」

「だから、私が治すって言ったでしょ。それ以外のご褒美なんかあるの?」

「いえ、ないです」

「そうでしょ」

「さっ、荷物積んだら帰るから、着替えて来なさい」」

「はい」

 忘れ物がないか確認し、火の始末をもう一度行った。

「よし、帰るわよ」

 車が走り出した。

「何処かで朝食にしましょう」

「はい。服、無駄になっちゃいましたね」

「別にいいわよ。親になんて言うか、考えた?」

「はい、多分、大丈夫です」

「セラフィは?」

「セラフィも、大丈夫です」

「そう、それなら安心したわ」

 親には、ここんところ。世羅や大会のことで騒がれたから、一人になりたかったという理由にして、漫喫に泊まったことにする。

 セラフィには、他の転生者に会えたので、その人の家で相談に乗ってもらった、と言うつもりだった。もちろん会いたいと言われるだろうが、連絡先も教えてもらえなかったし、家まで目隠しされたということにする。もちろん男性だ。

 でも、セラフィと会って、前と同じ顔ができるか、それが心配だ。

「ねぇ、足を治すことなんだけど」

「はい」

「私は顔を見られたくないし、魔法を使ったことも知られたくないの。どうしたらいいと思う?」

「それなら大丈夫です。僕がおぶって連れてきます。目隠しをさせて」

「えっ?変態のあなたが、目隠しできるほど信頼されてるの?ビックリだわ」

「大丈夫ですよ!」強い口調になる。

「私は、あなたにおぶられている子に、こっそりと近づいて、足を治して、そのまま帰ればいいのね?」

「そうです」

「その子、裸足で来れる?私が脱がしたら、怪しいでしょ。誰かいるのってなるわよ」

「それもなんとかします」

「うん、分かった。来る時も言ったけど、完全に治るかは分からないわよ」

「土曜日まで持てばいいです」  

「それなら、金曜の夜で大丈夫?」

「はい、どのくらいやるんですか?」

「そうねぇ、5分くらいかな?それ以以上は私の魔素がなくなるから」

「はい、分かりました。会った場所で、同じくらいの時間でいいですか?」

「できれば、森の中とか見えない場所がいいわ」

「分かりました。近くに木や草が生い茂った空き家があるので、そこで」

「分かったわ」



 朝から空いているファミレスに入った。注文をタブレットで行った。
「あの、本当に一緒にいちゃ、ダメてすか?」眉間にシワを寄せながら、私の顔を覗き込む。

 何を言っても、納得しないんだろう。それなら、
「分かった」

「本当ですか!」笑顔に変わった。

「ただし、条件があるわ」

「はい」

「高校を卒業するまで私と会わないこと。卒業するまでは、今までと変わらない生活をすること。卒業後は私と暮らしても、大学に行ってもいいし、働いてもいい。普通の生活ができるように考えて、進路を決めること。この3つよ。守れたら、卒業後に迎えに行く」

「分かりました。でもセラフィとは、もう前のようにはできそうにないです」

「それなら、この話はおしまいね」

「えっ!」

 そこで料理が運ばれてきた。2人とも黙る。

「ご注文の品はお揃いでしょうか?」

「はい、大丈夫です」と答える。

「ごゆっくりどうぞ」と会釈をして店員が離れる。

「そんな無理です」

「私のことは、私が迎えに行くまで忘れなさい。今まで通り、セラフィとは恋人でいること、それがさっきの条件よ」

「そんなぁ」

「私が望んでいるんじゃなくて、あなたが望んでいるの。自分でなんとかするのよ」

「分かりました。約束は守ります」

「いい子ね。さっ、食べましょう」

 無言のまま食べ終わった。

「さっ、行くわよ」

「はい」


 また車が走り出す。

「おのぉ」

「何よ」

「僕がセラフィと、その、エッチなことしても気にならないですか?」

「何か勘違いしてない?」

「えっ?」

「私はあなたと一緒に暮らしても、恋人とか夫婦になるつもりはないわよ。ただ子供を作る作業はするけど。変な感情を持つつもりはない」

「それでいいんですか?」

「いいも悪いも、そういう予知なの。それが嫌なら、止めていいわよ。多分、あなたと一回すれば、妊娠するから。だから、セラフィと結婚しても、私は気にもしないわ」

「子供が産まれたら?」

「私は母親で、あなたは父親。楽しく過ごせたとしても、私とあなたの関係は何もない」

「そんなの分からないじゃないですか!」

「私はあなたに興味ないの。好きでも嫌いでもない。ただすれ違った人と変わらない。でも、予知だから、私はあなたの子供を妊娠する。それだけのこと」

「そんなこと言わないでください」

「もう、この話はおしまい。無駄だから」




家には近づいたが、かなり離れたところで、降ろされた。

マリアさんは窓を開けて、
「再来年の3月の最後の日、まだ、あなたにその気があるんなら、よる10時に、ここに来なさい。私は、あなたが約束を守ってるか、時々、確認する。もしいなかったら、あなたが約束を破ったってこと」

それだけ言い残して、車は走り出した。

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