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最後?の再会
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それからも休暇中は何度も会った。しかし、私は仕事に復帰した。それなりに気を使われてはいたが、やはりダメな時はダメで、母親には迷惑をかけてしまっている。
そんな引け目もあって、白石と会う回数は激減した。本当は止めても良かったのだが、全てこっちの都合なので、そこまでしなくてもいいと思っていた。
そうして何年もズルズルと時は過ぎていった。
今日も久しぶりに会う。子供は母に預けてある。
待ち合わせ場所に行くと、いつものように先に待っていた。
向こうが気が付かないので、少しじっと見た。
なんか老けた?フフフッ、私が言うのもなんだけど。間もなく大学を卒業するはずだ。弁護士の試験には既に合格したと、いつもの頑張ったこと報告で聞いた。
白石が何気なくこっちを見て、立ち上がった。
「なんだ、来てたなら声かけてくださいよ」
「久しぶりだから、人違いしちゃいけないと思って」
「そんなに変わるわけないですよ、もう!」
「どうしたの?いつもなら、久しぶりに会えて、嬉しいって騒ぐのに」
「卒業後に彼女と結婚することになりました」
「そう?おめでとう、良かったわね」
「それと、就職先も決まって、時間が自由にならなくなります。だから、今までみたいに、スミレさんの時間に合わせられなくなります」
「まぁ、そうでしょうね」
そろそろ潮時だ、私もそう思っている。
「だから、会うときは日時の調整をさせていただきたいんです」
「はぁ?」何を言っているんだ、この子は。
「申し訳ないんですが、スミレさんのいい日をいくつかあげてもらって、その中から僕が選ぶ方法が、一番てっとり早いと思うんですが、どうですか?」
「まだ続けるつもりなの?」私は呆れた。
「えっ?僕、なんか変なこと言いました?」
「普通、この話の流れなら、もう会うことはできませんってなるわよ」
「えっ!なんで会えないんですか!嫌です!スミレさんがいなくなったら、僕は耐えられないです」
ダメだ。完全に依存させてしまった。2人がこの子に依存して、この子は私に依存して。私が断ったら、ここまで積み上げてきた危ういトランプタワーは、簡単に崩壊してしまうのだろう。
まぁ、半年に一回くらいなら、いっか?最近は育児の楽しさを感じている。別に教育ママをしているわけではない。自分と旦那の分身と、一緒に色々な出来事と感情を共有しているだけだ。
自分も子供になり、無邪気に楽しむ、いいストレス発散だ。それに2人目も欲しくなってきている。
この子も、私といつか会えるという未定の予定だけあれば十分なはずだ。
まぁ、今日、何かを決めないとならないわけではない。また会いたくなるかは、未来の自分に委ねよう。
「分かったから!別に私が会いたくないって言ったわけじゃないでしょ!」
「ごめんなさい」
「次もちゃんと連絡するから、待ってなさい」
「はい。じゃあ、行きましょう」白石は手を伸ばして、立ち上がった。
「うん」私はその手に自分の手を置いた。
ホテルの入口の自動ドアを通り過ぎたら、何も言わずに白石はエレベーターの方に向かおうとした。
私は腕を組んだ。白石はビックリした顔を向けた。何も言わずフロントへと一緒に行く。もう犯罪でもないし、小さい子供を連れて何してんだと思われることもない。
まぁ、いつまで若いつもりでいるんだとは思われるだろうが。
鍵を受け取り、エレベーターに行く。すると、私よりも10歳以上は年上だと思える女性が、私くらいの男を連れていた。他に客はいない。
女性は私と白石を見た。私は組んでいる腕に胸押し付ける。白石は私を隠すように体を向け、顔を近づけてくる。私はそれに応じる。エレベーターが来たので、口を離し、エレベーターに乗る。
同じくエレベーターに乗った女性は一生懸命に男に何かをねだっているようだが、男は全然聞く耳を持たない。
私は体を寄せて、白石の股間を撫でる。白石はビクッとして、私の背中に手を回し抱き寄せた。
女性は、こちらをはっきりと睨んできているのが、視界の端から見えた。
私は口を上げる。白石は顔を近づけて、舌を絡めた。
あと十年もすれば、見た目は、あの2人と同じようになる。しかし、私は無理矢理関係を迫っているわけではない。その違いを見せつけているのだ。
降りる階になったので、先に降りた。ずっと睨まれ続けていた。
これから先は、いつも通りのマンネリだ。
別に変なプレイは何もしていない。夫婦のようにマンネリを飽きずに続けているだけだ。まぁ、お互いにそれで満足している。
今日もこれからもマンネリを続けていく。それに飽きたら、いよいよ本格的にお別れだ。
まぁ、それまでは、この関係を細々と続けていくのだろう。
そんな引け目もあって、白石と会う回数は激減した。本当は止めても良かったのだが、全てこっちの都合なので、そこまでしなくてもいいと思っていた。
そうして何年もズルズルと時は過ぎていった。
今日も久しぶりに会う。子供は母に預けてある。
待ち合わせ場所に行くと、いつものように先に待っていた。
向こうが気が付かないので、少しじっと見た。
なんか老けた?フフフッ、私が言うのもなんだけど。間もなく大学を卒業するはずだ。弁護士の試験には既に合格したと、いつもの頑張ったこと報告で聞いた。
白石が何気なくこっちを見て、立ち上がった。
「なんだ、来てたなら声かけてくださいよ」
「久しぶりだから、人違いしちゃいけないと思って」
「そんなに変わるわけないですよ、もう!」
「どうしたの?いつもなら、久しぶりに会えて、嬉しいって騒ぐのに」
「卒業後に彼女と結婚することになりました」
「そう?おめでとう、良かったわね」
「それと、就職先も決まって、時間が自由にならなくなります。だから、今までみたいに、スミレさんの時間に合わせられなくなります」
「まぁ、そうでしょうね」
そろそろ潮時だ、私もそう思っている。
「だから、会うときは日時の調整をさせていただきたいんです」
「はぁ?」何を言っているんだ、この子は。
「申し訳ないんですが、スミレさんのいい日をいくつかあげてもらって、その中から僕が選ぶ方法が、一番てっとり早いと思うんですが、どうですか?」
「まだ続けるつもりなの?」私は呆れた。
「えっ?僕、なんか変なこと言いました?」
「普通、この話の流れなら、もう会うことはできませんってなるわよ」
「えっ!なんで会えないんですか!嫌です!スミレさんがいなくなったら、僕は耐えられないです」
ダメだ。完全に依存させてしまった。2人がこの子に依存して、この子は私に依存して。私が断ったら、ここまで積み上げてきた危ういトランプタワーは、簡単に崩壊してしまうのだろう。
まぁ、半年に一回くらいなら、いっか?最近は育児の楽しさを感じている。別に教育ママをしているわけではない。自分と旦那の分身と、一緒に色々な出来事と感情を共有しているだけだ。
自分も子供になり、無邪気に楽しむ、いいストレス発散だ。それに2人目も欲しくなってきている。
この子も、私といつか会えるという未定の予定だけあれば十分なはずだ。
まぁ、今日、何かを決めないとならないわけではない。また会いたくなるかは、未来の自分に委ねよう。
「分かったから!別に私が会いたくないって言ったわけじゃないでしょ!」
「ごめんなさい」
「次もちゃんと連絡するから、待ってなさい」
「はい。じゃあ、行きましょう」白石は手を伸ばして、立ち上がった。
「うん」私はその手に自分の手を置いた。
ホテルの入口の自動ドアを通り過ぎたら、何も言わずに白石はエレベーターの方に向かおうとした。
私は腕を組んだ。白石はビックリした顔を向けた。何も言わずフロントへと一緒に行く。もう犯罪でもないし、小さい子供を連れて何してんだと思われることもない。
まぁ、いつまで若いつもりでいるんだとは思われるだろうが。
鍵を受け取り、エレベーターに行く。すると、私よりも10歳以上は年上だと思える女性が、私くらいの男を連れていた。他に客はいない。
女性は私と白石を見た。私は組んでいる腕に胸押し付ける。白石は私を隠すように体を向け、顔を近づけてくる。私はそれに応じる。エレベーターが来たので、口を離し、エレベーターに乗る。
同じくエレベーターに乗った女性は一生懸命に男に何かをねだっているようだが、男は全然聞く耳を持たない。
私は体を寄せて、白石の股間を撫でる。白石はビクッとして、私の背中に手を回し抱き寄せた。
女性は、こちらをはっきりと睨んできているのが、視界の端から見えた。
私は口を上げる。白石は顔を近づけて、舌を絡めた。
あと十年もすれば、見た目は、あの2人と同じようになる。しかし、私は無理矢理関係を迫っているわけではない。その違いを見せつけているのだ。
降りる階になったので、先に降りた。ずっと睨まれ続けていた。
これから先は、いつも通りのマンネリだ。
別に変なプレイは何もしていない。夫婦のようにマンネリを飽きずに続けているだけだ。まぁ、お互いにそれで満足している。
今日もこれからもマンネリを続けていく。それに飽きたら、いよいよ本格的にお別れだ。
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