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第19話 用具倉庫の不穏 3
しおりを挟むオレが簡単に中に入ってこないことに、困惑しながらも、性格の悪い笑顔を一瞬だけ見せたのを見逃さない。
みずほちゃんは言ってた。
「人を陥れようとしている人ほど警戒しているし、自分が警戒している分だけ相手も警戒していると安心するモノなの」
そんな感じの話だったけど、ホントに、その通りだね。
う~ん。みずほちゃんに言われなかったら、絶対に、そんなこと考えなかったよ。
「あ、警戒してるよね? ごめん。でも、あのね、信じて欲しいの」
殊勝な顔を見せるけど、メギツネを信じるはずないじゃん笑笑
「わかった。信じるよ。でも、いったい何の用なの?」
「あのね、えっと、あ、もうちょっと近くに来てくれる?」
どうやら扉を閉めさせるのは諦めたらしい。
今までの経験からすると、連中は、跳び箱の中とマットの影辺りに隠れているはずだ。オレが入って来た後から忍び込もうとしたら、オレに見つかる可能性があるからね。
あらかじめ隠れているしかないんだ。
オレが近づかないのに痺れを切らしたのか、向こうが二歩近寄ってきた。
「あのね、信じてもらえないかもしれないけど。私、石田君が好きだったの」
「え~っと、それってウソ告でしょ?」
「そ、そんなっ」
笑顔で突っ込んだら、須藤さんは明らかに慌てたんだ。今まで。そんなツッコミを入れたこと無いもんね。
でも、たぶん、斎藤…… いや、ボスは青木だっけ。あいつらに言われているから、もうメギツネは引くに引けないんだろ。
さて、ここから、どう出るかな?
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