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第9話 憂鬱 ~天音~ 2
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あぁ! それにしても、瞬って、本当に素敵な人だ。
初めてのはずなのに、あんなに気持ちよくしてくれるなんて!
こんなふうになったら自然と好きな人のことを考えてしまうのは当たり前だよね?
瞬、シュン、瞬、しゅん!
とってもいい人だ。頭が良くって考え方も大人だし、真剣に私のことを考えてくれてる。
瞬と一緒にいればきっと幸せになれるだろうなって心から思う。
でも……
心に影ができてしまうのを自分でも止められない。
こんな汚いオンナが自分の幸せなんて考えていいわけがないとも思ってしまう。少なくとも誰かを踏みにじって幸せになろうとしてはいけないんだってわかってる。
汚い女、汚れた女。お母さんは私にそう言った。ひどいって思うけど、私は頭のどこかで「きっと、お母さんが正しいんだ」と思ってしまう。
だって、自分でもそう思ってきたのだから。こんなことしちゃいけないと思いながら、ずっとずっと止められなかった。
「私だけ幸せになっちゃダメなんだよね、きっと」
ふっと、幼なじみの健の顔がふと浮かんできた。
健は私のことをどう思っているんだろうなって。
私だってバカじゃない。あれほど「弟の仇だ」と言ってた人を私に売り込んできたのだから、絶対に何か考えているんだろうなって思う。
健が何を考えたかはわからないけど、今の私は感謝してる。こんなに素敵な人と出会えたきっかけをくれたのだから。
でも、不安。
健をこのまま一人にしちゃったら、きっと瞬へと圧力が噴き出てしまう。健の中に眠ってる黒い心はすさまじいのを私が一番よく分かっているんだと思う。
もしも、それが出てしまったら、誰にとっても良くないことが起きるはず。
悪意って、誰かに向けてしまうと、それは両刃の剣となるって聞いたことがある。
瞬に対しての猛烈な悪意は、必ず健自身を追い込んでいくのは目に見えてる。だから、何とかして、渉君の復讐を忘れてもらわなくちゃいけない。瞬のためにもなるけど、何よりも、健のために。
もう忘れてる? ううん、忘れるなんて絶対に出来ないよね? だから、少しでも凝り固まった心を、違うカタチで和らげて上げなくっちゃいけない。
今は、どうしたらいいのか分からないけど、きっと何が出来るはずだ。たとえ、それで自分が泥を被っても良い。
そうよ、汚いオンナが、あと少しだけ泥を被ったからといって、何にも変わらないのだから……
初めてのはずなのに、あんなに気持ちよくしてくれるなんて!
こんなふうになったら自然と好きな人のことを考えてしまうのは当たり前だよね?
瞬、シュン、瞬、しゅん!
とってもいい人だ。頭が良くって考え方も大人だし、真剣に私のことを考えてくれてる。
瞬と一緒にいればきっと幸せになれるだろうなって心から思う。
でも……
心に影ができてしまうのを自分でも止められない。
こんな汚いオンナが自分の幸せなんて考えていいわけがないとも思ってしまう。少なくとも誰かを踏みにじって幸せになろうとしてはいけないんだってわかってる。
汚い女、汚れた女。お母さんは私にそう言った。ひどいって思うけど、私は頭のどこかで「きっと、お母さんが正しいんだ」と思ってしまう。
だって、自分でもそう思ってきたのだから。こんなことしちゃいけないと思いながら、ずっとずっと止められなかった。
「私だけ幸せになっちゃダメなんだよね、きっと」
ふっと、幼なじみの健の顔がふと浮かんできた。
健は私のことをどう思っているんだろうなって。
私だってバカじゃない。あれほど「弟の仇だ」と言ってた人を私に売り込んできたのだから、絶対に何か考えているんだろうなって思う。
健が何を考えたかはわからないけど、今の私は感謝してる。こんなに素敵な人と出会えたきっかけをくれたのだから。
でも、不安。
健をこのまま一人にしちゃったら、きっと瞬へと圧力が噴き出てしまう。健の中に眠ってる黒い心はすさまじいのを私が一番よく分かっているんだと思う。
もしも、それが出てしまったら、誰にとっても良くないことが起きるはず。
悪意って、誰かに向けてしまうと、それは両刃の剣となるって聞いたことがある。
瞬に対しての猛烈な悪意は、必ず健自身を追い込んでいくのは目に見えてる。だから、何とかして、渉君の復讐を忘れてもらわなくちゃいけない。瞬のためにもなるけど、何よりも、健のために。
もう忘れてる? ううん、忘れるなんて絶対に出来ないよね? だから、少しでも凝り固まった心を、違うカタチで和らげて上げなくっちゃいけない。
今は、どうしたらいいのか分からないけど、きっと何が出来るはずだ。たとえ、それで自分が泥を被っても良い。
そうよ、汚いオンナが、あと少しだけ泥を被ったからといって、何にも変わらないのだから……
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