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第一章
オッサン、しばし眠りにつく
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無論拘束されている状態とはいえ、ダメージはないのだから、動くことはできた。
が……ここで俺が勢いよく、地べたをモゴモゴと蠢くことは、えらく彼らを刺激してしまいそうである。
先ほどからの会話からして、それは明らかだ。
しかし……彼らが俺が展開している防御魔法に一切言及していないのはいったい……。
いや……いずれにせよ、せっかく事態は終息しかけているのだ。
俺はここで微動だにせず、じっとしている方がよいのは間違いない。
……が、全く動かないでいるというのはどうにもこれはこれで……難しい。
「こ、こいつ……う、動いて!? ま、まるで効いていないってのか!?」
「ま、間宮三尉!!」
「お、落ち着け! わたしたちの任務は対象の確保だ! 排除ではない!」
「し、しかし……こ、こいつは!? じ、自分たちはいったい何を相手に!?」
「か、会長にはわたしから後で説明する。今は対象の確保、連行を優先しろ!」
部隊のリーダーらしき人物……間宮三尉……の号令で、俺はすまきのような状態のまま、そのまま担がれて外へと連れ出される。
ついで、しばらく移動した後で、乱暴に投げだされると、体全体が大きく動く。
どうやら……俺は車に載せられたようである。
周囲からは先ほどの男たちの気配がする。
依然として警戒はしているようだが、殺意を向けられている訳ではない。
やれやれ……とりあえず一件落着……という訳ではないが、戦闘は回避できたか……。
それにしても、俺はこれからどこへ連れて行かれるのか……。
いずれにせよこの男たちの会話からも、俺は即殺害されるという訳ではないのだろう。
と……なれば仮眠を取っておいた方がよいかもな……。
先は長くなりそうだから、頭をスッキリさせておきたい。
寝ている最中にズドンと一発……というのもありえなくはないが……。
いくら平和ボケしている今の俺でも……さすがに殺意を向けられて、眠りこけているほど間抜けではない。
それに今なら守るべき仲間はいない。
もしも、奴らが再び敵対してきたならば、今度こそ殲滅して……。
そして、油断しているであろうこの連中の本拠地にまで行き、そこで首謀者のあの女を——。
いや……違う……俺は何を……。
クソ……思考が昔に戻ってきてやがる……。
仮眠を取って、少しでも俺のこの頭の中の空気を変えたい……。
いやなんとしても変えなければ……。
兵士……いや軍人たちの殺気にあてられて、危うく俺はさきほど——。
俺はもう二度と誰も殺さない。
そう……誓ったのだから……『彼女』に……。
脳裏にはますますその『彼女』の顔がちらつく。
俺は半ばそれを強引に無視して、一時の眠りにつくことにした。
起きた時には『彼女』の顔が脳裏から消えていることを祈りながら……。
が……ここで俺が勢いよく、地べたをモゴモゴと蠢くことは、えらく彼らを刺激してしまいそうである。
先ほどからの会話からして、それは明らかだ。
しかし……彼らが俺が展開している防御魔法に一切言及していないのはいったい……。
いや……いずれにせよ、せっかく事態は終息しかけているのだ。
俺はここで微動だにせず、じっとしている方がよいのは間違いない。
……が、全く動かないでいるというのはどうにもこれはこれで……難しい。
「こ、こいつ……う、動いて!? ま、まるで効いていないってのか!?」
「ま、間宮三尉!!」
「お、落ち着け! わたしたちの任務は対象の確保だ! 排除ではない!」
「し、しかし……こ、こいつは!? じ、自分たちはいったい何を相手に!?」
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部隊のリーダーらしき人物……間宮三尉……の号令で、俺はすまきのような状態のまま、そのまま担がれて外へと連れ出される。
ついで、しばらく移動した後で、乱暴に投げだされると、体全体が大きく動く。
どうやら……俺は車に載せられたようである。
周囲からは先ほどの男たちの気配がする。
依然として警戒はしているようだが、殺意を向けられている訳ではない。
やれやれ……とりあえず一件落着……という訳ではないが、戦闘は回避できたか……。
それにしても、俺はこれからどこへ連れて行かれるのか……。
いずれにせよこの男たちの会話からも、俺は即殺害されるという訳ではないのだろう。
と……なれば仮眠を取っておいた方がよいかもな……。
先は長くなりそうだから、頭をスッキリさせておきたい。
寝ている最中にズドンと一発……というのもありえなくはないが……。
いくら平和ボケしている今の俺でも……さすがに殺意を向けられて、眠りこけているほど間抜けではない。
それに今なら守るべき仲間はいない。
もしも、奴らが再び敵対してきたならば、今度こそ殲滅して……。
そして、油断しているであろうこの連中の本拠地にまで行き、そこで首謀者のあの女を——。
いや……違う……俺は何を……。
クソ……思考が昔に戻ってきてやがる……。
仮眠を取って、少しでも俺のこの頭の中の空気を変えたい……。
いやなんとしても変えなければ……。
兵士……いや軍人たちの殺気にあてられて、危うく俺はさきほど——。
俺はもう二度と誰も殺さない。
そう……誓ったのだから……『彼女』に……。
脳裏にはますますその『彼女』の顔がちらつく。
俺は半ばそれを強引に無視して、一時の眠りにつくことにした。
起きた時には『彼女』の顔が脳裏から消えていることを祈りながら……。
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