子猫と踊るはラプソディー

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もういくつ寝ると離乳ですか?

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 わちゃわちゃお喋りしているときに、みうみさんが大発見をした。
 それは気にしていた、しまちゃんの目の大きさについてだ。
「右目にだけアイラインがあるから、左右で違うように見える!」
 なんということでしょう。
 しまちゃんのアイラインが目の錯覚を起こしていたのだった。
 確かに、左右でわずかに大きさの違う目は、アイラインで助長されていたのだ。
 みうみさん、すごい!
 絵を描くヒトは、きっと目の付け所が違うのだろう。
 気にしていた、しまちゃんの目について回答をえられて、ほんとうによかった。
 ところで、帰宅したもふちゃんとしまちゃん。囲いからさっさと逃げ出す。
「抜け出して、わたしの毛布で寝てたりするから、夜安心して眠れない」
 寝返りしたときに下敷きにしちゃったらとか心配で心配で。
 するとみうみさんは、折りたたみケージのことを教えてくれた。
「軽くて折り畳めて、もしも災害の時には、避難所で使えるからいいよ」
 ケージと言えば、金属製のいわゆる檻タイプのものしか知らなかったので、目からうろこ。早速ネットで検索すると、そんなにべらぼうな値段でもなかったので早速注文した。これで夜は安眠できる。
 いろいろと教えてもらったあと、みうみさん宅へ子猫ちゃんたちを連れて行く日を相談した。
 六月五日は、ずっと前から予定が入っていたのでちょっと無理、そうなると六月十二日か十九日。
 いやいや、十九日は文学フリマ岩手に二人して出店するから、無理。やはり十二日がベストだけれど、二匹は離乳するだろうか。もふちゃんはそろそろフードに移りそうだけど、しまちゃんは……。
 離乳しないことには、常にだれか家にいなくてはならない。
 はたして、二匹は離乳できるだろうか。
 
 打ち合わせが終わって、みうみさんは帰って行った(なぜかお土産だけは、準備していた我)。
 また二匹に戻ったケージ。授乳は、先生直伝のねじ込む式で、渋るもふちゃんに飲ませる。しまちゃんは積極的に飲んでくれるから助かる。たとえ5ccであっても。
 ※帰宅してから、今まで飲ませていたパックの説明をきちんと読んでみたら「おやつとして与えてください」と書いてあり、食事ではなかったのかーい、と思わず叫んだ。粉ミルクのほうがカロリーが高かった。

 高カロリーのミルクのおかげか、もふちゃんが倒れることはなくっていた。ちょっとずつ離乳食も食べるようになり、もふちゃんは自然とミルクから卒業した。みうみさんが送ってくれた、高カロリーのムース状のフードは本当においしいらしく、喰つきが他のとは違っていた。どんどん食べて、もふちゃんの体はまん丸になっていった。まるでボールみたいに丸くなって、ちょっと不安を感じた。
 片や、しまちゃん。相変わらずミルクを飲み続けた。そのうちシリンジ一本を一気のみするようになったが、それでも10cc。しまちゃんくらいだと、15ccくらいは飲んで欲しいところ。しかし、一本飲むと満足するのか、追加はがんとして受け付けなかった。
 しまちゃんはミルクを飲むとき、興奮しすぎてシリンジの筒を思いっきりシャカシャカと引っかいてミルクを散らした。飲むの半分、散らすの半分みたいな感じで、しまちゃんの口の周りやお腹の毛はミルクでカピカピになった。
 わたしが部屋にいるときには、折りたたみケージの入り口をあけて、部屋の中で自由に遊ばせるようにした。
 すると、もふちゃんは遊び上手で、おもちゃがなくても積極的に遊んだ。例えば、パッケージの切り口(小さなセロファンの切り落とし)が触るとぴょんと跳ねるのが面白いらしく、触っては自分もぴょんとちっちゃくジャンプする。何度も繰り返して遊んでいる。
 病院の診察で、もふちゃんの目は見えていないかも、と言われたのが嘘のようだった。結局、視力には問題がないようだった。
 しまちゃんは、食後はわたしに抱っこされて、小さく小さく喉を鳴らすというか、咳をするというか。毎食後なので、なんだろう、謎と感じつつ毎回せがまれて抱っこしていた。
 ※みうみさんの獣医さんに、「甘えている?」「もしかして寄生虫が肺か喉にいる?」と、まだ調査中。

 六月五日は、夫と出かけることになっていたので、ベビーシッターを友人Sにお願いした。
 五日の朝に友人宅へ猫と折りたたみケージ、トイレ、フードなどを持ち込むことと、段取りを決めた四日の朝。
 しまちゃんにダメもとで、フードと液状おやつを混ぜたものを小さな匙(水ようかんとかに付いてくる小さな匙)ですくって口元へ持って行くと!!
 なんと、ぱくっと食べた。続けて、二口、三口と食べていく。
 離乳だ、しまちゃん。祝離乳。
 これでうんちも固まってくるし、どんどんカロリー取って大きくなれる。
 みうみさんに、離乳を知らせた。予定通り、二匹は十二日にみうみさんのおうちに行くことになった。

 五日の朝、友人宅へお願いした。友人宅には、四匹の猫がいるが、子猫とは接触させないようにと頼んだ。

 夕方、子猫を迎えに行くと、友人のお母さんが外で草取りをしていた。
「子猫、かわいいねえ。ほんと、かわいくてかわいくて」とお母さん、かわいいしか言ってなかった。友人もまた、そんな感じだった。
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