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第十二話

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 今日は白との初デートがある為、俺は待ち合わせ場所の駅前に来ている

 だが少し張り切りすぎて予定よりも三十分も早く来てしまったので、今は脳内で今日一日のデートプランに問題はないかの再確認をしている

 まずは十時半からの映画を見て……それから、


「先輩!遅れてすみません!」

「ああ、俺も今来た所――っ、」

 こちらに慌てて駆け寄って来た白は、淡いカラーのワンピースに締め色カーディガンを身に着けていた

 そのあまりの上品さと可憐さに俺は言葉を失う


「……どうしたんですか?そんなにじろじろと見て……も、もしかして私の服装変でした!?」

「いや、違うんだ。その……あまりの可愛さに見とれて、言葉も出なかった」

「かっ、可愛い!?私が!?」

「ああ、とても可愛い」

「本当ですか!?……先輩にそう思ってもらえるように頑張って良かったぁ……嬉しいっ、」

「おいおい、反応も可愛いな」

「ま、また可愛いって!も、もう……こういう事、私以外の子には言っちゃダメですからね?」

「言うわけないだろ」

「約束ですからねっ、先輩の中身まで魅力的なことを他の子には知られたくないですから」

「白は俺の顔も含めて魅力的だと思ってくれてるんだな」

「勿論です、先輩のお顔は美形の強面で、全体的にバランスがよくて、特に!凛々しい目はいつも私の心をドキドキさせてくれます!あとは」

「白……照れるからその辺にしてくれ、この顔をこんなに褒められたのは初めてだ」

「ふふん、さっきの仕返しです……」

「小悪魔め……今日はとっておきのデートでもっと俺を好きになってもらうからな、覚悟しておけよ」

「もう先輩なしでは生きられない体になってますよ」

「誤解を生むような言い方をするな」

「……では、まず何処にいくんですか?」

「午前中は今話題の恋愛映画を見にいこう」

「はい!……先輩と映画デート、先輩と映画デート、暗闇に乗じて……」

 俺は何かブツブツ言ってるご機嫌?の白と一緒に映画館のあるショッピングモールに向けて歩き出した


「予約チケットは取ってあるから座席の心配はいらないぞ」

「先輩……もしかして私以外の女の子とデートしたことありますか?」

「どうしてだ?」

「そんなに手馴れてるなんて怪しい……まさか他に女が!?」

「いない、そもそもデート自体が初めてだ……俺は白に喜んで貰いたくて、全力で準備をしておいただけだ」

「先輩はいつも私が一番欲しい言葉をくれますよね……どれだけ私を夢中にさせたら気が済むんですか」

「ん?何か言ったか?」

「いいえ、だた……先輩は女たらしだなーって、思っただけですよ」

「そうか……?」

 大通りを歩いていると道の端に相性占いの館と書かれた巨大な看板が目立つ謎に満ち溢れている店が出来ていた


「面白そうな店があるな、時間に余裕があるから寄ってみないか?」

「いいですね、私と先輩なら絶対に相性抜群ですよ!」
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