淫美な虜囚

ヤミイ

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618 萎えた器官②

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「うぐ…」
 
 激痛のあまり、視界が涙でぼやけた。
 
 動けなくなって、うつぶせのまま、右腕だけ伸ばした僕の前に、

 どぼどぼどぼっ。

 噴出した翔の精液が滴り落ちた。

「アア、アア、アア」

 頭上ではその翔が、獄卒の腹話術人形と化して、いやらしい恰好で痙攣を繰り返している。

 溶けたキャンドルのようなそのゴツゴツの肉棒から、ミルクをチュプチュプ溢れさせながら…。

 せめて…一口、だけでも…。

 瀕死の兵士のように、匍匐前進で白い液体の”水たまり”をめざす。

 ツンと鼻を衝くのは、濃厚な翔のミルクの匂い。

 畳の上に滴り落ちるとろりとした液体は少しずつ量を増し、水たまりを大きくしていく。

 あの白濁液の中に、翔の分身が何億、何十億も生きて蠢いているー。

 そう認識すると、不思議な気持ちになった。

 ミクロの世界で、おたまじゃくしの姿をした無数の翔たちが、もはや生き延びるすべもなく、ただ蠢いている。

 畳にこすれる乳首が気持ちいい。

 股間の勃起物が大きすぎて、もはや前進が困難なほどだ。

 でもその摩擦からくる快楽のおかげで、蹴りを入れられた腹部の痛みを忘れることができた。

 なんとか、水たまりにたどり着く。

 とろみのあるミルクの滴りを前にして、まずはかぐわしい臭いを、胸いっぱいに吸い込んだ。
 
「ああ、翔…」

 舌を伸ばし、とろろ汁をこぼしたみたいな水たまりの表面に、そうっと先っちょを浸してみる。

 温かかった。

 最初、アンモニア特有の、刺すような苦みがあった。

 我慢して舌先を浸していくと、苦みが、徐々に甘味に代わり始めた。

 鼻孔の中が青臭い匂いに満たされ、その中に、ほんのりと翔の躰の匂いが混ざった。

 ーおいしい…。

 それにしても、翔の精液は、すばらしい濃さだった。

 濃厚で、隙のないその味に、すぐに僕は夢中になった。

 ところどころ、ゼリーみたいな透明の固形物が混じっていて、それがグミそっくりの歯ごたえを伝えてくる。

 いつしか僕は翔の精液だまりに顔をつけ、無我夢中で畳にあふれた淫らなミルクを舐め回していたー。
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