淫美な虜囚

607 淫蕩フィギュア⑪

　獄卒の太い指が、翔の肛門の内側を撫で回す。
　
　指の進行に伴い、括約筋が畑の畝のように盛り上がり、股の付け根あたりの痙攣が烈しくなる。

　翔が夢中で僕の陰茎にしゃぶりつくのがわかった。

　頬をすぼめて、すごい吸引力でちゅうちゅう吸い出したのだ。

　包皮の剥けた生の亀頭に翔の柔らかな頬の粘膜が貼りつき、気が遠くなるほど気持ちがいい。

　しかも亀頭の鼻面は翔の喉の粘膜にめり込んで、完全なイラマチオ状態にあるのだ。

　肛門を凌辱される快感を、僕に分け与えようとでもいうかのようなその勢いに、対抗心が沸き上がる。

　負けてはいられなかった。

　目の前には、逆さづりになった翔の股間がある。

　つるすべのその股間の中心に、恥ずかしいほど硬直したソーセージが突き立っている。

　もう一度、あれを咥えなければ。

　喉の奥まで深く咥え込んでしゃぶりまくり、僕より先に翔を逝かせてやるのだ。

　さっきまでは、僕だけ肛門を獄卒に犯され、極めて不利な状況にあった。

　でも今は違う。

　どうやら獄卒は、翔にも罰を与え直す気になったらしく、僕を犯しながら、翔の肛門を指責めし始めたのである。

　もう少し獄卒が頑張ってくれれば、これでおあいこになる。

　同じ条件なら、今や”ペット”の僕のほうが、”主人”の翔より、耐久力が高いことを証明できるのだ。

　だいたい、ここへ来てからの翔は、調教師というにはあまりに情けないM男ぶりをさらしている。

　陽によるとこれが本来の翔の姿というのだから、僕としては、”だまされていた感”がぬぐえない。

　ならばお仕置きしてやるまで。

　僕の愛がたっぷりこもったお仕置きを。

「ｱｱｱｱｱｱｱｱ･･･」

　僕を咥えたまま、くぐもった声で翔が喘ぐ。

　獄卒が、肛門に挿入する指の数を二本に増やしたせいだった。

　左手の人差し指と中指を肛門の周りの肉襞に当ててV穴を字形に広げると、右手の人差し指と中指をぐっちょり濡れたピンク色のその中に有無を言わせず差し込んだのだ。

　僕の目と鼻の先で翔のペニスが震え出し、先っちょから透明汁を滴らせ始めた。

　巷には、翔に恋い焦がれる女性たちがたくさんいるに違いない。

　でも彼女たちは、果たしてこんな姿になった翔を見たことがあるのだろうか。

　しかも、ここまでいやらしいチンポをこれほどまで近くで…。