淫美な虜囚

606 淫蕩フィギュア⑩

　新参者の僕に、それは出過ぎたマネというべきだったかもしれない。
　
　が、意外なことに、ここでも獄卒は、寛容だった。
　
　不機嫌になるどころか、察しよく、僕の意図を正確にくみ取ってくれたのである。
　
　ある意味、察しが良すぎる、といってもよかったかもしれない。

　僕が自分で自分の太腿を掴み、彼に貫かれたまま大開脚状態を保ったその意図を、いち早く見抜いてくれたのだ。
　
　彼がまずやったのは、自由になった両手を使って、翔を完全に逆さま状態にすることだった。

　そうすることによって、自重で翔は僕の勃起陰茎を喉の奥まで飲み込む形になり、二度と吐き出せなくなった。

　更に、逆立ち状態にされたことで下半身が上になり、背面に折り曲げられた両足の間から肛門が見えるようになったのだ。

　しわくちゃの睾丸袋に半ば隠れた肛門を、袋を脇にどけることにより、獄卒の太い指が剥き出しにする。

　さんざん凌辱されつくした翔の肛門は、女陰のように周辺の肉がビラビラになり、まるで大陰唇だ。

　その襞をめくり上げ、獄卒が中を見えるようにした。

　サーモンピンクの綺麗な穴の中があらわになり、そこが透明な液体でぬらついていることがわかった。

　僕同様、翔の肛門内には媚薬入りのローションがたっぷり塗り込んであるに違いない。

　広げておいて、獄卒が、その穴の周辺を、獄卒が芋虫みたいな人差し指の腹で、ゆっくり撫で上げる。

「あぎゅうっ」

　喉の奥深くまで僕を咥えたまま、翔が躰を震わせ奇妙な声を発した。
　
　その反応を待っていたかのように、獄卒の指が侵入を開始する。

　襞がうごめき、軟体動物の捕食器官のように、ぐにゃりと指にまといつく。

「ｱｱｱｱ…」

　僕を頬張った翔の口から涎があふれ、その美しい顔をべとべとに濡らし始めたー。

「ｱｱｱｱｱｱｱｱ･･･ﾝ…」