淫美な虜囚

ヤミイ

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563 淫蕩の拷問部屋⑦

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 司会者の言葉通り、洗われたのは翔だった。

 姉さんが息を呑んだのも無理はない。

 翔は、きわめて奇妙な姿をしていた。

 いや、周囲の状況からして、奇妙というより、むしろ襖に囲まれたと畳敷きの和室にぴったりというべきかー。

 着物の下に女性がまとう、薄い肌襦袢を身に着けているのである。

 しどけなく着崩した薄物は前がはだけ、へそあたりまで裸身が見えている。

 しかも、何の冗談なのか、翔はその中性的な美しい顏に、白粉まで塗っているようなのだ。

 けど、それがまた異様な妖しさを醸し出しているのだから、さすが翔というべきだった。

「あれじゃ、まるで江戸時代の遊女じゃない」

 姉さんが侮蔑するように鼻を鳴らした。

 そのくせ彼女自身、翔の姿にかなりの興奮を覚えているらしいことが、その右手の握力からわかった。

 ボンテージスーツのひし形ゾーンの上から僕の局部を握る手の力が、またぞろ強まったのだ。

 僕は横目で姉さんを見た。

 彼女のボンテージスーツは僕のとは逆に、スイムスーツみたいに全身を覆っているが肝心の部位だけ空いている。

 胸に開いたふたつの孔から、絞り出された紡錘形の乳房が、ツンと上を向いて飛び出ているのだ。

 そして今、その頂に咲いた薔薇色の乳首は、誰に触られたわけでもないのに、明らかに勃起していた。

 それは陰部も同じで、縦に開いた楕円形の穴からはみ出た唇と唇の隙間には、露すら宿しているようだ。

「やはり、翔さまも盛られてますね。あれだけの凌辱を受けたあとなのに、お肌がつやつやしている」

 姉さんと同じタイプのボンテージスーツで身を包んだ陽が、翔を観察しながらささやいた。

 陽の股間の穴から垂れ下がった男根は、今のところ萎えたままで変化の兆しはない。

 それは背後に控える弟の陰も同様で、プロの男娼の自制心の高さをうかがわせる。

 翔は腰の後ろに手を回し、ロープで手首を縛られている。

 うなだれたその顔は無表情だが、よく見ると、裸の胸に一対の薔薇色が突き出ていた。

 姉さんと同じく、翔も乳首を勃たせているのだ。

 その翔を前に突き出すようにして、プロレスラー並みの体格の巨漢が現れた。

 ”獄卒”である。

 頭をマスクで隠し、筋骨隆々の上半身は裸。

 その股間だけを、僕と同じ、前がひし形のTバックショーツで辛うじて隠している。

 獄卒は、肩に幾重にも巻いたロープをかけていた。

「ああ、この舞台装置は、そういうわけだったのね・・・」

 姉さんが瞳の奥に昏い輝きを宿して、ひとりうなずいた。

 
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