淫美な虜囚

ヤミイ

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507 地下迷宮①

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 ミラーボールが止まり、会場に完全に照明が戻った。

 未練ったらしく愚痴を言いながら客たちが控室へと戻っていくと、

「優勝チームの皆さんはこちらへ」

 壇を降りて来た司会者が僕らを別の扉から楽屋裏へと導いた。

 廊下を行くと、目立たぬ場所にエレベーターがあった。

「ショーの再開まで、まだ数時間あります。まずはB1のVIPルームで、お食事、シャワー、お着替えをお済ませください」

 エレベーターのドアが開くと、司会者は陽に向かって「後は頼む」とでも言いたげに片目をつぶってみせた。

「知り合いなの?」

 ドアが閉まり、エレベーターが動き出したところで、姉さんが陽に訊いた。

「ええ、まあ。翔さま出演のショーの雑用を引き受ければ、自然、司会の彼とも懇意になりますから」

「じゃあ、この先起こることも、あんたたちはよく知ってるというわけね」

「うーん、それはどうでしょう」

 陽が美しい眉をひそめてみせた。

「僕らがおふたりのチームに入ったのは、もちろん、翔さまの意向です。翔さまは、おふたりを、ぜひともラストショーにまでお招きしたかった。だから、ある意味性技のプロである僕と陰をお呼びになり、おふたりのチームを勝たせたのですが、正直、この先に待ち受ける秘密ショーについては、僕にしても陰にしても、動画を見ての知識しかありません。年に一度、新年の夜中に行われる翔さま虐待ショー。それは、ある意味、翔さま自身の命を削る神聖なイベントであり、僕ら風情がそうそう立ち会えるものではないのです。ですから、僕と陰も、今回の生中継には本当に、ドキドキしています」

「やっぱり出来レース、インチキだったのね。さっきのイベント」

 馬鹿にするように姉さんが言う。

「そんなことだろうと思った。翔のやつ、この性奴隷にゾッコンなんだもの」

 聞き捨てならない台詞だった。

 僕は聞いていないふりをして、ひそかに両手で隠した陰茎を勃起させた。

 それって、あの翔が、僕に夢中ってこと?

 できればそう声に出して訊きたかったけど、僕をケモノ以下にしか見ていない姉さんには何も言っても無駄という気がした。

「巧君は、MとSのどっちのプレイにも向いていますからね。その意味では翔さまに似ています」

「当り前だわ。あいつが弟を自分の分身に仕立て上げたんだから」

「ある時は翔さまに凌辱されてイキまくり、ある時はドSと化して鬼になり、お美しい翔さまの裸体を滅茶苦茶に凌辱する。きっとお互い、精液も飲み合ったのでしょうね。羨ましいことです」

 陽が苦笑混じりにため息をついた時、チンと澄んだ音がして、目の前でエレベーターのドアが開いた。

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