淫美な虜囚

370 絡み合う裸体、迸る熱い液⑩

「ｱｱ･･･」

　心臓から血流が送り込まれ、ツルスベの股間でチンポが容積を増していく。

　そんな、出したばっかりなのに･･･。

　こんなにいっぱい、精液を･･･。

　強い匂いのする、熱く、とっても濃い、粘る精子の奔流を･･･。

　けれど、空っぽだったはずの僕の睾丸は、空気入れで空気を注入するように膨れ上がり、股間の中心から生えたあの愛しい肉の棒は、血液を吸ったスポンジのような海綿体を鎧として、早くもその身に纏い始めている･･･。

　その恥辱まみれの棒状の器官のせいで、腰の中心が、かなり重い。

「もう立たせてるんだね。チンポの先が、僕のお腹に触っているよ」

　僕の口から舌を引きずり出し、自らの舌で唾液と精液にまみれさせながら、陽が言う。

　ｼﾞｭﾌﾞｼﾞｭﾌﾞ舌を吸われて、僕は早くも蕩けそうになっている。

　口から引き出された舌は第二のペニスのように硬くなり、唾液と精液でグチョグチョなのだ。

　それを千切れんばかりに吸い上げられて、僕は展翅版の上の蝶の標本みたいにわななくしかない。

「ｱ､ﾀﾞﾒｯ･･･」

　僕が喘いだのはほかでもない。

　陽が腰を左右に振って、自分の勃起陰茎を、僕の勃起陰茎に擦り合わせて来たからだ。

　裏筋同士を密着させて垂直に立たせ、右手で二本いっぺんに握りしめ、上下にゆっくり扱き出す。

「ﾋ､ﾋｲ･･･ｱ、ｱﾊｱ･･･」

　突然の兜合わせに、震える僕。

　翔によって、男同士の行為を文字通り躰で覚えさせられた時、僕の一番のお気に入りだったのがこれ。

　怒張した男根同士を密着させ、擦り合うプレイ、そう、いわゆる”兜合わせ”である。

　これで後は、勃起した乳首同士を正面からくっつけて、乳頭で乳頭を擦り合わせたら最高だ。

　その僕の思いをくみ取ったのか、

「わかってるよ」

　陽が左腕を背中に回し、僕を抱きしめてきた。

　僕だけでなく、陽の乳首もすでにビンビンだった。

　乳首と乳首がかすかに触れ合ったとたん、

「ｱ､ｱｱ…」

　はしたなくも、喉から甲高い声が漏れてしまった。

　ﾋﾞｸｯ。

　脊髄を快楽のパルスが駆け抜け、陽の手の中で身震いする、僕の生殖のための肉の棒。
　
　ぎゅう。

　陽に強く抱きしめられ、その乳頭に押されて僕の乳頭が、ゴムの玩具みたいに焦げ茶色の乳輪の真ん中にｸﾞﾆｭﾘと陥没した。