淫美な虜囚

ヤミイ

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369 絡み合う裸体、迸る熱い液⑨

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「どうしてそれを・・・?」
 
 僕は目を瞬いた。

 独りフェラは僕の秘密の性癖のひとつ。

 躰が柔らかい僕は、十分勃起した時なら、屈伸して自分のペニスの先端を咥えることができる。

 でもそれを実演させられたのは、姉さんと翔の前だけなのに・・・。

 陰と陽。

 この双子の娼年たちには、謎が多い。

 明らかに翔のことを知り過ぎているし、この秘密パーティもこれが初めてではないようだ。

 あるいは翔の口を通し、僕たち姉弟について、かなり詳しい情報を入手しているのかもしれなかった。

「そんなこと、どうでもいいじゃない? ね、飲むの? 飲まないの?」

 陽が手のひらに溜めた精液を近づけてきた。

 鼻孔をくすぐるお馴染みの匂い。
 
 でも、どうせ飲むなら翔のを飲みたかった。

「やめろよ。遠慮しとくよ」
 
 しんねりと顔を背けると、

「この中には、条件さえ整えば、キミの分身として成長できる精子が何億と入ってるんだぜ。それをみんな無駄にしてしまうつもりかい?」

「そ、そんなこと言われても・・・」

 オナニーのたびに出る精液の中の、無数の精虫たち。

 その生死まで数え出したら、オナニストの僕など、スターリンも真っ青な大量殺人鬼になってしまう。

「しかたないなあ。じゃあ、こうしてやるよ!」

 次の瞬間陽がとった行動は、まったく予想していなかったものだった。

 精液を盛った手のひらを、いきなり僕の顏になすりつけてきたのである。

「うわっ!」

 ねちょねちょにされ、叫ぶ僕。

 思わず開いた口に、自分の精液が納豆みたいな糸を引く。

 精液だらけになった僕の頬を、陽が両手で挟む。
 
 そうして、

「おいしそう。接吻したくなっちゃうよ」

 ニタリと微笑むと、おもむろに僕の顔じゅうにキスの雨を降らせてきた。

 ざらついた舌が頬を舐め、柔らかな唇が顔じゅうを這い回る。

「ア、アア・・・」

 僕は思わず、上半身だけ陽に預けた姿勢から、腰を引いてしまった。

 股間で、出したばかりにもかかわらず、あの恥ずかしい部分がまたしてもピクンと身震いするのがわかったからだった。

 
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