淫美な虜囚

346 リアルラブドール・翔⑦

　そのさまはまるで脂ぎったカミキリムシの幼虫、テッポウムシそのものだ。

　樹の幹の中に住み、樹液を啜るテッポウムシは、筋肉質の体節で覆われた手足のない細長い虫だ。

　なかでも日本のカミキリムシの王者、シロスジカミキリの幼虫はかなりの大きさに及ぶ。

　それが、勃起しかけた翔の陰茎そっくりなのだ。

　翔の陰茎が、色白のせいもある。

　しかも、うまい具合に脂が乗っているので、全体が蜜色に光って見えるのだ。

　さっきまで20センチほどだった翔の陰茎は、すでに25センチほどの長さに成長している。

　それに付随して表皮も張りを取り戻し、達磨落としの輪切りの胴を思わせる凸凹の体節を露わに見せている。

　目を凝らすと、赤剥けたハート形の先っちょに、淫らな露が宿っているのが見えた。

　健康的に日焼けした角刈りの男は、翔の肛門から唇を離すと、今度は指を駆使したピストン運動を開始した。

　ｸﾁｭｸﾁｭｸﾁｭ…。

　ﾈﾁｬﾈﾁｬﾈﾁｬ…。

　ｽﾞﾌﾞｯｽﾞﾌﾞｯｽﾞﾌﾞｯ…。

　出し入れされる黒砂糖でできたかりんとうのような人差し指に攪拌され、翔の濃いピンクの穴から汁が滲み出す。

　それは男の唾だけにしては妙に粘ついていて、あたかも翔が肛門からもカウパー腺液を分泌しているかのようだ。

　-ｱｱ~ﾝ､ｱｱ~ﾝ､ｱｱ~ﾝ･･･。

　翔の鳴き声が甘えの響きを帯びた。

　ﾒｷｯ。

　ﾒｷﾒｷﾒｷｯ。

　見る間に太さを増し、たった今目覚めたかのように身震いする、艶めかしい筋肉の棒。

　股間から伸びるそれはすっかり硬さを回復したらしく、明らかに亀頭の回転半径を狭めている。

　それを見て取り、男が舌を伸ばしてその肉棒の裏筋を上下に舐め出した。

　先を尖らせた舌で、根元から亀頭の裏まで、着ぐるみのチャックのような筋の部分を、ﾂｰ、ﾂｰｯと舐め上げていくのである。

　－ｱﾋ､ｱﾋｲｯ…。

　翔の躰が震え出す。

　MAXの30センチに限りなく近づいた肉棒は、恐ろしいほど勃起して、翔の顏に影を落としている。

　更に薄く開いた尿道口からは、本物のカウパー腺液が垂れて、翔の顏に滴り落ちてすらいるようだ。

　－ﾎ､ﾎｼｲ･･･。

　その己れの恥の象徴のような脂ぎった生テッポウムシに向かって、耐え切れず舌を突き出す翔。

　気持ちは分かった。

　唇の届く所に自分の男性器が来れば、僕だって迷わず頬張るに違いないからだ。

　そうー。

　究極の独り遊び。

　セルフフェラチオに興じるためにー。