淫美な虜囚

318 棒状の快感に悶え狂う美青年②

「終了です」

　響き渡る司会者の声。

「あら、もう？」

　すかさず、老婦人たちの間から、不満の声が上がった。

　そうだった。

　僕はルールを思い出した。

　チームのメンバー、あるいは被験者の翔。

　その中の誰かが、絶頂を迎えた時に、プレイは終わるのだ。

「翔君ったら、意外に早漏だったわね」

　自分の手の中でミルクを垂れ流す美青年を見おろして、リーダー格の老婦人が言った。

「まあ、仕方ないかしら。前半のショーで責められっぱなしで、かなり溜まってたみたいだから」

　翔はと見ると、ベッドでひくついているところだった。

　弓なりに反りかえったまま、蟲のように痙攣を繰り返しながら、股間をミルクで濡らしているのだ。

　ラップの膨らみが、少しずつ萎んでいくのが分かった。

　自慢の生殖器官が、バナナからフランクフルトに、そして、細身のウインナーソーセージへと戻っていく。

　その代わり、亀頭の先から絶え間なく分泌される白濁液が、ラップの内側に溢れ、下腹から臍までを覆い出した。

　ーﾐﾅｲﾃﾞ…ー

　マミー状態の翔が、顏を背けてつぶやいた。

　そう言いながらも、唇の端がわずかにほころんでいるのはなぜだろう。

　まるで、射精したところを他人に見られるのが、翔の中で、変態的な快感を生んでいるみたいじゃないか…。

　その証拠に、ピンク色の乳首はふたつとも、まだツンツンに勃起したままだ。

「次のチーム、登壇をお願いします」

　未練げに後ろを振り返りながら老婦人たちが舞台を下りると、司会者がよく通る声でそう呼びかけた。