淫美な虜囚

ヤミイ

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275 禁断の秘密パーティ⑳

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 姉さんの愛撫は数分間続き、その間、僕は鏡の中の自分を見つめながら、愉楽の淵に浸り続けた。

 紐水着からはみ出た丸い亀頭の先を淫液でテカらせ、穴から飛び出た乳首をツンツンに尖らせながらー。

 ハアハアハア…。

 口から舌を突き出し、せわしなく喘ぐ僕。

 姉さんの指と舌は縦横無尽に動き回り、わずかな間も僕を解放しようとしない。

 身体じゅうの筋肉という筋肉がひくつき、あちこちに腱という腱が浮き上がる。

 波打つ下腹は荒れ狂う海面に似て、その中央で汗を溜めた流線形のへそが伸びたり縮んだりしている。

 単に、過激なBL漫画や小説に耽溺していた頃から考えると、姉さんは長足の進歩を遂げていた。

 翔に出会ったことでセンスを開花させ、自身を磨いて3次元でも十分通用する実践的な性技を身につけたのだ。

「さ、ウォ―ミングアップはこのくらいにして、そろそろ行くわよ」

 乳首へのキスと亀頭の撫で回しを中断し、不意に姉さんが言った。

 鏡の中の僕は、紐水着から飛び出た乳首に姉さんの口紅をつけ、男根を鬼のように勃起させてしまっている。

「う、うん…アア…」

 歩き出すと、乳首と亀頭が布にこすれて脊髄になんとも言いようのない快感の疼きが走った。

 姉さんに背中を押されるようにして楽屋を出、廊下を歩く。

 会場への重い扉を押し開けると、中は異様な雰囲気に満ちていた。

 照明が落とされた室内の天井で、ミラーボールが回っている。

「なんだかバブルの頃のディスコみたい」

 中を見回して、姉さんがつぶやいた。

 目が慣れてくると、時折闇を切り裂く目まぐるしい光の渦の中に、客たちの姿が浮かび上がってきた。

 いつどこで着替えたのか、皆、僕らと同じ、紐水着を身につけている。

 20人ほどいる客たちは僕らを除けばほぼ全員中高年だから、たるんだ肌や老いさらばえた肉体があちこちで露わになっていて、その不気味さは正視に耐えないほどだ。

 だが、客たちはそんな自分の醜い姿を恥じる様子もなく、ただ半円を作って舞台を取り囲んでいる。

 そこへ、ひとりだけタキシード姿のあの司会者の男性が現れ、スタンドマイクの前に立つと、開口一番、よく通る声でこう言った。

「皆さま、お待たせいたしました。いよいよ第二部の始まりです。それではさっそく、今年最初の生贄、天野翔さまの再登壇を拍手でお迎えいたしましょう」

 開園のベルに続き、上がり始める緞帳。

 そして、その向こうにあるものが明らかになるとー。

 姉さんが僕の隣でハッと息を呑み、伸ばした右手をにわかに僕の紐水着のデルタゾーンに押し当ててきた。
 
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