淫美な虜囚

235 肉棒合わせ④

　ぐにゅり。

　姉さんが指で、シリコン製の筒に、密着して扁平になったふたつの亀頭を無理やり捻じ込んでいく。

　当然のことだが、オナホールは本来独り用である。

　すなわち、ペニス一本分の直径しか有していないのだ。

　そこに、勃起したペニスを二本捻じ込もうというのだから、たまらない。

「アアアアアッ！」

　包皮の剥けた敏感な亀頭をもみくちゃにされ、たまらず僕が甲高い声で鳴くと、

「はうっ」

　さすがの翔も、端正な顔を歪めて熱い息を吐く。

「どう？　ふたりとも、気持ちいい？」

　悪魔的な笑みを浮かべ、姉さんが訊く。

　翔が握って立てた二本のペニスに、容赦なく肌色のオナホールを押し被せていく。

　めりめりめりっ。

　皮の剥ける音がして、オナホールの先端からくっつき合ったオタマジャクシのような亀頭がふたつ、顔を出す。

　どちらの亀頭も、自分と相手のカウパー腺液でぬるぬるだ。

「アアッ！　アアッ！」

　僕はお腹をぴくぴく波打たせ、狂おしく腰を跳ね上げる。

　ちんぐり返しの姿勢でのしかかる翔を上に乗せ、口を開いて何かをねだるかのように舌をひらひら蠢かす。

「ぐはっ」

　のしかかっていた翔が、快感に耐えきれなくなったのか、僕の上でやにわに躰をよじり、ソファの上にくず折れた。

　その拍子に、僕もちんぐり返しの姿勢を解き、思い余って横倒しに倒れてしまう。

　でも、ペニスはオナホールで束ねられたままだから、僕らはソファの上で向かい合わせになり、自然、互いの脚を相手の腰に絡めてバランスを取った。

　互いに後ろ手をつき、相手の腰を太腿で挟んで、向かい合った下腹と下腹との間で直立したペニスだけをチクワ型オナホールで密着させた格好だ。

「まあ、可愛い。出てきましたわね、ヌルヌルになった亀頭ちゃんが」

　オナホールの先から顏を出したふたつの亀頭の鼻づらを手のひらで撫でまわしながら、姉さんが言う。

「でも、翔さま、お楽しみはこれからですのよ。あたしが腕によりをかけて、ふたりをもっともっと、気持ちよくしてさしあげますわ」