淫美な虜囚

ヤミイ

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168 愛玩動物①

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 年末は無事、過ぎた。

 両親がずっと在宅だったため、姉さんも猫を被るしかなかったからである。 

 そんな僕の家に、突然翔がやってきたのは、年も明けた、1月3日の午後のことだった。

 元日2日と、親戚づきあいに追われた両親が、小旅行がてら遠方に住む母方の親族への挨拶へと旅立ったその日。

 まるで隙を狙うかのように、何の前触れもなく、翔は姿を現したのだった。

「あけまして、おめでとう」

 羽織袴が板についたこの美青年は、ドアを開けた姉さんに向かって、にこやかに微笑んだものである。

「翔さま、お待ち申しておりました」

 上がり框の板の間に正座して、三つ指をつく姉さん。

 姉さんも、翔に合わせてか、着物姿だった。

 友人と外出でもするのだろうと思っていたら、翔を迎えるための正装だったというわけだ。

「翔・・・」

 僕は姉さんの背後から、玄関に立つ美青年を見た。

 zoomの画面を介した”遠隔兜合わせ”から、数日経っていた。

 あの時、画面に映るお互いの痴態を肴に、ほぼ同時に爆発してしまった僕らー。

 あれ以来、僕は翔に会いたくてたまらなくなっていた。

 画面越しなんて、我慢できない。

 また以前のように、肌と肌とを触れ合わせ、互いの性欲の滾りを分かち合いたい…。

 その思いが募ってやまなくなったのだ。

 正月が開けたら、ひとり、翔のマンションを訪れてみようと思っていた矢先である。

 それが、思いもよらず、こんな形で実現するなんて…。

「翔? ご主人様を呼び捨てにするとは、新年早々、いただけないな」

 見下すように冷たい目で僕を見て、翔が言った。

「まあ、弟君がそんな勘違いをしてるんじゃないかと思って、新年早々、来てみたのですけれどね」

「す、すみません…こいつったら、クズのくせに偉そうで…」

 床に額を擦りつけて詫びる姉さん。

 と、恐縮する姉さんの前に、翔が何かを投げ出した。

「こ、これは?」

 姉さんが、目の前に転がったアイテムを見つめ、目を剥いた。

 そんな姉さんの肩越しに、僕に視線を移して、翔が言う。

「間違いは正さないといけませんからね。そこでまず、それを弟君につけてやるのです。奴隷としての立場を、思い知らせるためにもね。さあ、奴隷少年、なにをぼっと突っ立てるのかな。僕が来たからには、最初にどうすべきか、言わなくてももうわかるだろう? そう、服も下着もすべて脱ぎ捨てて、ここで生まれたままの姿になるんだよ」


 
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