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123 生贄少年⑫
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黒光りするその器具を床から拾い上げたのは、首にマフラーを巻いた、セーラー服の少女だった。
見たところ、僕より少し年下といった雰囲気の、真面目そうな顔立ちをした少女である。
「エネマグラって、これですか?」
ハンカチで丁寧に埃を拭うと、一歩前に進み出て、中年男に向かって差し出した。
「あ、ありがとう」
異性と話すことに慣れていないのか、男がドギマギしたような口調で礼を言う。
「ひょっとして、キミも見たいのかい? この少年が悦びに悶えるところを」
エネマグラを受け取った男が柄にもなく頬を染め、気を取り直したようにたずねると、少女は小さくうなずいた。
「ええ。BL漫画で見たことはあるけど、実物見るのは初めてなので。さっきのもなかなか凄くて、感動しちゃいました」
さっきの、というのは、吊り革から吊るされて”飛行機状態”になり、全裸の躰を乗客たちにまさぐられて喘ぎまくった僕のことだろう。
「なるほど、あなたも腐女子ってわけね。いいわ、なら、さっそく手伝ってくれる?」
すかさず横から姉さんが口をはさむと、
「いいんですか?」
ワンテンポ遅れて、少女が訊き返す。
「もちろんよ。この子は私の弟なの。姉の私が言うのもなんだけど、この子ったら、こんな可愛い顔して、真正のM男なのよね。だから、衆人環視の場で辱められれば辱められるほど、性的に興奮して喜ぶわけ」
「弟が、真正の、M男?」
少女の眼が見開かれ、年齢に不似合いな妖しい光を点した。
「そう。で、ご主人様は”攻め”専門でいらっしゃるから、この子のM的映像をスマホで撮って逐一送れって命令なのよね」
「受け手の美少年って、あたし、すごく興味があります。それで、あたしは何をすればいいんですか?」
糸に引かれるように少女が更に数歩前に進み出ると、ふたりの会話を横で聞いていた男が嬉しそうに口を挟んだ。
「じゃ、こっちへ来て、ちょっとこれを持っててくれるかな? ボクが彼のお尻を持ち上げるから、合図したら真下から肛門にこいつを差し込んでほしいんだ」
見たところ、僕より少し年下といった雰囲気の、真面目そうな顔立ちをした少女である。
「エネマグラって、これですか?」
ハンカチで丁寧に埃を拭うと、一歩前に進み出て、中年男に向かって差し出した。
「あ、ありがとう」
異性と話すことに慣れていないのか、男がドギマギしたような口調で礼を言う。
「ひょっとして、キミも見たいのかい? この少年が悦びに悶えるところを」
エネマグラを受け取った男が柄にもなく頬を染め、気を取り直したようにたずねると、少女は小さくうなずいた。
「ええ。BL漫画で見たことはあるけど、実物見るのは初めてなので。さっきのもなかなか凄くて、感動しちゃいました」
さっきの、というのは、吊り革から吊るされて”飛行機状態”になり、全裸の躰を乗客たちにまさぐられて喘ぎまくった僕のことだろう。
「なるほど、あなたも腐女子ってわけね。いいわ、なら、さっそく手伝ってくれる?」
すかさず横から姉さんが口をはさむと、
「いいんですか?」
ワンテンポ遅れて、少女が訊き返す。
「もちろんよ。この子は私の弟なの。姉の私が言うのもなんだけど、この子ったら、こんな可愛い顔して、真正のM男なのよね。だから、衆人環視の場で辱められれば辱められるほど、性的に興奮して喜ぶわけ」
「弟が、真正の、M男?」
少女の眼が見開かれ、年齢に不似合いな妖しい光を点した。
「そう。で、ご主人様は”攻め”専門でいらっしゃるから、この子のM的映像をスマホで撮って逐一送れって命令なのよね」
「受け手の美少年って、あたし、すごく興味があります。それで、あたしは何をすればいいんですか?」
糸に引かれるように少女が更に数歩前に進み出ると、ふたりの会話を横で聞いていた男が嬉しそうに口を挟んだ。
「じゃ、こっちへ来て、ちょっとこれを持っててくれるかな? ボクが彼のお尻を持ち上げるから、合図したら真下から肛門にこいつを差し込んでほしいんだ」
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