淫美な虜囚

ヤミイ

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118 生贄少年⑨

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 たまらず僕は、尺取虫のようにお尻を上げ、高い位置から床にペニスを叩きつけるようにして、グリグリ擦り上げてしまう。

 お尻を上げている時は、勃起し切った乳首が床にこすれるので、愉楽の波は途切れることがない。

「驚いたな…。この期に及んで床オナニーか。キミって、本当に変態なんだな」

 淫ら極まりない僕の”行為”を皿のように目を見開いて観賞しながら、例の中年男が感心したように言った。

「アアア…い、いい・・・」

 何を言われようと、床にこすれるペニスの裏側があまりに快感で、僕はもう床オナニーに没頭するしかない。

 特に、不特定多数の他人に見られているとなると、気持ち良さの度合いがまるで違うのだ。

 見られてる。

 秘密の床オナニーを、こんなに、たくさんの人に、ジロジロと…。

「ああん、ああんっ」

 両手首を後ろ手に縛られ、全裸でのたうち回りながら、鼻にかかった甘い声で、誰にともなく、僕は鳴く。

 恥辱が嗜虐心に油を注ぎ、エクスタシーに至るまでの時間がすごく短縮されているようだ。

 亀頭の先っちょ、薄い切れ込みみたいな尿道口から分泌されるカウパー腺液で、床はもうべちょべちょだった。

 このままでは、床オナニーだけで、あっという間に、逝ってしまいそう…。

 その時だった。 

「なんて、汚らわしい…。呆れたわ。巧、あなた、普段からこんなことを?」

 ふいに、人垣の間からスマホを構えた姉さんが上半身を乗り出し、軽蔑の眼差しで僕を見下ろして、そう言った。

「いいわ。撮ってあげる。その浅ましい姿まで、全部。その恥ずかしい格好を見て、翔さまがなんておっしゃるか、今から楽しみだわ」 

 あ。

 その言葉に、一瞬、僕は固まった。

 そうだ。

 そうだった。

 僕の映像は、姉さんの手によって、翔に送られているのだ。
 
 なんだか知らないが、訳ありの秘密パーティーに参加している翔に。

 ー彼の痴態を見れば、僕もきっと、これからこの身に降りかかる屈辱に耐えられることだろうよー

 別れ際に翔は、そんな謎めいた言葉を口にしていたものだった。

 ぴくぴくいやらしく蠢きながら、全裸の僕は、


 ならば。

 と、思い直す。

 これでは、まだ足りない。

 翔に見せるのなら、床オナニー程度で終わらせるわけにはいかないだろう。

 周りにもせっかくこんなにたくさんの”観客”がいることだし、ここは更なる悦楽を追求すべきでは?

 そう思ったのだ。
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