淫美な虜囚

ヤミイ

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100 満員バスでの痴態⑪

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「翔さまも、ご一緒に?」
 
 気を取り直して、姉さんが訊く。

 そのエロチックな肢体を正視できないのか、心持ち顏を逸らし、流し目で盗み見ている感じだ。

「いえ、僕はこの後、ちょっとしたパーティがあるので」

「パーティ?」

「ええ。海外に出張中の父の代わりに、政財界のお偉方たちに呼ばれているのです」

「さすが、日本を代表する大企業の御曹司ですわね」

 感心したように姉が吐息を漏らす。

 が、すぐに綺麗に描いた柳眉をひそめると、

「でも、そんな大事なパーティに、まさかその格好で…?」

「いろいろありましてね」

 この時確かに、、翔の顔が少し翳ったようだった。

「プライベートなパーティでは、正装より、このほうが、お客様たちに喜ばれるのですよ」

 このほうが、喜ばれる…?

 どういうことだろう?

 僕は全身を苛む快楽の疼きに耐えながら、ぼんやりと翔のエロチックな躰を見つめた。

 薄い生地を通して細かい所まで透けて見えている乳首、乳輪、へそ、性器。

 白い肌着とレギンスは、脇腹や胸、下腹や太腿の筋肉のわずかな動きさえをも、くっきり浮き立たせている。

 しかも、よく見ると、僕と違って、翔はレギンスの下にショーツすらつけていないようなのだ。

 だから、股間のもっこりした膨らみが、特大サイズの直立した勃起ペニスだということが丸わかりだった。

「そんなことより、佐代子さん、これを」

 脳裡にきざした嫌な想念を吹っ切りように、翔が姉さんのほうに右手を突き出した。

 その手が握っているのは、手のひらにすっぽり隠れるほどのサイズのプラスチック製の器具である。

「これは?」

 受け取って、小首をかしげる姉さん。

「リモコンですよ。巧君に装着したエネマグラの。家路につく途中、ここぞという時に、スイッチを入れてみてください。そして、その時の光景を、スマホで撮影して画像を僕に送るのです。それを視れば、きっと僕も、これから起こる、不愉快な出来事に耐えられるでしょうから…」

 そう言いながら、翔は目を伏せ、長い睫毛で憂いの浮かぶ瞳を隠したものだった…。


 
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