淫美な虜囚

ヤミイ

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10 淫らな試験⑤

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 青年ー天野翔ーの”それ”は、腹に着かんばかりに猛り立っていた。

 僕は吸い寄せられるようにその異様に目を奪われた。

 節くれ立った逞しい竿は、驚くほど長く、しなやかでありながら、弾力に富み、硬そうだ。

 張り切った海綿体は、浮き上がる青白い血管で、松の幹のようにごつごつと節くれだっている。

 中でも壮観なのは、その先端の部分だった。

 包皮が完全に後退し、くっきりと影を刻んだエラの部分が大きく周囲に張り出している。

 そしてその先に、赤黒く充血したウミガメの頭部のような形をした亀頭が乗っている。

 ある意味それは、男性器としては、理想的なフォルムをしていた。

 勃起した後でさえ、先が包皮に包まれたままの、いわゆる”仮性包茎”の僕の”分身”とは大違いだ。

「動くな」

 凶器のようなペニスを振り立て、僕に近づきながら、翔が命じた。

「手は後ろに回し、腰を突き出して、じっとしていろ」

「い、いったい、何を…?」

 言われた通りの姿勢を取りながら、僕は震える声で訊き返した。

 異様な興奮が、僕を捕らえていた。

 そのせいか、喉がカラカラに乾涸び、上顎に貼りついてしまっている。

「こ、これが、”試験”だっていうの?」

 声だけでなく、全身が小刻みに震えるのがわかった。

 恐怖や不安からではない。

 うすうす僕は気づいてしまっていた。

 自分が更なる快感を期待して、身体中の神経を分身に集中して何かを待ち受けていることを…。

 全裸の翔が、限界まで近づいた。

 僕の目の前で、凶暴そのものの勃起ペニスが揺れている。

 翔のペニスの先端は、尿道口から滲み出した透明な液体で光沢を放っていた。

 それが、興奮が高まると分泌される、いわゆる我慢汁という名の体液だということくらい、僕も知っている。

 なぜなら僕の分身も、おちょぼ口のようにすぼまった包皮の口の中は、すでにその汁でぐちょぐちょだから…。

「行くぞ」

 翔が言い、突き立ったおのれのペニスを右手で握って、ぐいと押し下げた。

 床と平行になったその猛々しい肉の棒は、今にも僕の分身に触れんばかりだ。

「ま、待って」

 翔の意向に気づいて抗議の声を上げた時には、すでに遅かった。

 翔がぐいと腰を前に突き出し、自分の勃起ペニスを僕の分身の先端に押しつけた。

 包皮の間の口に翔の亀頭が埋まり込み、我慢汁でぬるぬるになった僕の亀頭に当たるのがわかった。

「あうっ」

 僕はうめいた。

 電撃のような快感に貫かれて、分身がびくびく震え、直径がぶわっと膨れ上がる。

「だ、だめ!」

 腰を引いて逃れようとしたが、無理だった。

 翔がふいに右手を伸ばし、僕の分身を握ってきたのだ。

「剥いてやるよ。根元まで」

 ひとしごきで包皮が後退し、真っ赤に肥大した亀頭が現れる。

 その恥ずかしいくらいにぬるぬるの亀頭を、翔が自分の亀頭でぐりぐり擦り出したから、たまらない。

「教えてやろう」

 翔が口角を吊り上げた。

「これが、”兜合わせ”ってやつさ」

 か、かぶと、合わせ?

 もう止められなかった。

 亀頭全体に広がる快感が脊髄に伝わり、背筋を駆け上がるー。

 おしまいだった。

「あ、ああんっ!」

 少女のような甘い喘ぎが、束の間僕の喉から洩れー。

 そして…。

 ドクンドクンというお馴染みの脈動とともに、次の瞬間、乳白色の卵白みたいな熱いゼリーが、僕の小さな尿道口から翔の下腹めがけ、どびゅっと音を立ててほとばしっていた。

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