小界奇談～ちょっと怖い物語～（100話完結）

雨の日だけちがう

夕方五時になるとグリーンスリーブスって曲が流れるの。


どこか寂しい曲で授業も終わって校庭にはすぐに帰らないで遊ぶ子が多かったけどその曲が流れると帰ろうってなった。


雨の日は校庭で遊べないのでみんな曲が流れる前に帰るのだけれど、たまたま残っていた子が聞いたんだって。


いつも寂しい曲だけどもっとちがう怖い曲が流れてきたらしい。


どう怖いかって、まるでオルゴールが止まりかけた時のようなうねった感じで、

この後に何か怖いことが起きそうな・・・

・・・そんなことを考えてしまうような曲なんだって。


その話を聞いた後、ちらほら何人か雨の日に学校に残って曲を聞いた子がいるらしいと耳にした。


なんで雨の日だけなのかな。


曲が終わった後にはどんなことが起こるんだろう。


気になったから雨の日に何度か残ろうとしたけど、うまくいかない。


先生に帰されたり、友達に強引に連れ帰られたり。

今度こそは！と思って居残ってあと10分前ってところ、へんな音が聞こえてきた。


ギッギッーっというどこかで聞いた音。


ハッと思って黒板を見ると


「ダメ｣


という文字が。


今、書かれたとしか思えない。


ここにいるのは自分だけ。


それからは居残りするのをやめました。