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第二部
リリアside⑤
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「あれは?」
エドガーと腕を組んで空いているベンチを探していると見知っている顔が……
一応、町娘のような恰好をしているけど、町娘には到底見えない。よしんば、町娘だとしても平民の相当裕福なお嬢様だ。隣の町娘も然り。
なんでここに? エドガーも気づいたようで、苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。知らず、引き寄せられるように彼女達に近づいた。
「フローラさんにディアナさん。ここで何をしてるんですか?」
あたしたちに気づいた彼女達は食事をしていた手を止めた。
「ご機嫌麗しゅうございます。チェント男爵令嬢。テンネル侯爵令息」
フローラさんはにこりと微笑んで堅苦しいあいさつをした。呼び方も変わってるし。なんで?
「あら、奇遇ね。チェント男爵令嬢、テンネル侯爵令息。ご機嫌麗しゅう。ランチをしているのよ」
ディアナさんまで同じ言い方。まっ、いいか。それほど親しいわけではないしね。
テーブルを見れば屋台で買ったであろう食べ物が並んでいる。
皿の上の串焼きには何故かフォークが添えられていた。串から外して食べる用?
貴族の令嬢からすればそのままかぶりつくのははしたないと思うのかもしれない。けど、あれは熱々をハフハフしながらかぶりつくのがおいしさの秘訣。郷に入っては郷に従え。ここはレストランじゃないんだから。あたしは心の中で盛大に突っ込んでいた。
「珍しい。貴族のご令嬢様がこんな平民の街に来るなんて」
「たまにはいいのではないかしら。最近は下町の散策や買い物も流行っていると聞きますわ。それにチェント男爵令嬢も貴族の令嬢、同じではなくて?」
そう返されると何も言えない。嫌味のつもりだったけど、あたしも貴族だった。
「フローラ、なんでこんなところにいるんだ。まさか、俺達がここに来ることを知って邪魔しに来たのか?」
隣にいたエドガーが突然怒り出した。
「そんなわけないでしょう? あなたたちの行動なんて知りたくもないし興味もありませんわ」
答えたのはディアナさん。フローラさんはビックリしたのか固まっている。
「じゃあ、なんでこんなところにいるんだよ」
「知りませんわよ。そんなこと」
素っ気なく返してツンと顔をそむけたディアナさんはミントとレモンの果実水を手に取り飲み始めた。
偶然よね。
下町に行きたいと言ったのは今日だから事前に知ることはできない。学園でもたまにしか顔を合わせないし交流もないから、エドガーの言いがかりではある。
できれば会いたくなかった。
「フローラも黙ってないでなんとか言え。そもそもお前がこんなところにいるのが悪いんだろうが、謝れ」
拳を握りしめて怒鳴りつけるエドガーにフローラさんがびくりと肩を揺らした。二人の両隣にいた侍女らしき人がキッとエドガーを睨みつけた。殺気立った雰囲気が周りを漂う。
「理不尽な言いがかりね。それから、いつまでフローラのことを呼び捨てにするのかしら? テンネル侯爵令息、もうすでにあなたの婚約者ではありませんわよ」
「うるさい。フローラはフローラだ。関係ないだろう」
「関係あるから言っているんです。けじめは必要でしょう? それに彼女は次期王子妃。弁えて頂かなくては困ります」
「はあ? 次期王子妃? まだ結婚もしていないのに、今度は権力を笠に着て脅すのか」
「脅す? お話になりませんわね」
ディアナさんは息をついて扇子で口元を隠した。口こそ開かないものの侍女達の視線がさっきよりも鋭くなった気がした。彼女達の背後の空気が冷えたような……気のせいよね。
「あのう、あたしたちは学生ですよね? 生徒達は身分関係なく皆平等だと聞きましたよ。そんなに厳しいことを言わなくてもいいと思います」
あたしは胸を張って主張した。入学した時に聞いたから間違ってはいないはず。だって、まだ学生だもん。身分がどうとかって小難しいこと言われたら、学生生活も楽しくないじゃない。
「学園ではそうですわね。学生は皆平等と謳われておりますが、それは生徒達が立場を弁え尊重し合ってこそ生かされるもの。意味を取り違えてはいけませんわ」
「もう、ディアナさんってば真面目なんだから。もっと、フランクにつき合いましょうよ。それにエドガーだって悪気があったわけではないと思うわ。習慣でつい名前を呼んでしまったのよ。あたしは気にしていないし、フローラさんも気にしないでね。そのうち直ると思うわ」
そうよ。エドガーは悪くないわ。悔しかったらフローさんも反論すればいいのよ。未だ黙っている彼女にきつく目を向ける。
「テンネル侯爵令息。私の事はブルーバーグ侯爵令嬢とお呼びください。私はあなたの婚約者ではありませんし、元より呼び捨てを許可していません」
意を決したように顔を上げたフローラさんはエドガーに向けてきっぱりと告げた。
ウソッ! フローラさんがしゃべった。反論した。今まで言われっぱなしだったのに。
顔は少し青褪めていたけど。それが彼女の精一杯だったのかもしれないけど。
「フローラのくせに生意気だな。今まで何も言ってこなかったくせに今更だろ。何を言ってんだ」
憎々し気に睨みつけるエドガーの視線を受け止めるフローラさん。
今までだったら、すぐに俯いてダンマリだったのに。やればできるじゃん。
フローラさんの変化に感心していると
「ここまで言っても改めないとは、なんともはや、救いようがないですわね。お二人共、貴族としてのふるまいを気をつけた方がよろしいですわよ」
ディアナさんの小言が間に割り込んできた。
余計なお世話よ。教育だって受けてるし、良くなったって褒められているもの。あんたに言われなくても分かっているわよ。
「それでは失礼いたしますわ」
その声を聞いた侍女達が帰り支度始めたところで、何気に辺りを見回すと人々が遠巻きにしてこちらの様子を窺っているのが目に入った。ちょっとした騒ぎを聞きつけて集まったに違いない。あたしたちは見世物じゃないつーの。
「さっ、フローラ行きましょう」
二人が席を立った時、侍女二人が両手に紙袋を抱えて戻ってきた。それをどこからともなく現れた騎士が受け取っていた。今までどこにいたんだろう?
広場の外には家紋のない馬車が止まっていた。あら、いつもの立派な黒い馬車じゃない。そういえばお忍びで家門のわからない馬車を使うこともあるって聞いたことがあった。お忍びって秘密の匂いがして、ちょっと憧れていたんだよね。
「それでは、ごきげんよう」
華麗な仕草で会釈をして二人は馬車に乗り込んで去って行った。
「なんだ、もう終わったのか。つまらん」
「やれやれ、何があったか知らんが、騒ぎは起こしてほしくないのう」
「んだ、んだ。面白かったけどな」
口々に勝手なことを言いながら、野次馬たちは散らばっていった。
結局、気持ちが削がれてしまったあたしたちは食欲も失せ遊ぶ気にもなれず、それぞれの邸に帰ったのだった。
思い切り羽根を伸ばして楽しむはずだったのに。あーあ。甘いスイーツをエドガーと食べたかったなあ。
エドガーと腕を組んで空いているベンチを探していると見知っている顔が……
一応、町娘のような恰好をしているけど、町娘には到底見えない。よしんば、町娘だとしても平民の相当裕福なお嬢様だ。隣の町娘も然り。
なんでここに? エドガーも気づいたようで、苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。知らず、引き寄せられるように彼女達に近づいた。
「フローラさんにディアナさん。ここで何をしてるんですか?」
あたしたちに気づいた彼女達は食事をしていた手を止めた。
「ご機嫌麗しゅうございます。チェント男爵令嬢。テンネル侯爵令息」
フローラさんはにこりと微笑んで堅苦しいあいさつをした。呼び方も変わってるし。なんで?
「あら、奇遇ね。チェント男爵令嬢、テンネル侯爵令息。ご機嫌麗しゅう。ランチをしているのよ」
ディアナさんまで同じ言い方。まっ、いいか。それほど親しいわけではないしね。
テーブルを見れば屋台で買ったであろう食べ物が並んでいる。
皿の上の串焼きには何故かフォークが添えられていた。串から外して食べる用?
貴族の令嬢からすればそのままかぶりつくのははしたないと思うのかもしれない。けど、あれは熱々をハフハフしながらかぶりつくのがおいしさの秘訣。郷に入っては郷に従え。ここはレストランじゃないんだから。あたしは心の中で盛大に突っ込んでいた。
「珍しい。貴族のご令嬢様がこんな平民の街に来るなんて」
「たまにはいいのではないかしら。最近は下町の散策や買い物も流行っていると聞きますわ。それにチェント男爵令嬢も貴族の令嬢、同じではなくて?」
そう返されると何も言えない。嫌味のつもりだったけど、あたしも貴族だった。
「フローラ、なんでこんなところにいるんだ。まさか、俺達がここに来ることを知って邪魔しに来たのか?」
隣にいたエドガーが突然怒り出した。
「そんなわけないでしょう? あなたたちの行動なんて知りたくもないし興味もありませんわ」
答えたのはディアナさん。フローラさんはビックリしたのか固まっている。
「じゃあ、なんでこんなところにいるんだよ」
「知りませんわよ。そんなこと」
素っ気なく返してツンと顔をそむけたディアナさんはミントとレモンの果実水を手に取り飲み始めた。
偶然よね。
下町に行きたいと言ったのは今日だから事前に知ることはできない。学園でもたまにしか顔を合わせないし交流もないから、エドガーの言いがかりではある。
できれば会いたくなかった。
「フローラも黙ってないでなんとか言え。そもそもお前がこんなところにいるのが悪いんだろうが、謝れ」
拳を握りしめて怒鳴りつけるエドガーにフローラさんがびくりと肩を揺らした。二人の両隣にいた侍女らしき人がキッとエドガーを睨みつけた。殺気立った雰囲気が周りを漂う。
「理不尽な言いがかりね。それから、いつまでフローラのことを呼び捨てにするのかしら? テンネル侯爵令息、もうすでにあなたの婚約者ではありませんわよ」
「うるさい。フローラはフローラだ。関係ないだろう」
「関係あるから言っているんです。けじめは必要でしょう? それに彼女は次期王子妃。弁えて頂かなくては困ります」
「はあ? 次期王子妃? まだ結婚もしていないのに、今度は権力を笠に着て脅すのか」
「脅す? お話になりませんわね」
ディアナさんは息をついて扇子で口元を隠した。口こそ開かないものの侍女達の視線がさっきよりも鋭くなった気がした。彼女達の背後の空気が冷えたような……気のせいよね。
「あのう、あたしたちは学生ですよね? 生徒達は身分関係なく皆平等だと聞きましたよ。そんなに厳しいことを言わなくてもいいと思います」
あたしは胸を張って主張した。入学した時に聞いたから間違ってはいないはず。だって、まだ学生だもん。身分がどうとかって小難しいこと言われたら、学生生活も楽しくないじゃない。
「学園ではそうですわね。学生は皆平等と謳われておりますが、それは生徒達が立場を弁え尊重し合ってこそ生かされるもの。意味を取り違えてはいけませんわ」
「もう、ディアナさんってば真面目なんだから。もっと、フランクにつき合いましょうよ。それにエドガーだって悪気があったわけではないと思うわ。習慣でつい名前を呼んでしまったのよ。あたしは気にしていないし、フローラさんも気にしないでね。そのうち直ると思うわ」
そうよ。エドガーは悪くないわ。悔しかったらフローさんも反論すればいいのよ。未だ黙っている彼女にきつく目を向ける。
「テンネル侯爵令息。私の事はブルーバーグ侯爵令嬢とお呼びください。私はあなたの婚約者ではありませんし、元より呼び捨てを許可していません」
意を決したように顔を上げたフローラさんはエドガーに向けてきっぱりと告げた。
ウソッ! フローラさんがしゃべった。反論した。今まで言われっぱなしだったのに。
顔は少し青褪めていたけど。それが彼女の精一杯だったのかもしれないけど。
「フローラのくせに生意気だな。今まで何も言ってこなかったくせに今更だろ。何を言ってんだ」
憎々し気に睨みつけるエドガーの視線を受け止めるフローラさん。
今までだったら、すぐに俯いてダンマリだったのに。やればできるじゃん。
フローラさんの変化に感心していると
「ここまで言っても改めないとは、なんともはや、救いようがないですわね。お二人共、貴族としてのふるまいを気をつけた方がよろしいですわよ」
ディアナさんの小言が間に割り込んできた。
余計なお世話よ。教育だって受けてるし、良くなったって褒められているもの。あんたに言われなくても分かっているわよ。
「それでは失礼いたしますわ」
その声を聞いた侍女達が帰り支度始めたところで、何気に辺りを見回すと人々が遠巻きにしてこちらの様子を窺っているのが目に入った。ちょっとした騒ぎを聞きつけて集まったに違いない。あたしたちは見世物じゃないつーの。
「さっ、フローラ行きましょう」
二人が席を立った時、侍女二人が両手に紙袋を抱えて戻ってきた。それをどこからともなく現れた騎士が受け取っていた。今までどこにいたんだろう?
広場の外には家紋のない馬車が止まっていた。あら、いつもの立派な黒い馬車じゃない。そういえばお忍びで家門のわからない馬車を使うこともあるって聞いたことがあった。お忍びって秘密の匂いがして、ちょっと憧れていたんだよね。
「それでは、ごきげんよう」
華麗な仕草で会釈をして二人は馬車に乗り込んで去って行った。
「なんだ、もう終わったのか。つまらん」
「やれやれ、何があったか知らんが、騒ぎは起こしてほしくないのう」
「んだ、んだ。面白かったけどな」
口々に勝手なことを言いながら、野次馬たちは散らばっていった。
結局、気持ちが削がれてしまったあたしたちは食欲も失せ遊ぶ気にもなれず、それぞれの邸に帰ったのだった。
思い切り羽根を伸ばして楽しむはずだったのに。あーあ。甘いスイーツをエドガーと食べたかったなあ。
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