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婚約破棄されました
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なんの前触れもなくその声は突然、響き渡りました。
「フローラ・ブルーバーグ。よく聞け。俺はこの学園で真実の愛を知った。今日この日、この時をもってお前とは婚約を破棄する。そしてリリア・チェント男爵令嬢と新たに婚約を結ぶのものとする。わかったか」
なぜか得意げにビシッと私に指を突き付けて宣言するエドガー様。
よいのかしら?
私はフローラ・ブルーバーグ侯爵令嬢。王立学園の三年生。
そして、リリア様を腰に抱き恥も外聞もなくまくし立てている殿方は、困ったことに私の婚約者エドガー・テンネル侯爵子息。同じく三年生。一応、嫡男なんですけれど。
大丈夫なのかしら?
それにここは学園のホール。今日は年に一度行われるダンスパーティー。
きらびやかに着飾った生徒たちが集まっております。さっきまでオーケストラの音楽に合わせてダンスを踊っていた方々も動きを止めて、何事かと様子を窺っていらっしゃいます。
いつの間にか音楽も止んでしまいました。ホールに集まった人たちの目がエドガー様とリリア様、そして私へと注がれています。
壇上で勝ち誇ったように胸を張るエドガー様と巻き付くようにへばりついているリリア様。
大変可愛らしく愛らしい顔立ちをしていらっしゃいますが、ピンクの髪に紅い瞳で派手な色合いの上に、エドガー様の金色の髪と空色の瞳を纏ったドレスがギラギラとまぶしくて直視できません。
本人の注文なのかエドガー様からプレゼントされたのかわかりませんけれど、もう少しどうにかならなかったのでしょうか?
センスのかけらも感じません。
エドガー様は黒地のスーツに紅いネクタイ、ポケットにはピンクのハンカチーフをあしらっていらっしゃいます。でもなぜにスラックスの横に紅い色の太いラインが入っているのでしょう? そこは必要なデザインだったのでしょうか?
せっかく学園でも美形だと褒められている容姿ですのに、品位のかけらも感じません。
とても残念です。
ですが、二人で入場された時から皆さんの視線を釘付け。誰もが二度見三度見するほどのド派手なきらびやかさ。
いつもエドガー様から地味だ、暗いだの華がないなどと罵られ、俺にふさわしくないと言われて続けていた私の容姿。濃紺の髪に翡翠の瞳。特筆するような顔立ちでもありません。
今日のドレスだって深い青を基調にした控え目なものですし、華やかな容姿のエドガー様には不満だったのでしょう。
一瞬にして人々の目を奪うような派手派手しい出で立ちのエドガー様とリリア様。
なるほど、私に足りないのはそこだったのかもしれません。
だから、婚約破棄をされたのね。
「フローラ・ブルーバーグ。よく聞け。俺はこの学園で真実の愛を知った。今日この日、この時をもってお前とは婚約を破棄する。そしてリリア・チェント男爵令嬢と新たに婚約を結ぶのものとする。わかったか」
なぜか得意げにビシッと私に指を突き付けて宣言するエドガー様。
よいのかしら?
私はフローラ・ブルーバーグ侯爵令嬢。王立学園の三年生。
そして、リリア様を腰に抱き恥も外聞もなくまくし立てている殿方は、困ったことに私の婚約者エドガー・テンネル侯爵子息。同じく三年生。一応、嫡男なんですけれど。
大丈夫なのかしら?
それにここは学園のホール。今日は年に一度行われるダンスパーティー。
きらびやかに着飾った生徒たちが集まっております。さっきまでオーケストラの音楽に合わせてダンスを踊っていた方々も動きを止めて、何事かと様子を窺っていらっしゃいます。
いつの間にか音楽も止んでしまいました。ホールに集まった人たちの目がエドガー様とリリア様、そして私へと注がれています。
壇上で勝ち誇ったように胸を張るエドガー様と巻き付くようにへばりついているリリア様。
大変可愛らしく愛らしい顔立ちをしていらっしゃいますが、ピンクの髪に紅い瞳で派手な色合いの上に、エドガー様の金色の髪と空色の瞳を纏ったドレスがギラギラとまぶしくて直視できません。
本人の注文なのかエドガー様からプレゼントされたのかわかりませんけれど、もう少しどうにかならなかったのでしょうか?
センスのかけらも感じません。
エドガー様は黒地のスーツに紅いネクタイ、ポケットにはピンクのハンカチーフをあしらっていらっしゃいます。でもなぜにスラックスの横に紅い色の太いラインが入っているのでしょう? そこは必要なデザインだったのでしょうか?
せっかく学園でも美形だと褒められている容姿ですのに、品位のかけらも感じません。
とても残念です。
ですが、二人で入場された時から皆さんの視線を釘付け。誰もが二度見三度見するほどのド派手なきらびやかさ。
いつもエドガー様から地味だ、暗いだの華がないなどと罵られ、俺にふさわしくないと言われて続けていた私の容姿。濃紺の髪に翡翠の瞳。特筆するような顔立ちでもありません。
今日のドレスだって深い青を基調にした控え目なものですし、華やかな容姿のエドガー様には不満だったのでしょう。
一瞬にして人々の目を奪うような派手派手しい出で立ちのエドガー様とリリア様。
なるほど、私に足りないのはそこだったのかもしれません。
だから、婚約破棄をされたのね。
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