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145 お嬢様?(カイル視点)

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セバスティアン様がお連れした方はとても可愛らしいお顔立ちをしたお嬢様だったが、何とその方は成人男性!どこをどう見ても10歳も満たない可愛い女の子に見えたのに・・・。確かに良く見ればズボンを穿き男性用の服装をしてらっしゃった、確かに昨夜お渡したのはこの服ですが服装が目に入らない位可愛らしいのに・・・。

今回はこの方の為にいらっしゃった様で採寸をしに奥にお連れするとと色々な物に興味を持たれていた。中でも物差しには大変興味があるらしく手に取りご覧になられていた。国外からいらしたらしく言葉は未だ片言で余計に可愛らしく見える。ルネ様は、この国では珍しいと言うか近隣諸国でも見かけない美しい黒髪に黒い瞳でいらっしゃる。たまに見かける黒髪・黒目の方は濃い茶色に近いし肌は褐色の方しかお見かけした事がない、ルネ様の様に白い肌をなさっている方は初めて拝見しました。東の国の食器の磁器の様に白く美しい。

採寸を終えどのような服にするかを決めようと見本の服をお持ちしたら全力で嫌だと顔に書いてあった。護衛のジーク様にお話を聞いた所、ルネ様は騎士様と一緒に訓練をさなっているので動き易い服が欲しいのだろうとの事。

この可愛らしい方が騎士様と一緒に訓練!?
しかも指導までしておられるとか!

確かに採寸した時に拝見したお体はとても締っていてしなやかなお体をしていたのに驚いた。普通のお子様ではない体つきをしていらした。

お話を聞きながらご希望の服を考える。ルネ様が欲しい服は執事やヘタをしたら平民が着る様なな服をご所望でした。出来るだけ希望に合う服を考えご提供させて頂きました。

するとルネ様はお料理もなさるようでその時用の服も欲しいと言われた。騎士様と共に動きその上お料理までなさるとは・・・ルネ様は一体何者であられるのだろうか?

詳しく聞くと見た事のない服を描き始めた。
その服は袖が短く洗い物をする時に袖を捲らなくていいらしい、その上料理が終わり人目に出る時に汚れを見せない様に前身ごろが2重になっていて左右どちらも前に出来る様になっていた。

私はそんな服を見た事がない。
この方がもっと言葉を覚えられたら色々な事を聞きたいものだ。

何て長閑に考えてる暇は無いかも知れない・・・。


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