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11話 ハコワンの偽名と空の旅
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「マスター。 ......ヨーダ様に決めさせない方がいいと思うわよ?」
ハーピーが私の隣にきて小声で言う。 ヨーダさんの視線は私の頭のてっぺんから足元までの間を何度も往復している。
「箱を狩る訳だから...... 箱狩る箱狩り...... うーん...... ガリ?」
「ちょ!? どこ見て言ってるんですか!」
私はヨーダさんの視線に晒されている自分の身体(主に胸の辺り)を両手で隠した。 そ、そこまで貧相な身体じゃないもん!
「ほらぁ。 ......ヨーダ様のネーミングセンスって壊滅的なのよね。 本人には言わないけど」
ハーピーが苦虫を噛み潰したような顔をした。
「箱狩りの...... りの...... リノ。
うん、これはいいかも。 ハコワン、『リノ』なんてどうだい」
あ、そこだけ聞けば可愛い名前っぽく思える。 かな? ......そこだけ聞けばね。
まぁ偽名がある事が重要みたいなので私に異論はない。 覚えるの大変な長ったらしい偽名つけられても困るし。 こうして私は『召喚調教師』の『リノ』として冒険者ギルドに登録するため都に戻る事になった。
「......まるで猛禽類に捕まった獲物みたいな格好だねぇ」
ヨーダさんにはそう言われたが、私の肩の上にハーピーが立ち、私の肩から脇のしたへとハーピーの脚に掴まれ固定されている姿は竹とんぼ、もしくはから傘お化けを連想させる。
トーテムポールとかでもいいけど、ハーピーは見た目から想像するより遥かに軽かったので驚いた。
ちょっと...... いや、かなり羨ましい。
正直自分が想像していた空を飛ぶ姿勢とはあまりにもかけ離れていたけど、当然ながら人間が単独で空を飛べる訳でもないし、誰かにこの姿を見られる訳でもないので割りきる事にする。
「妙な度胸はあるんだから不思議だよねぇ。 思いきりがいいとでもいうのかなんというか」
「そこがマスターのいい所なのよねー」
ハーピーが頭上から同意を求めてくるけど出会ったのはついさっきだ。 喜んでくれているのは嬉しいけど、適当に言ってるだけなのよね。 多分。
(私はハコワンは特に何も考えていないだけだと思うが)
(はこ丸は黙って)
全く失礼しちゃうんだから。
「......ではヨーダ様、行ってきますね」
「ああ、くれぐれも...... 頼んだよ?」
「......分かっています」
あれ? なんか妙な間がある会話をしてるわね。
そう思った疑問は次の瞬間、すぐに頭の片隅に追いやられた。
「じゃあマスター、出発するからね!」
ハーピーの言葉と同時に私は彼女の脚をしっかり掴み、身体は空中に浮き上がり始めた。
とにかくぐんぐん『真上』へと上昇していく。
あっという間に私の知っている高い所から見た景色の限界をこえ、初めて見るその広大なパノラマには感動すら覚えた。
「す、すごい!」
ハーピーは次に羽ばたくのを止めて翼を広げ、空中で上半身を倒し膝を曲げ私の頭の上近くにハーピーの頭がくるような前傾姿勢になる。
「嬉しい反応をありがとうマスター。 でもこれは序の口だから。
ここからよここから。 行くわよー!」
そして私とハーピーはそのまま風に乗って滑空し、都を目指したのだった。
ハーピーが私の隣にきて小声で言う。 ヨーダさんの視線は私の頭のてっぺんから足元までの間を何度も往復している。
「箱を狩る訳だから...... 箱狩る箱狩り...... うーん...... ガリ?」
「ちょ!? どこ見て言ってるんですか!」
私はヨーダさんの視線に晒されている自分の身体(主に胸の辺り)を両手で隠した。 そ、そこまで貧相な身体じゃないもん!
「ほらぁ。 ......ヨーダ様のネーミングセンスって壊滅的なのよね。 本人には言わないけど」
ハーピーが苦虫を噛み潰したような顔をした。
「箱狩りの...... りの...... リノ。
うん、これはいいかも。 ハコワン、『リノ』なんてどうだい」
あ、そこだけ聞けば可愛い名前っぽく思える。 かな? ......そこだけ聞けばね。
まぁ偽名がある事が重要みたいなので私に異論はない。 覚えるの大変な長ったらしい偽名つけられても困るし。 こうして私は『召喚調教師』の『リノ』として冒険者ギルドに登録するため都に戻る事になった。
「......まるで猛禽類に捕まった獲物みたいな格好だねぇ」
ヨーダさんにはそう言われたが、私の肩の上にハーピーが立ち、私の肩から脇のしたへとハーピーの脚に掴まれ固定されている姿は竹とんぼ、もしくはから傘お化けを連想させる。
トーテムポールとかでもいいけど、ハーピーは見た目から想像するより遥かに軽かったので驚いた。
ちょっと...... いや、かなり羨ましい。
正直自分が想像していた空を飛ぶ姿勢とはあまりにもかけ離れていたけど、当然ながら人間が単独で空を飛べる訳でもないし、誰かにこの姿を見られる訳でもないので割りきる事にする。
「妙な度胸はあるんだから不思議だよねぇ。 思いきりがいいとでもいうのかなんというか」
「そこがマスターのいい所なのよねー」
ハーピーが頭上から同意を求めてくるけど出会ったのはついさっきだ。 喜んでくれているのは嬉しいけど、適当に言ってるだけなのよね。 多分。
(私はハコワンは特に何も考えていないだけだと思うが)
(はこ丸は黙って)
全く失礼しちゃうんだから。
「......ではヨーダ様、行ってきますね」
「ああ、くれぐれも...... 頼んだよ?」
「......分かっています」
あれ? なんか妙な間がある会話をしてるわね。
そう思った疑問は次の瞬間、すぐに頭の片隅に追いやられた。
「じゃあマスター、出発するからね!」
ハーピーの言葉と同時に私は彼女の脚をしっかり掴み、身体は空中に浮き上がり始めた。
とにかくぐんぐん『真上』へと上昇していく。
あっという間に私の知っている高い所から見た景色の限界をこえ、初めて見るその広大なパノラマには感動すら覚えた。
「す、すごい!」
ハーピーは次に羽ばたくのを止めて翼を広げ、空中で上半身を倒し膝を曲げ私の頭の上近くにハーピーの頭がくるような前傾姿勢になる。
「嬉しい反応をありがとうマスター。 でもこれは序の口だから。
ここからよここから。 行くわよー!」
そして私とハーピーはそのまま風に乗って滑空し、都を目指したのだった。
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