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3羽 いきなり窮地

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 シャーロットは鷹行を罵る事に余念がない。
放っておけばこれがいつまでも続くだろう。

「しつこいな! 俺は相沢鷹行。君の事は全く知らないって!」

 鷹行は本心から叫んだ。だがシャーロットからの返事は意外なものだった。

「あんたの名前なんて知らないし興味もないわ! でも私を死なせた事実があるからあんたを呪ってここにいる!」
「な、なんだって? 意味が分からないぞ」

 状況が掴めなくなった鷹行に対してシャーロットは告げる。

「あんただけじゃない。あの時一緒にいた女にも必ず報いは受けさせる!」
「小鳩の事か!? よせ、あいつは関係ない!」

 小鳩の事を出されては黙ってはいられない。
自分と同じ様に存在して居るのかどうかすら分からない恋人ではあるが大切な人だ。
 鷹行は彼女を守りたい一心でシャーロットに向かって突進を試みた。

「甘いのよ」

 それをシャーロットは難なくかわす。
人間の記憶が戻ったせいで鳩の身体が上手く動かせない鷹行に対してシャーロットはさも雀の様にかわしてみせた。

「くっ!」
「諦めなさい。あんたはここで終わりなのよ」

 シャーロットは勝ち誇る。

「......それは無理じゃないか」

 鷹行は言った。それは裏付けによる自信。

「雀の身体じゃ鳩を仕留める事はできないだろう。その剣幕には驚いたけどダメージはほとんどない」

 だが......

「いいのよ、それで。私は『知ってる』んだから。全てはここへ誘導するため」
「?」
「そう。私はここに『捕食者』がいるのを知ってるのよ。動きの鈍いあんたじゃ逃げられない」
「!?」
「そしてそれはもう......来ている!」

 シャーロットと鷹行を何かの影が覆う! それと砂埃が巻き上がるのは同時だった。

「うわぁ!?」
「あーはっは。見ててあげるわ。あんたの命が食い散らかされるその様をねぇっ!」
「うぐぐっ」

 鷹行はすごい力で押さえつけられていて動けない。今の衝撃で抜けてしまった羽も辺りに散乱している。それでも首を必死に動かし自分を押さえつけている者の姿を確認しようとした。そして絶望する。

「雀の私であんたをどうこうできるなんて最初から思ってない。ここの生態系の頂点こそ!」

 それは鷹行も知っている生き物だった。

(そんな。タカがいるなんて!)
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