上 下
17 / 31

優介:浮気の記憶?

しおりを挟む
 
第十六話 優介:浮気の記憶?

 カオスは王宮で一人ゼロの帰りを待っていた。
 先日の緑転王との戦闘でかなりの深手を負ってしまった。
 その為、ゼロが茶国へ特使として行っている間、青国の王宮で治療へ専念していた。
 
 今は王宮庭園の木陰で寝転び空を眺めている。
 涼し気な風が心地よい。
 俺は地面の芝生の柔らかな感触を感じながら何気なくメニュー画面を開いた。

――ステータス詳細――

 名前:カオス
 ユニークスキル:ルールブレイカー

 魔法1:『フライ』
 魔法2:『クリエイト』
 魔法3:

 武器右:『ソウルイーター零式』
 武器左:――

 頭:
 胴:旅人の服
 腕:
 足:

 アクセサリー1:『リンクリング』
 アクセサリー2:
 アクセサリー3:

 デッキ
 1:デーモンソウル レベル4

 ガクフルと出会い初めてメニュー画面を開いた時は何も項目が埋まっていなかった。
 こうして見ると今では少しづつ項目が埋まっている。
 装備やスキル、一つ一つ全てに思い出が詰まっていた。
 記憶を失った自分にとってはこの世界での記憶が唯一であり誇りだった。
 魔導の手ほどきをしてくれたエセ関西弁の師匠のガクフル。
 あざとくて性格が悪いが、密かに指導者として尊敬している婆さん。
 こんな俺に真っすぐに愛情を向けてくれるゼロ姫。
 一人っ子の引きこもりでファンタジーゲームオタクの俺は女性に免疫がなかった。
 俺が幼い頃に亡くなったスポーツ万能の兄ならスマートにエスコートしたのだろうが
 ヘッポコの俺はあまりの直球な愛情にかなり戸惑っている。
 巨乳でアヒル口がセクシーな美少女にあれだけ愛情表現をされ続けて嫌な男はいないだろう。
 今では俺も少なからずゼロへ好意を抱いていた。
 
 続いて所持品欄へ目を向ける。

――所持アイテム――

 ・『白紙のデッキカード』
 ・『失われた記憶』×二

 緑転王を倒した事で『白紙のデッキカード』を手にしている。
 『筐体の魔法陣』がある場所まで一度戻って召喚獣との召喚契約が可能だった。
 だがカード一枚では強い召喚獣は呼べないだろう。
 緑転王と戦ってみて感じる事は生半可な召喚獣では役に立たないという事だった。

(もっと強大か、特殊な能力を持った召喚獣が必要だな)

 そう考えていた。
 だったらいっそ白紙のカードを使って新たな魔道具を作製してみる方が良さそうだ。
 そう思いながらメニュー画面を閉じようとしてカオスは手を止める。

 『失われた記憶』というオーパーツを二つ所持していた。
 
「五つの失われた記憶が揃う時、
 バベルタワーの秘密が明かされる。」

 師匠の言葉を思い出す。
 俺には自分がこの世界に転生する前の記憶がなかった。

(どうして俺はこの世界へ転生したのか?)

 急に興味が沸き『失われた記憶』を一つ解放してみた。
 その瞬間、光と共に五感の何かが切り替わり脳裏に過去の記憶が蘇る。

◇◇◇◇◇◇◇◇
 優介は今日も図書館の中を当てもなくぶらぶらとしていた。
 特区バベルに移り住んでから毎週この曜日にはこの図書館へ来ている。
 仕事に撲殺されていた以前とはかなり違った生活を今は送っていた。
 きっかけは会社の健康診断だった。
 義務化されている血液検査を受けた数日後、
 この特区を運営しているバベル財団から赤い封筒が届いた。
 それをきっかけに思い切って会社を辞めて特区へ引っ越して来た。
 そして今はバベル財団の関連企業で働いている。
 特区住民として義務付けられている定期的な検診の煩わしさはあるが、
 かなり優遇されていた。
 だから今ではこうして図書館へ通う等、毎日ゆったりとした生活を送っていた。
 普段なら気になった本を手に取り一日読書をして過ごす。
 でも今日はなぜか、そんな気分になれなかった。
 自分が興味が沸く本を求めてタイトルを読みながら本棚を回遊して行く。
 そして普段なら足を踏み入れない専門書棚を通り過ぎ歴史書棚で行き止まりになった。

「特区と財団の百年史か。
 こんな本、誰が読むんだろう。」

 そんな独り言を言いながら何気なく特区の歴史書を手に取ってみる。
 パラパラとページをめくるが全く興味が沸かなかった。
 諦めて本を本棚に戻そうとした時、一枚の紙が床へ落ちた。
 何気なく拾うと

 『五月一日 一時 屋上』

 そう綺麗な字で書かれていた。
 五月一日といえば今日である。
 俺は何げなく腕時計を見た。

(十二時五十分)

 一時まで後、十分だった。
 この図書館は複合施設の中に存在しており、この施設には屋上が存在した。
 興味が沸く本がなく暇を持て余していた俺は何気なく興味本位で屋上へ上がった。

 屋上へ出ると時折吹く風が少し肌寒い。
 屋上には誰も居ないように見えた。
 よく見ると一番奥で制服姿の女子大生が一人、フェンスを背に座っている。
 胸に特徴的な紋章が刺繍されている。
 あの制服は名和大学の学生だろう。
 名和大学と言えばこの特区の唯一の学校にして誰もが知っている有名校である。
 だが確か完全全寮制で高校から大学卒業まで外出禁止の筈だった。
 少し不思議に思いながら近づくと一人空を見上げて誰かを待っているようでもなかった。
 女子大生は気配に気づき一度俺をチラッと見たが直ぐにまた空へ視線を戻した。

(メモの人ですか?)

 と訊くのも変なので何となく少し離れて俺もフェンスを背に座った。
 こっそりと女子大生の様子を窺うが俺など気にも留めずに空を眺めていた。
 つられて俺も彼女が見ている空を見上げる。
 
 空では、ゆっくりと雲が流れていた。
 
(気持ちいいっ、
 雲を見るのは何年ぶりだろう。)
 
 ゆっくりと流れる雲を見ていると自分は惑星に住んでいるのだという事を感じる。
 雲の上から今の自分達はどう見えるのだろう。
 今までの生活や体の悩みなんて何もかもがちっぽけに少し思えた。
 十五分程、ぼーっと雲を眺めていると彼女は突然立ち上がり屋上を去って行った。

(あのメモは何だったんだろう)

 そんな事を考えながら俺も立ち上がり尻の埃を手で払った。
 そもそも五月一日が今年とも限らず、屋上もココとは限らない。
 以前にあの本を借りた人が栞代わりに挟んだだけかもしれない。
 それに釣られて屋上までわざわざ来て自分も相当な暇人だと少し可笑しくなった。
 そんな自分に苦笑しながらも素敵な雲を眺めてその日はそのまま図書館をあとにした。

 翌週も俺は図書館に来ていた。
 先週のメモが気になり何となく同じ本をまた手に取る。
 パラパラとページをめくると新しいメモが入っていた。

 『五月八日 一時 七番テーブル』

 そのメモには見覚えのある綺麗な字でそう書かれていた。 
 この図書館では閲覧席が設けられている。
 エアコンが完備されている事もあり、ここで仕事や勉強をする人も多い。
 電源コンセントも各席に常備している為、人気があり席を予約する事も可能だった。
 その為、席には番号が振られていて予約されている席には予約札が立てられている。
 興味が沸き俺は七番の閲覧席へ行ってみた。

 一二時四十五分、七番テーブルには誰も座っていなかった。
 
 俺は適当な雑誌を手に取って隣の八番テーブルへ座った。
 よく見ると七番テーブルへは予約札が立てられていた。
 緊張しながらパラパラと雑誌をめくるが中身が頭に入らない。
 腕時計を見る。
 
 十二時五十七分
 
 一時までにはまだ三分程あった。
 こんなに長く感じた三分は今までなかった。
 俺は妙な汗をかき、自分の心臓の音が聞こえるのが分かった。
 
 ガガ

 突然、椅子を引く音と共に隣で気配を感じた。
 
 雑誌越しに隣の席を盗み見る。
 そこには先週屋上で空を見上げていた彼女が座っていた。
 それを見て俺はメモを書いたのは謎の女子大生だと確信した。
 でも何故メモを挟むのか全くの謎だった。
 
 俺がメモを発見したのは偶然だった。
 
 だから俺へ向けての伝言ではない。
 他の人への伝言だとしても屋上で誰かと待ち合わせていたような雰囲気はなかった。
 それに今どきの女子大生が友達との待ち合わせにメモなんて原始的な方法を使うとは思えない。
 現に今も謎の女子大生が座ってから十五分が経過しているが誰も現れていない。
 だから誰かとの待ち合わせではないのだろう。
 
 俺は無性に隣の女子大生へ声をかけてこの疑問を晴らしたい衝動に駆られた。
 
 だが見ず知らずの『おっさん』が突然、声をかけるなんて怪しさ満載である。
 モヤモヤしていると突然隣で椅子を引く音がした。
 見ると謎の女子大生が荷物を片付け始めている。
 動揺する俺に目もくれず彼女はさっさと荷物を全て片付け終わった。
 そして俺の机の上にメモを置くと、そのまま黙って立ち去った。
 驚いてメモを広げるとそこには有名メッセージアプリのID番号が書かれていた。 
◇◇◇◇◇◇◇◇

 脳内の光が消えて行き、俺は自分の意識が戻るのを感じた。
 王宮庭園では涼しい風が吹いている。 
 気がつくと汗ばんだ手で地面と芝生を握りしめていた。
 
 これが『失われた記憶の解放』
 
 図書館での出来事は全く記憶になかった。
 ましてや図書館に現れた彼女の事はまるで知らない。
 俺は『謎の女子大生』の事が気になり二つ目のオーパーツを使用した。
 すると再び脳内に光が満ちて行った。

◇◇◇◇◇◇◇◇
 俺はある喫茶店で謎の女子大生を待っていた。
 紅茶を飲みながら、ここへ来た経緯を思い出す。
 先週、閲覧席の俺へ突然届いたID番号。
 あれからメッセージアプリのIDを登録して六日経ったが全く連絡が来る気配はなかった。

 何故、本にメモが挟まっていたのか?
 何故、彼女は俺にID番号を渡したのか?
 
 疑問は深まるばかりだったが怖くてこちらから連絡する勇気はなかった。
 先週の事件から六日が過ぎようとした夜、やっとメッセージが入った。

 『五月十五日 十六時 喫茶レガシー』

 俺は喫茶レガシーの窓際の席に座り紅茶を飲みながら外を眺めていた。
 目の前の高校では見覚えのある制服の女子高生がチラホラと見えた。
 この喫茶店は図書館の近くにありその横には名和学園の校舎があった。
 名和学園は高大一貫の教育施設である。
 広大な敷地に高校・大学、競技施設や寮など様々な建物が混在していた。
 その近代的な風景と対照に喫茶レガシーはかなり古びていた。
 店内には古き良き時代のアンティークが並び、別時代の雰囲気を感じさせる。
 だがいかにも古く、とても若い女性が利用するとは思えなかった。
 
 俺は紅茶を飲み干して二杯目の紅茶を注文すると腕時計を見た。

 十六時三分。

 謎の女子大生は現れなかった。

(からかわれたのかもしれない。)

 そう思った。
 思えば女子大生が見ず知らずのおっさんへ連絡先を渡すなんてありえない事だった。
 それなのに舞い上がってノコノコ来た自分が何だが可笑しかった。

(二杯目の紅茶をキャンセルして帰ろう)

 そう思って店員を目で探す。
 レジ辺りへ目を向けた時、突然入口のドアが開き女性が息を切らして入って来た。
 店内を見回し俺と目が合うと小走りに駆け寄り前の席に座った。
 
 「遅くなってごめんなさい。」

 息を切らしながら小声で言った。
 それっきり彼女は下を向いたまま黙ってしまった。
 聞きたい疑問が沢山あったが何を言えばよいか分からなかった。
 
「お待たせしました。
 紅茶でございます。」 
 
 長い沈黙を破る様に二杯目の紅茶が運ばれて来た。
 店員は俺の前へ紅茶を置くと彼女の方を見て待機する。

「あっ、ミルクティーをお願いします。」

 店員の意図に気づき思い出したように注文をした。
 それっきり彼女は下を向いたまま黙ってしまった。

(何か言わなきゃ)

 そう焦り言葉を探しているとスマホが震えた。

――メッセージ一件―― 
 見るとメッセージが来ていた。
 
 彼女に見つからないようにこっそりとアプリを開く。
 メッセージは目の前の彼女からだった。

サヤカ:遅くなって、ごめんなさい。

 驚いて目の前の彼女を見たが、黙って下を向いて話そうとしない。
 仕方がなく机の下に隠したスマホで返事を返した。

優介:大丈夫。僕の名前は優介。早川優介です。

サヤカ:サヤカです。

優介:うん。初めまして……(三回目だけど)

サヤカ:優介さん、今年の桜はもう見ましたか?

優介:そう言えば、今年はまだ見ていない。

サヤカ:寮と大学の間に桜並木が続いていて
    わたしは桜の下を通っています。
    もう花の命は散らし始めているけれど
    空をかくす桜の散る様は雪のようです。

「お待たせしました。
 ミルクティーです。」

 そんな声が聞こえて顔を上げると、
 店員が怪訝な顔でテーブルへミルクティーを置いた。
 サヤカはスマホを置いてミルクと砂糖をたっぷりと入れて匂いを嗅いだ。
 その表情を見ているだけで甘い香りがこちらにも届きそうだった。
 少しの間、香りを楽しんだ彼女は幸せそうにゆっくりとミルクティーを飲み干した。
 そしてそのまま何も言わずに突然席を立ち、喫茶店を出て行ってしまった。
 殺風景な店内には静寂の中、ただテーブルの上の小銭と俺だけが取り残されていた。

 翌週も俺はサヤカと待ち合わせをした。
 サヤカの指定は映画館。
 二人は映画館の入口で待ち合わせをして恋愛映画を一緒に見た。
 映画を見終わった後、映画について感想を言い合っていた。
 映画は
 未来から来た彼女が、
 三日後に事故死をする彼氏とデートをする。
 という話だった。

「サヤカは永遠ってあると思う?」

 俺はサヤカに訊ねた。
 少し考えてから軽いため息をつくとサヤカは答えた。

「永遠であるべきものは永遠であって欲しいです。
 でも普段は永遠はないと感じる事の方が多いです。
 雨の夜に部屋に入って来る空気の匂いを嗅ぐと切なくなります。
 なんとなく終わりの時間が近づいたのだと思うから。
 幾千もの雨が降り、やがて学校を卒業して皆と散り散りになって……
 そのうち一人づつ現実から消えて行く。」
 
 そう答えるとサヤカは少し震えているように見えた。
 前回の喫茶店と違い、今日は随分とサヤカは喋った。
 高三の冬にこの街へ引っ越して来たばかりの大学一年生だと言う。
 微かに揺れるツインテールの髪が実際よりも彼女を幼く見せていた。
 それから映画の後のカフェで二人は取り留めも無い話をした。
 屋上から眺める空の話や夕立の後の匂いの話……
 夕立や海の匂いを嗅ぐと昔包まれたような記憶がするらしい。
 
 でも肝心な聞きたかった疑問は結局聞く事が出来なかった。
 
 カフェを出て歩いているとサヤカが腕を組んできた。
 俺は自分からサヤカへ連絡を取るのは止めよう。
 でもサヤカからの誘いには全て答えよう。
 そう思っていた。

 俺は歩きながら先程の話を思い出して思いっきり空気を吸い込んだ。

 サヤカの言う『記憶のある匂い』というのは、よく分からなかった。
 いつか雨に打たれながらサヤカの言う桜並木を歩いてみたかった。
 雨と一緒に桜の子供も一緒に降りて、黒いアスファルトを隠していくのだと言う。
 俺は無邪気にじゃれるサヤカの顔を見て説明のつかない感情が沸くのを感じていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇

 俺は自分の意識が戻るのを感じた。
 王宮庭園では涼しい風の匂いがしていた。 
 『失われた記憶の解放』
 全く記憶になかったが転生する前に俺はサヤカという女子大生と出会っていたらしい。
 
「サヤカ。約束覚えてる?」
 
 サヤカの事を思い出そうとすると、そう言う自分の声が聞こえた。
 内容を思い出せないが転生する前に俺はサヤカと大事な約束をした気がする。
 もう一つ脳裏を駆け抜ける言葉があった。

 『青い海の天使』

 こっちは全く意味が思い出せなかった。
 サヤカへの恋心が蘇る度に、なぜがゼロの顔がちらつき後ろめたい気持ちになった。
 その日から俺は気がつくと無意識に匂いを意識するようになっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王太子妃の初恋

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。 王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。 しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。 そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。 ★ざまぁはありません。 全話予約投稿済。 携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。 報告ありがとうございます。

【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。 しかし、仲が良かったのも今は昔。 レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。 いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。 それでも、フィーは信じていた。 レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。 しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。 そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。 国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

怖いからと婚約破棄されました。後悔してももう遅い!

秋鷺 照
ファンタジー
ローゼは第3王子フレッドの幼馴染で婚約者。しかし、「怖いから」という理由で婚約破棄されてしまう。

どうぞお好きに

音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。 王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。

処理中です...