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17話 内田ユウ3 ハイウルフ
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もうかなり山を下った。
エルフの森も目の前だ。
岩雪崩がおさまり、地響きのような音も岩や小石が流れていく音も聞こえない。
ウルフも付いてきている様子はない。
クモを捜索する手がかりもない。
もっと上の方で埋まっているかもしれないし、下りきったところにいるかもしれない。
自力で抜け出していることだって考えられる。
クモを探す最中見つけてしまう。
ここはエルフの森とクストゥ大山脈の丁度真ん中あたり。
山の上からは見えないような窪みにそれはあった。
ダンジョン。
唐突に世界のどこかに入り口、出口が現れる。
近年のモンスター大量発生、先の知能の高そうなハイウルフ。
元凶はこれか。
重要な報告事項ができた。エルフの森調査は後回しだ。
クモは・・・俺だけじゃ探しきれない。
見つけたとしても発掘できない。治療魔法の心得もない。
ケガをしたクモを連れてクラールに戻る?
8匹のハイウルフの山の中を?
ダメだ。捜索隊を出してもらおう。
山を迂回するような形でまずはクラールウッドに戻る。
山を登り戻るのは危険だ。
移動を開始する。
早翔け1のトップスピード。
山の岩場に足をとられなければ国でも俺に勝てる人間はいない。
みるみるエルフの森が小さくなっていく。
前方に丘の上に人影。
遠いが立っているのが分かる。
ずっしりした体形。
クモが自力で出てきたんだ。
さらにスピードをあげる。
近づくと分かった。
醜悪な見た目。顎まで裂けた口。
よだれをたらしながら小さくうなる。
ワーウルフだ。
こいつがハイウルフのボスか。
こちらに気づき振り向くワーウルフの首を一瞬で刈り取る。
風魔法かまいたち
本来飛ばして使う魔法を右腕に纏い、高速で敵に近づき首を落とす。
そうすることでより高い威力での攻撃が可能になる。
しかしこの時ばかりは後悔した。
突っ込んでいった丘の頂上の先には更に複数体のワーウルフがいたのだ。
人間の腕から血をすする。
身体の一部を焼き食べる。
太ももをゆでたスープのようなもの。
クモが食われていた。
その身体はバラバラになっていた。
7体のワーウルフと1体のハイウルフ。
ハイウルフは進化の途中。
この群れの使いっ走り。
だから陽動に使われた。
こんな構図が瞬時にうかんだ。
攻撃後の着地、
着地後にさらに加速しこの群れを抜ける。
戦闘力未知数の相手、それも複数を同時に相手にしている暇はない。
戦闘を避けるのを決めた空中でワーウルフの一匹と目が合う。
こいつは。こいつだけは着地を狙って攻撃をしてくる。
そんな予感がした。
俺はトップスピードのまま体勢を崩し地面を体で滑っていた。
ワーウルフの群れを通り過ぎる。
身体を回転させ群れを見る。
すでに全員が戦闘体勢。
着地した足の感覚がない。
俺の右足太ももには得体のしれない棒のような物が刺さっている。
逃げられない。
覚悟を決め俺は小刀を抜いた。
エルフの森も目の前だ。
岩雪崩がおさまり、地響きのような音も岩や小石が流れていく音も聞こえない。
ウルフも付いてきている様子はない。
クモを捜索する手がかりもない。
もっと上の方で埋まっているかもしれないし、下りきったところにいるかもしれない。
自力で抜け出していることだって考えられる。
クモを探す最中見つけてしまう。
ここはエルフの森とクストゥ大山脈の丁度真ん中あたり。
山の上からは見えないような窪みにそれはあった。
ダンジョン。
唐突に世界のどこかに入り口、出口が現れる。
近年のモンスター大量発生、先の知能の高そうなハイウルフ。
元凶はこれか。
重要な報告事項ができた。エルフの森調査は後回しだ。
クモは・・・俺だけじゃ探しきれない。
見つけたとしても発掘できない。治療魔法の心得もない。
ケガをしたクモを連れてクラールに戻る?
8匹のハイウルフの山の中を?
ダメだ。捜索隊を出してもらおう。
山を迂回するような形でまずはクラールウッドに戻る。
山を登り戻るのは危険だ。
移動を開始する。
早翔け1のトップスピード。
山の岩場に足をとられなければ国でも俺に勝てる人間はいない。
みるみるエルフの森が小さくなっていく。
前方に丘の上に人影。
遠いが立っているのが分かる。
ずっしりした体形。
クモが自力で出てきたんだ。
さらにスピードをあげる。
近づくと分かった。
醜悪な見た目。顎まで裂けた口。
よだれをたらしながら小さくうなる。
ワーウルフだ。
こいつがハイウルフのボスか。
こちらに気づき振り向くワーウルフの首を一瞬で刈り取る。
風魔法かまいたち
本来飛ばして使う魔法を右腕に纏い、高速で敵に近づき首を落とす。
そうすることでより高い威力での攻撃が可能になる。
しかしこの時ばかりは後悔した。
突っ込んでいった丘の頂上の先には更に複数体のワーウルフがいたのだ。
人間の腕から血をすする。
身体の一部を焼き食べる。
太ももをゆでたスープのようなもの。
クモが食われていた。
その身体はバラバラになっていた。
7体のワーウルフと1体のハイウルフ。
ハイウルフは進化の途中。
この群れの使いっ走り。
だから陽動に使われた。
こんな構図が瞬時にうかんだ。
攻撃後の着地、
着地後にさらに加速しこの群れを抜ける。
戦闘力未知数の相手、それも複数を同時に相手にしている暇はない。
戦闘を避けるのを決めた空中でワーウルフの一匹と目が合う。
こいつは。こいつだけは着地を狙って攻撃をしてくる。
そんな予感がした。
俺はトップスピードのまま体勢を崩し地面を体で滑っていた。
ワーウルフの群れを通り過ぎる。
身体を回転させ群れを見る。
すでに全員が戦闘体勢。
着地した足の感覚がない。
俺の右足太ももには得体のしれない棒のような物が刺さっている。
逃げられない。
覚悟を決め俺は小刀を抜いた。
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