3 / 80
プロローグ 「自助努力には限界があります」
第三話 「変調」
しおりを挟む
いつまで経っても、俺が夢から目覚めることはなかった。そして、山積みになった空のカップ麺の容器を眺めながら、俺はボーっと思考を放棄する。
なぜ、容器が山積みになっているかって?
そんなもの理由は簡単で、食べても食べても空腹感が全く満たされないからだ。この容器の山はその残骸だ。お陰で俺の食糧在庫も非常事態だ。
おまけにノドの渇きも満たされない。ラーメンの汁がしょっぱいからではない。水道水(別称:東京水)を飲んでも同じなのだ。
(マジかよ……過食症なのか? この体…)
そして、空腹にも関わらず、俺が食事をあきらめてしまっている理由。それは食欲が全くわかないないからだ。
空腹なのに食欲がない。
無理に食べようものなら、気持ちが悪くなっておう吐する。
何が何だかさっぱり分からない。
――なにこれ詰んでるし。
空腹感に耐えかねて、とりあえず横になる。いずれにせよ、このままではジリ貧だ。動かないようにして、体力を温存せねば間違いなく死ぬ。
人は死にそうになると、自分の死期がなんとなくわかるという。そして、俺にはそれが近づいてきているという気配がわかった。
そんな予感が、さっきから俺の頭の中をグルグルと駆け巡っていたからだ。
明日には、衣服が届く。そうしたら買い物に出ればいい、きっと甘いものなら満腹感は得られるはずだ。
食事だって、カップ麺だけどしっかりとっているし、水だって飲んでるし、いきなり脱水症状で死ぬことも、餓死することもないはずだ。
とにかく自分に都合の良いことを考えながら、横になりつつ、うなり声をあげていると、やがて窓から差し込む光は、オレンジ色になり、薄暗くなる。
もちろん今の体の状況がわからない以上は、何の根拠もない。そんな事は分かっているが、そう考えずにはいられないのだ。
けれど、ノドの渇きと空腹感からくる恐怖は変わることなく、少しづつ俺の心を蝕んでいく。何時間も、ただひたすらに折れそうになる心で耐える。
結局俺は、その日は不安から一睡もできず、そのまま朝を迎える羽目になった。
朝日が差し込む窓を恨めしく見やる。だが、あとは宅配業者が注文した洋服を持って早く来るのを祈るのみだ。
早く来い。早く来い。はーやく来い♪
うん。歌える。まだ余裕あるな俺。まだまだイケる。大丈夫だ。俺が大丈夫と言っているんだから大丈夫だ。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴る音がする。
キターーーーッ!!!
俺は弁当容器の腐れ汁など気に留めることもなく、それらを踏みながら突っ走り、そのままの勢いで玄関ドアをバーンッと開ける。
すると宅配業者の兄ちゃんは、一瞬驚いたような表情をしてから、そのまま俺の胸元に視線を向ける。
あ、そうだね。今俺の着てる服ってぶかぶかだし。ちょっ、ちょっと、どこ見てんのよ!って感じですよねー。
さっと胸元を隠すと、兄ちゃんは気まずそうな顔をしてから、
「あ、お届け物です。代引きで2万6千532円です」と、軽く会釈する。
くぅ…やはり痛い出費だ。これで俺の今月の生活費は残り二千円程度だ。そして、生活保護金の支給まで、残り二週間もある。
「これで、お願いします」
俺は財布に控えていた諭吉さん他数名を取り出すと、それを兄ちゃんに渡す。
想定以上に薄くなった我が財布。普通の状態でも、やばいなこれ。
「はい。お釣りです。ありがとうございました」
爽やかに立ち去る兄ちゃんを見送りながら、俺は我が財布の大幅な戦力ダウンに改めて戦慄を覚えていた。
だが、こうもしてはいられない。俺は早速届いた荷物の梱包を解き、中の品を確かめる。ワンピースと下着と靴、それとキャミにニーソだ。
なぜニーソかって、バカを言うな。これはどう考えても外せないだろう。
いそいそと着替えをして、鏡の前に立ってみて、思わず乾いた笑いが漏れる。
……ナニコレ、可愛すぎるだろ。
美人は何を着ても似合うというが、それを地で言っている感じだ。
自分の服もろくに選べない俺が、限られた予算で選んだ服でこうなのだから、プロのスタイリストさんが選んだらどうなってしまうんだ?
そして俺はそのまま、なけなしの二千円を握りしめ、いつものコンビニに向かう。空腹感を満たせそうな甘いものを買うためだ。
コンビニを入って一直線に向かう先は菓子コーナー。俺御用達のサワークリーム味のポテチが無くなってからは、ここに来るのは久しい。
そこで目についたチョコレートをむんずと手に掴むと、会計を済ませるべく、バンッと勢いよくそれをレジに置く。
どうでも良いけど、男の店員やら客やらが、オスの視線でチラチラとこちらを見てくるんだよね。男の視線って結構わかるもんなんだな。
きっと「やまみや」さんも、俺の視線、分かってたんだろうなぁ。
支払いを済ませて、急いでコンビニを出ると、そのままレジ袋から取り出したチョコレートの箱を震える手で開ける。
早くこれを喰って、このどうにもならない空腹感を満たすのだ。
そしてそれを貪るように食べると、すぐに甘いチョコレートの風味が口の中に広がり、幸せな気持ちで心が満たされる。
しかし――。それだけだった。
つまり、結局は空腹が満たされることはなかったのだ。
いささか浅はかな希望的観測だったとはいえ、唯一の望みがいともあっさりと崩れ去り、俺は絶望的な気持ちで力なしにその場にしゃがみ込む。
「……こんなことって。どうして」
青空が広がっていて、無駄に天気が良くて、気持ちのいい陽気なのに、俺の心は満たされぬ飢えと渇きでもはや限界を感じていた。
立ち上がる元気すらなく、もうただどうしたら良いのかも分からず、自嘲気味な笑いが出そうになったその時だった。
「君、どうしたの? 具合でも悪いの?」
声に反応してゆっくり視線を上げると、そこにはチャラそうな男が二人、こちらを見下ろすようにして立っていた。
うわー。何か怖い。それが、偽らざる俺の第一印象だ。
いつもの俺なら、間違いなくこのシチュエーションは、オヤジ狩りフラグ立ちまくりのルート確定コースだろう。
しかし、今の俺はオヤジでなく美少女だ。だから、今回は貞操の危険を感じざるを得ない。
「あ、いえ。だ、大丈夫です」
そう言って、俺はその場を離れるべく立ち上がろうとするが、空腹で意識が朦朧としていたこともあって、一瞬ふらついてしまう。
すると、声をかけてきたチャラ男が、慌てたようにさっと手を差し伸べて転ばないように体を支えてくれる。
なんだお前、意外といい奴だな。
なぜ、容器が山積みになっているかって?
そんなもの理由は簡単で、食べても食べても空腹感が全く満たされないからだ。この容器の山はその残骸だ。お陰で俺の食糧在庫も非常事態だ。
おまけにノドの渇きも満たされない。ラーメンの汁がしょっぱいからではない。水道水(別称:東京水)を飲んでも同じなのだ。
(マジかよ……過食症なのか? この体…)
そして、空腹にも関わらず、俺が食事をあきらめてしまっている理由。それは食欲が全くわかないないからだ。
空腹なのに食欲がない。
無理に食べようものなら、気持ちが悪くなっておう吐する。
何が何だかさっぱり分からない。
――なにこれ詰んでるし。
空腹感に耐えかねて、とりあえず横になる。いずれにせよ、このままではジリ貧だ。動かないようにして、体力を温存せねば間違いなく死ぬ。
人は死にそうになると、自分の死期がなんとなくわかるという。そして、俺にはそれが近づいてきているという気配がわかった。
そんな予感が、さっきから俺の頭の中をグルグルと駆け巡っていたからだ。
明日には、衣服が届く。そうしたら買い物に出ればいい、きっと甘いものなら満腹感は得られるはずだ。
食事だって、カップ麺だけどしっかりとっているし、水だって飲んでるし、いきなり脱水症状で死ぬことも、餓死することもないはずだ。
とにかく自分に都合の良いことを考えながら、横になりつつ、うなり声をあげていると、やがて窓から差し込む光は、オレンジ色になり、薄暗くなる。
もちろん今の体の状況がわからない以上は、何の根拠もない。そんな事は分かっているが、そう考えずにはいられないのだ。
けれど、ノドの渇きと空腹感からくる恐怖は変わることなく、少しづつ俺の心を蝕んでいく。何時間も、ただひたすらに折れそうになる心で耐える。
結局俺は、その日は不安から一睡もできず、そのまま朝を迎える羽目になった。
朝日が差し込む窓を恨めしく見やる。だが、あとは宅配業者が注文した洋服を持って早く来るのを祈るのみだ。
早く来い。早く来い。はーやく来い♪
うん。歌える。まだ余裕あるな俺。まだまだイケる。大丈夫だ。俺が大丈夫と言っているんだから大丈夫だ。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴る音がする。
キターーーーッ!!!
俺は弁当容器の腐れ汁など気に留めることもなく、それらを踏みながら突っ走り、そのままの勢いで玄関ドアをバーンッと開ける。
すると宅配業者の兄ちゃんは、一瞬驚いたような表情をしてから、そのまま俺の胸元に視線を向ける。
あ、そうだね。今俺の着てる服ってぶかぶかだし。ちょっ、ちょっと、どこ見てんのよ!って感じですよねー。
さっと胸元を隠すと、兄ちゃんは気まずそうな顔をしてから、
「あ、お届け物です。代引きで2万6千532円です」と、軽く会釈する。
くぅ…やはり痛い出費だ。これで俺の今月の生活費は残り二千円程度だ。そして、生活保護金の支給まで、残り二週間もある。
「これで、お願いします」
俺は財布に控えていた諭吉さん他数名を取り出すと、それを兄ちゃんに渡す。
想定以上に薄くなった我が財布。普通の状態でも、やばいなこれ。
「はい。お釣りです。ありがとうございました」
爽やかに立ち去る兄ちゃんを見送りながら、俺は我が財布の大幅な戦力ダウンに改めて戦慄を覚えていた。
だが、こうもしてはいられない。俺は早速届いた荷物の梱包を解き、中の品を確かめる。ワンピースと下着と靴、それとキャミにニーソだ。
なぜニーソかって、バカを言うな。これはどう考えても外せないだろう。
いそいそと着替えをして、鏡の前に立ってみて、思わず乾いた笑いが漏れる。
……ナニコレ、可愛すぎるだろ。
美人は何を着ても似合うというが、それを地で言っている感じだ。
自分の服もろくに選べない俺が、限られた予算で選んだ服でこうなのだから、プロのスタイリストさんが選んだらどうなってしまうんだ?
そして俺はそのまま、なけなしの二千円を握りしめ、いつものコンビニに向かう。空腹感を満たせそうな甘いものを買うためだ。
コンビニを入って一直線に向かう先は菓子コーナー。俺御用達のサワークリーム味のポテチが無くなってからは、ここに来るのは久しい。
そこで目についたチョコレートをむんずと手に掴むと、会計を済ませるべく、バンッと勢いよくそれをレジに置く。
どうでも良いけど、男の店員やら客やらが、オスの視線でチラチラとこちらを見てくるんだよね。男の視線って結構わかるもんなんだな。
きっと「やまみや」さんも、俺の視線、分かってたんだろうなぁ。
支払いを済ませて、急いでコンビニを出ると、そのままレジ袋から取り出したチョコレートの箱を震える手で開ける。
早くこれを喰って、このどうにもならない空腹感を満たすのだ。
そしてそれを貪るように食べると、すぐに甘いチョコレートの風味が口の中に広がり、幸せな気持ちで心が満たされる。
しかし――。それだけだった。
つまり、結局は空腹が満たされることはなかったのだ。
いささか浅はかな希望的観測だったとはいえ、唯一の望みがいともあっさりと崩れ去り、俺は絶望的な気持ちで力なしにその場にしゃがみ込む。
「……こんなことって。どうして」
青空が広がっていて、無駄に天気が良くて、気持ちのいい陽気なのに、俺の心は満たされぬ飢えと渇きでもはや限界を感じていた。
立ち上がる元気すらなく、もうただどうしたら良いのかも分からず、自嘲気味な笑いが出そうになったその時だった。
「君、どうしたの? 具合でも悪いの?」
声に反応してゆっくり視線を上げると、そこにはチャラそうな男が二人、こちらを見下ろすようにして立っていた。
うわー。何か怖い。それが、偽らざる俺の第一印象だ。
いつもの俺なら、間違いなくこのシチュエーションは、オヤジ狩りフラグ立ちまくりのルート確定コースだろう。
しかし、今の俺はオヤジでなく美少女だ。だから、今回は貞操の危険を感じざるを得ない。
「あ、いえ。だ、大丈夫です」
そう言って、俺はその場を離れるべく立ち上がろうとするが、空腹で意識が朦朧としていたこともあって、一瞬ふらついてしまう。
すると、声をかけてきたチャラ男が、慌てたようにさっと手を差し伸べて転ばないように体を支えてくれる。
なんだお前、意外といい奴だな。
0
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説
押し倒されたら異世界で聖女になってました。何故か勇者な彼に邪険にされるわ魔王に求婚されるわでうまく行きません(>_<)★本編+後日談完結★
monaka
ファンタジー
現在後日談更新中!!
この物語は友人と異世界へ飛ばされ自分だけ女の子になってしまった主役が友人を振り向かせるために奮闘しつつも世界を救う旅に出るお話。
無自覚たらしの主役には自然と周りの男性達も翻弄され……まさかの魔王まで??
というゆるゆるTS恋愛ファンタジーでございます。
10万字ちょいで完結。全47話。
BL要素を含みますがTSしてるのでどちらかといえば精神的BL?
作者は女性向けとして書いたつもりなのにツイッターでアンケを取った結果は半々でした。
男性も女性もとにかくまずは読んでみてねっ!
素敵な表紙は漫画家の茂泉しぽん先生の御厚意で頂いた物です! ありがたし!
★この作品は小説家になろうにも掲載しております。
ファンタジーランキング最高57位!
HOTランキング最高54位!
皆様有難うございます!!
ヽ(=´▽`=)ノ
完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!
音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。
頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。
都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。
「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」
断末魔に涙した彼女は……
雷雪ちゃんはTSっ娘〜FTMの雌堕ちえちえち録!〜
たかしクランベリー
恋愛
ふん。メス堕ち度たったの10万、雑魚TSっ娘ね。
……10分後。メス堕ち度100万、まぁまぁね。
……30分後。メス堕ち度3000万!? 何なのよ!
簡単さ。特別な課金やギフトコードはいらない。
新規読者になるだけ!
この作品はタイトル通り、
転生TSっ娘が即落ちでイチャイチャえちえちな
尊いTSライフを送る。
そんな感じの
ドタバタエロコメディ(R18)なんだ。
超暴力系転生TSっ娘×TSっ娘分からせたい系男子
この2人から始まる
異世界えちえち青春の結末とはッ!!
ご注意
♦︎エロシーン回には【♡】マークを付与します。
※♡マークは付与効果を解除する効果を受けない。
♦︎主人公以外のサブキャラストーリーには
【】を付与します。(例・【○○○(○○○)】)
♦︎本作は連作短編型の長編となります。
ですから、各話のタイトルが特殊です。
(例・○○○〜どうなるのか)
♦︎作者はTS皮モノが大好きです。
おかげで性癖も皺くちゃです。
♦︎転生TSっ娘は界隈にてTS味が
薄いとされてますが、
全力でTS味を濃くしてく予定です。
◆キャラ設定資料にて、
キャラクターのイメージの
参考画像として
ももいろね式美少女メーカーを
非営利目的で使用しています。
注意されたらキャラ紹介〜part1〜を
修正いたします。
TSしたら異能系の学園に転入する羽目になりました。
邑真津永世
ファンタジー
平凡な生活を送るブラック企業勤めのリーマン主人公の⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は、突如として現れた通り魔に刺されてしまった。
意識が遠のく中、自身の念願である異世界転生という最高のご褒美を勝ち取る………………。
なーんて、俺の人生に甘いことは起きるはずもなく、実は幼児体型(見た目は銀髪短髪碧眼ロリの完璧美少女)に変わってしまっていました。
妖怪変化もびっくりなこの状況、一体どうしてくれるんですか?俺はここから帰ることができるんですかっ!?
………………え?幼児体型になったからにはここから返すわけにはいかなくなった……?
どういう文脈で返すわけにはいかなくなったのかは不明だが、俺はもう二度と同じ生活を送ることはできないらしい。
…………俺に元々拒否権なんて存在しないようだ。
新たな人生の門出、それはあまりにも悲しく、非条理の極みであり……甘酸っぱいものとは程遠い、異能を強化するための特別機関……[大日本帝国第一王朝異能学園]に放り込まれてしまいました。
一体全体どうなってしまうんだ、俺の人生ってやつは!?
当惑の渦から抜け出せずにいる俺は、楽観をすることなく望もうとするが、様々な困難(勘違い)が自分を襲いかかってくる。
もう俺、人生諦めてもいいですか……?なんて言えるはずもなく、徐々に戦いの中に身を投じるのみであった。
※注釈※
(見た目は銀髪短髪碧眼ロリの完璧美少女で、中身は元ブラック企業勤めリーマンのおっさんです)
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
【R18】ガイノイドになり方ガイド
ジャン・幸田
SF
ロボットが一般的に普及した近未来。そのロボットのなかには人間が内蔵されたものがあった。ここでは、ある少女がガイノイドになる体験談を掲載します。
*R18は保険です。機械と人間が融合するような作品に嫌悪感を感じる方は回避してください。
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる