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開幕④・魔王は侍女に感謝する
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アーデルハイドは静かに窓の外を眺める。日射しが降り注いで彼女の身体はほのかに温められていく。窓を開けて風を感じたかったものの季節はまだ温かくなり始めたばかり。上着や毛布がしまってある衣装棚との往復は今の自分には無理だと早々に諦めた。
これまで彼女にとって硝子を隔てた外は別世界。部屋に閉じ込められた籠の鳥でしかなかった彼女にとって外はただ見つめるしかなかった。それが今や手を伸ばせば届きそうな所まで近づいてきている。胸が高鳴るのを感じずにはいられなかった。
静かにカップを口に運んで鮮やかな橙色をした紅茶を飲んでいると、静寂に包まれた部屋の中に廊下側の扉がノックされる音が響き渡った。
「失礼します」
そして扉の外からはアーデルハイドがここ数年一番慣れ親しんだ声が耳に届く。
「うむ、入るがよい」
部屋の主の許しを得て扉が重厚に開かれていく。廊下より姿を現したのは水差しを手にした侍女だった。彼女は部屋に入るなり優雅に茶を満喫するアーデルハイドを目にして……、
「お……お嬢様……?」
息を飲んで水差しを取り落とす。硝子の入れ物は割れずに絨毯の上で転がり、入っていた水がこぼれて広がっていった。
「どうしたのだパトリシア、そんなに驚いて」
パトリシアと呼ばれた侍女は落とした水差しには目もくれずにただ茫然と立ち尽くす。そして目を何度も擦って再びアーデルハイドを見つめる。それでも彼女が目にした光景は決して変わらず。パトリシアは口元を手で押さえて身体をよろめかせ、瞳を潤ませた。
「お嬢様……お身体の調子はよろしいのですか……?」
「今日はすこぶる調子が良いのだ。このように自分の足で寝具から抜け出せるほどにな」
そんなパトリシアに向けてアーデルハイドは笑いかけてやった。魔王が色濃く反映された現在のアーデルハイドはようやくパトリシアの気が動転する様子に納得がいった。そう言えばこの数年ほど自力で起きた試しがなかったな、と。
パトリシアは瞳を揺らし、大粒の涙を零れ落としていく。
「お嬢様……回復なさったのですね……!」
「うむ、色々と心配をかけたな。そなたの長きに渡る忠義、わたしは嬉しく思うぞ」
アーデルハイドは両腕をパトリシアの方へと広げてみせる。感極まったパトリシアはたまらずに駆け出し、アーデルハイドの胸へと飛び込んだ。泣き崩れる侍女の頭をアーデルハイドは優しくなでる。自然と彼女の口は微笑みを浮かべていた。
ようやく正気に戻ったパトリシアは床が真正面に見える程に頭を下げて自分の主人に謝る。アーデルハイドはそれを寛大に赦し、従者にテーブルの相席に座るよう促した。パトリシアはその前にこぼした水を片付けると深々と頭を垂れた。
「私めは嬉しゅうございます。神様に縋ってもお嬢様はもう快方に向かわないと思っていましたので」
「神はわたしに試練ばかり与えおったが、代わりに酔狂な提案を持ちかけた者がおってな」
「もしや、どなたかがお嬢様を治療なさったのですか? もしそうでしたら心よりお礼を申し上げないと」
「何、慈悲を貰ったわけでもない。ある一種の契約を持ちかけられたのでな」
「契約、ですか?」
雑巾で絨毯に沁み込んだ水を掃除していたパトリシアは首を傾げた。公爵令嬢とはいえ病弱で表舞台に姿を見せないアーデルハイドについてはほとんど社交界に知れ渡っていない。婚約者すら足が遠のいている有様で誰が主に話を持ちかけたのか、と思ってくれていると侍女の反応を受け取ったアーデルハイドは満足そうに微笑を湛える。
「そなたもわたし達貴族の子が高等教育を受ける事は知っているだろう?」
「はい。神聖帝国内の貴族方の子息、息女が集う帝国学園ですね」
「その学園に入学するようにと言われた」
「学園に、でございますか。確かにお嬢様はもうじき学園に行かねばならない年齢ですが……」
「体調が芳しくないからと諦めておったが、その者はどうしてもわたしを学園に通わせたいらしい」
その者とは余に他ならぬがな! とアーデルハイドは心の中で威張った。ただ今の自分が魔王であるとまだ己の侍女に明かす気は無かった。正体が明かされる展開は予言の書でも後半の方。物語が始まってもいない今はその時期ではなかった。
「あの、その救い主様はどうしてお嬢様に手を差し伸べられたのでしょうか?」
「大義を成す為、とだけ今は申しておこう」
その大義とは悪役令嬢として正々堂々舞台に立つ事。予言の書の顛末を覆してメインヒロインなる存在の好きにはさせない事を指す。これはパトリシアには不必要な情報だと判断して口にしなかった。目の前の侍女は事情を知っていようがそうでなかろうが忠誠に揺るぎないから。
「そこでだ。わたしには早々にやらねばならぬ事柄が沢山あるぞ」
「私に出来る事がございましたら何なりとお申し付け下さい」
「ではな、そなたは現状のわたしを見てどのように思う?」
「病弱でありながらもなおお美しゅうございます」
「世辞は良い。見てみよこの枝のようなか細い腕と脚を。この有様では外を出歩くなど到底かなわぬであろうな」
「……確かに正直申し上げまして、痩せすぎと思います」
寝具より窓際のテーブル席に移動出来たのも身体強化魔法で補助したからであり、本来長年に渡りほとんど動かせていなかった身体は衰えに衰えている。まずは日常生活に支障が出ない程度には筋力と体力を取り戻す必要があった。
「まずは食から変えねばならぬか。無理にでも肉を取って養わねばならぬ」
「では本日の昼食より献立を変えるよう料理人には伝えます」
「それから今のわたしに合う服や靴、装飾品が足りぬな」
「……仰る通りかと」
悪役令嬢に相応しく贅沢三昧、と口走る気はアーデルハイドには無かった。それ以前に長年部屋からも出ていなかったせいで公の場に姿を見せる為の正装どころか部屋着すら無い始末なのだ。さすがに普段愛用している寝巻ではどうしようもない。
「直ちに手配頂くよう奥様にお伝えいたします」
「パトリシアよ。その件だがわたしが学園に行けるまで回復したと家族には知られたくない。しばしの間黙っていてもらえぬか?」
「えっ? どうしてですか? 旦那様も奥方様もお嬢様の回復を待ち望んでおられました。お伝えしないわけにはまいりません」
「理由は追って話す。頼む、この通りだ」
アーデルハイドは据わったままでパトリシアに頭を下げた。まさか仕える主から頼まれてしまい、パトリシアは少しの間慌てふためいてしまう。けれど程なく彼女は落ち着きを取り戻し、優雅に一礼してみせる。
「畏まりました。お嬢様の思うがままに」
「頼む。わたしの服飾や装飾はわたし自身が使わずじまいだった貯蓄を使うがよい。それとわたしの学園入学に関する手続きを進めるのだ」
「お言葉ですが諸手続きに関しては私の及ぶものではございません」
「屋敷の執事に対応してもらえば問題ない」
他にもアーデルハイドは肌の手入れや髪質の改善をパトリシアと相談した。更に現在の情勢についてを調べるよう命じ、一旦下がる許しを与える。
スカートのすそを摘まみ上げてお辞儀したパトリシアは踵を返して部屋の出入り口へと足を進めていき……、
「そう言えばパトリシアよ。そなたがわたしに仕えるようになってから何年が経つ?」
アーデルハイドからの唐突な質問に引き留められた。パトリシアはその場で反転して自分の従う主に身体を向ける。はしたなくメイド服のスカートが浮かないよう静かに。
「私が公爵家にお仕えするようになってからもそれほど年月は経っておりません。おそらくは三、四年ほどかと」
「なんと、たったそれだけであったか。ううむ、どうも幼少の頃よりそなたと共にあったような気がしてならぬなぁ」
と語ったもののそれには半分以上アーデルハイドの願望も含まれていた。何故なら、婚約者どころか家族や使用人からも疎遠になっていた彼女にとって唯一長い間時間を共にした相手がパトリシアのみだったから。
アーデルハイドが狭い世界においてなお人らしくあれたのは、献身的に尽くす従者がいたからに他ならなかった。魔王と一体化した今でもその恩義は忘れられない。そして彼女の心がアーデルハイドの心を優しく温めるのだ。
「そなたには苦労ばかりかけたな。許せとは言わぬ」
「そんな、とんでもございません」
「しかし今日よりはわたしこそが主役として大衆の視線を集めるであろうな! いかに他の有象無象の輩が舞台上に躍り出ようとすぐさま霞むに違いないぞ!」
「ふふっ、では私はお嬢様にずっと付き従えるよう頑張らねばいけませんね」
主と従者の二人が笑う。輝き始めた未来へと想いを馳せて。
これまで彼女にとって硝子を隔てた外は別世界。部屋に閉じ込められた籠の鳥でしかなかった彼女にとって外はただ見つめるしかなかった。それが今や手を伸ばせば届きそうな所まで近づいてきている。胸が高鳴るのを感じずにはいられなかった。
静かにカップを口に運んで鮮やかな橙色をした紅茶を飲んでいると、静寂に包まれた部屋の中に廊下側の扉がノックされる音が響き渡った。
「失礼します」
そして扉の外からはアーデルハイドがここ数年一番慣れ親しんだ声が耳に届く。
「うむ、入るがよい」
部屋の主の許しを得て扉が重厚に開かれていく。廊下より姿を現したのは水差しを手にした侍女だった。彼女は部屋に入るなり優雅に茶を満喫するアーデルハイドを目にして……、
「お……お嬢様……?」
息を飲んで水差しを取り落とす。硝子の入れ物は割れずに絨毯の上で転がり、入っていた水がこぼれて広がっていった。
「どうしたのだパトリシア、そんなに驚いて」
パトリシアと呼ばれた侍女は落とした水差しには目もくれずにただ茫然と立ち尽くす。そして目を何度も擦って再びアーデルハイドを見つめる。それでも彼女が目にした光景は決して変わらず。パトリシアは口元を手で押さえて身体をよろめかせ、瞳を潤ませた。
「お嬢様……お身体の調子はよろしいのですか……?」
「今日はすこぶる調子が良いのだ。このように自分の足で寝具から抜け出せるほどにな」
そんなパトリシアに向けてアーデルハイドは笑いかけてやった。魔王が色濃く反映された現在のアーデルハイドはようやくパトリシアの気が動転する様子に納得がいった。そう言えばこの数年ほど自力で起きた試しがなかったな、と。
パトリシアは瞳を揺らし、大粒の涙を零れ落としていく。
「お嬢様……回復なさったのですね……!」
「うむ、色々と心配をかけたな。そなたの長きに渡る忠義、わたしは嬉しく思うぞ」
アーデルハイドは両腕をパトリシアの方へと広げてみせる。感極まったパトリシアはたまらずに駆け出し、アーデルハイドの胸へと飛び込んだ。泣き崩れる侍女の頭をアーデルハイドは優しくなでる。自然と彼女の口は微笑みを浮かべていた。
ようやく正気に戻ったパトリシアは床が真正面に見える程に頭を下げて自分の主人に謝る。アーデルハイドはそれを寛大に赦し、従者にテーブルの相席に座るよう促した。パトリシアはその前にこぼした水を片付けると深々と頭を垂れた。
「私めは嬉しゅうございます。神様に縋ってもお嬢様はもう快方に向かわないと思っていましたので」
「神はわたしに試練ばかり与えおったが、代わりに酔狂な提案を持ちかけた者がおってな」
「もしや、どなたかがお嬢様を治療なさったのですか? もしそうでしたら心よりお礼を申し上げないと」
「何、慈悲を貰ったわけでもない。ある一種の契約を持ちかけられたのでな」
「契約、ですか?」
雑巾で絨毯に沁み込んだ水を掃除していたパトリシアは首を傾げた。公爵令嬢とはいえ病弱で表舞台に姿を見せないアーデルハイドについてはほとんど社交界に知れ渡っていない。婚約者すら足が遠のいている有様で誰が主に話を持ちかけたのか、と思ってくれていると侍女の反応を受け取ったアーデルハイドは満足そうに微笑を湛える。
「そなたもわたし達貴族の子が高等教育を受ける事は知っているだろう?」
「はい。神聖帝国内の貴族方の子息、息女が集う帝国学園ですね」
「その学園に入学するようにと言われた」
「学園に、でございますか。確かにお嬢様はもうじき学園に行かねばならない年齢ですが……」
「体調が芳しくないからと諦めておったが、その者はどうしてもわたしを学園に通わせたいらしい」
その者とは余に他ならぬがな! とアーデルハイドは心の中で威張った。ただ今の自分が魔王であるとまだ己の侍女に明かす気は無かった。正体が明かされる展開は予言の書でも後半の方。物語が始まってもいない今はその時期ではなかった。
「あの、その救い主様はどうしてお嬢様に手を差し伸べられたのでしょうか?」
「大義を成す為、とだけ今は申しておこう」
その大義とは悪役令嬢として正々堂々舞台に立つ事。予言の書の顛末を覆してメインヒロインなる存在の好きにはさせない事を指す。これはパトリシアには不必要な情報だと判断して口にしなかった。目の前の侍女は事情を知っていようがそうでなかろうが忠誠に揺るぎないから。
「そこでだ。わたしには早々にやらねばならぬ事柄が沢山あるぞ」
「私に出来る事がございましたら何なりとお申し付け下さい」
「ではな、そなたは現状のわたしを見てどのように思う?」
「病弱でありながらもなおお美しゅうございます」
「世辞は良い。見てみよこの枝のようなか細い腕と脚を。この有様では外を出歩くなど到底かなわぬであろうな」
「……確かに正直申し上げまして、痩せすぎと思います」
寝具より窓際のテーブル席に移動出来たのも身体強化魔法で補助したからであり、本来長年に渡りほとんど動かせていなかった身体は衰えに衰えている。まずは日常生活に支障が出ない程度には筋力と体力を取り戻す必要があった。
「まずは食から変えねばならぬか。無理にでも肉を取って養わねばならぬ」
「では本日の昼食より献立を変えるよう料理人には伝えます」
「それから今のわたしに合う服や靴、装飾品が足りぬな」
「……仰る通りかと」
悪役令嬢に相応しく贅沢三昧、と口走る気はアーデルハイドには無かった。それ以前に長年部屋からも出ていなかったせいで公の場に姿を見せる為の正装どころか部屋着すら無い始末なのだ。さすがに普段愛用している寝巻ではどうしようもない。
「直ちに手配頂くよう奥様にお伝えいたします」
「パトリシアよ。その件だがわたしが学園に行けるまで回復したと家族には知られたくない。しばしの間黙っていてもらえぬか?」
「えっ? どうしてですか? 旦那様も奥方様もお嬢様の回復を待ち望んでおられました。お伝えしないわけにはまいりません」
「理由は追って話す。頼む、この通りだ」
アーデルハイドは据わったままでパトリシアに頭を下げた。まさか仕える主から頼まれてしまい、パトリシアは少しの間慌てふためいてしまう。けれど程なく彼女は落ち着きを取り戻し、優雅に一礼してみせる。
「畏まりました。お嬢様の思うがままに」
「頼む。わたしの服飾や装飾はわたし自身が使わずじまいだった貯蓄を使うがよい。それとわたしの学園入学に関する手続きを進めるのだ」
「お言葉ですが諸手続きに関しては私の及ぶものではございません」
「屋敷の執事に対応してもらえば問題ない」
他にもアーデルハイドは肌の手入れや髪質の改善をパトリシアと相談した。更に現在の情勢についてを調べるよう命じ、一旦下がる許しを与える。
スカートのすそを摘まみ上げてお辞儀したパトリシアは踵を返して部屋の出入り口へと足を進めていき……、
「そう言えばパトリシアよ。そなたがわたしに仕えるようになってから何年が経つ?」
アーデルハイドからの唐突な質問に引き留められた。パトリシアはその場で反転して自分の従う主に身体を向ける。はしたなくメイド服のスカートが浮かないよう静かに。
「私が公爵家にお仕えするようになってからもそれほど年月は経っておりません。おそらくは三、四年ほどかと」
「なんと、たったそれだけであったか。ううむ、どうも幼少の頃よりそなたと共にあったような気がしてならぬなぁ」
と語ったもののそれには半分以上アーデルハイドの願望も含まれていた。何故なら、婚約者どころか家族や使用人からも疎遠になっていた彼女にとって唯一長い間時間を共にした相手がパトリシアのみだったから。
アーデルハイドが狭い世界においてなお人らしくあれたのは、献身的に尽くす従者がいたからに他ならなかった。魔王と一体化した今でもその恩義は忘れられない。そして彼女の心がアーデルハイドの心を優しく温めるのだ。
「そなたには苦労ばかりかけたな。許せとは言わぬ」
「そんな、とんでもございません」
「しかし今日よりはわたしこそが主役として大衆の視線を集めるであろうな! いかに他の有象無象の輩が舞台上に躍り出ようとすぐさま霞むに違いないぞ!」
「ふふっ、では私はお嬢様にずっと付き従えるよう頑張らねばいけませんね」
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