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10.浮かんだ空に
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「ロミィ、君もコメディーとか、見るんだね。意外だけど、話ができてうれしいな」
記憶の中で、オルメアが微笑んでいる。優しくて、少し意地悪な感じで。
「オルメアも、そういうのに興味があるとは思わなかった」
私も楽しそうに笑っている。
二人は、夜道を歩きながら、コメディアンに貰った風船を持っていた。ぷかぷかと空に浮かぶ風船は、まるで夜空を散歩しているように見える。
「クタルストンに行くって聞いたとき、退屈を恐れたけど、そんなのはいらない心配だったな」
「あら? クタルストンは退屈なの?」
「いいや。でも、少しのどかすぎるだろう?」
「ふふふ。オルメアには刺激が足りないかしら?」
また笑い合う。私は、まだ目覚めたばかりの気持ちに翻弄されながらも、オルメアのことを見る。オルメアの横顔は、とても無邪気に見えた。学校では見せない飾らない表情。私の瞳が、どんどんと彼を求める。
「でも、ロミィだってパーティーがつまらないって、抜け出しただろ? おあいこだ」
「それを言ってしまうの? だってあのパーティーは、本当に苦手なんだもの」
南の国のカーニバルをテーマにしたパーティーは、私の苦手分野。賑やかで、鮮やかでとても素敵だけど、クタルストンでそれをやっても乗り切れない。
私は舌を出して、くすくすと笑う。
「コメディーショーが近くでやっているんですもの。こっちの方が、貴重じゃない」
「はははっ、そうかもしれないな。巡業にばったり会えるんだからな」
「そうよ!」
オルメアの笑い声に浸っていると、突然ドンッという音が聞こえてくる。
「そうだ、花火……!」
そこで私は、思い出したように空を見上げる。降り注ぐ星空に浮かぶ、星ではない輝き。それは星たちに歓迎されることを望むように、キラキラと輝いては消える。
「ああ、花火もパーティーの後に予定されていたんだったね」
「そう!」
興奮気味に言う私を、オルメアは優しく見守る。そして空を見上げて、その美しさに見惚れていく。
「花火って、こうやって見るとなんだか異質だね」
「ええ、そうね。どうして空に向かって打ち上げられるのかしら。それもあんなに綺麗な形と色で!」
「……人って、不思議なことをするものだね」
「オルメア?」
私がオルメアの顔を見ると、オルメアの瞳は花火を映して輝いていた。だけど、その奥には照らしきれない何かが残っている気がした。オルメアの家業は、重工業。それは、人を助けるためだけのものではない。
「……オルメア、少し遠回りして帰りましょう?」
「……ああ、そうしよう」
二つの風船が、ゆらゆらと揺らめきながら花火の振動に振れ、一段と煌めいていく。そのまま私たちは、コメディーショーの話に夢中になったのだった。
目を開けると、ここでも夜空に花が咲く。
ドンッという音が心臓まで響き、自然とワクワクとした気持ちが湧いてしまう。だけど、今は。
私は、ぎゅっと目の前にある柵を掴む。ここは湖から少し離れた、ライブラリーのテラス。メインの観賞場所から少し遠いから、人は全然いない。
私は一人で花火を見上げた。その心なんて関係なく、打ちあがった火の粉は私の顔を照らす。
カーニバルパーティーはやっぱり抜け出して、私は一人でコメディーショーを見に行った。そして、今は花火の時間。花火は少し前に始まったのだと思う。戻ってきてすぐに、私はここまで来た。花火を見上げている人たちで賑わっている場所へは行きたくなかったのだ。
せっかくだからと、洋服は選んだものを着ている。雰囲気だけを味わっても罰は当たらない。柵から手を離し、私はまた目を伏せる。折角の美しい花火。それなのにくすんで見えてしまうのは何故だろう。片手には、貰った風船が揺らぐ。
オルメアは、まだ戻ってきていない。エレノアも同じく、病院に行ったままだ。ここでも、二人は一緒なのね。そんなやるせない気持ちが胸を突く。
所詮、私はヒロインに花を添える役割。その呪縛から逃れられていたと思ったのは、ただの勘違いだったのかもしれない。私の思い込みで、私の願望。
奪われていた自由を取り戻したところで、二人の運命は変わらず、私は結局入り込めないのだろうか。運命の綻びなんてなくて、あれが私の完璧な姿だったのかも。そう思えてくる。
運命には逆らえない。それが、真理だとでも言いたいのだろうか。この世界は。それを教えようとしてくれているの?
ぎゅっと、唇を噛む。瞳が揺らいで、花火がぼやける。
私は、期待することすら許されないと言うのだろうか。
そんな悲しいこと、知りたくもない。
こぼれそうな涙をぬぐい、私は姿勢を正し、ぐっと胸を張る。
例え世界がそう望もうとも、私はそんなの望みたくない。
この想いに報いがないのだとしても、勝手に諦めるのは、嫌。だから、だからあの奇跡の体験が起きたんじゃない。きっと……。それなら、こんなこと考えていちゃだめ。
もし、オルメアとエレノアが結ばれる運命だというのであれば、それを見届けよう。それが二人の真の想いなのであれば、祝福すべきこと。私も、本当の気持ちでそれを迎え入れる。邪険にしたり、妬んだりするのではなくて、心からの喜びを送るの。シナリオではない気持ちを、存分に出していいの。
そうよ。それが出来ることこそ、喜ばしいことなんじゃないの?
だってもう、人を貶したり傷つけなくていいんだから。そんな必要、ないんだから。
私の瞳の中で、花火の輝きが、少しだけ復活した気がする。
「ふふふふ。そうよ、私、負けるな……!」
自分を鼓舞して、小さく気合いを入れると、自然と頬が綻んできた。
「ロミィ?」
そう、オルメアが名前を呼んでくれた時のように。……あれ? これって、本当のオルメアの声?
恐る恐る振り返ると、オルメアが少し息を切らしてこちらに歩いてくる。走ってきたのかもしれない。息を整えてから、彼はニコッと笑う。
「ごめんね、遅くなってしまった……」
「オルメア……!? え、どうして……。あ、エレノアは?」
私は、動揺を隠せないままワタワタとする。表情に余裕はなくなるし、無駄に手が動く。風船が飛んでいきそうになって、慌てて抑えた。
「エレノアは大丈夫。骨にヒビが入っていたから、大事をとるけど……」
「そ、そう、なのね! よかった……? のかな?」
「ははは。うん。重症ではなかったから、よかった、と思うよ。今はご家族と一緒にいる」
「そ、そっか……! それなら、一安心ね」
ほっと、私は息を吐きだす。ついでに調子も整える。
「木が倒れたらしくて、作業をしていてね。道が混んでいて、予定よりも遅くなってしまったんだ。本当にすまない」
「謝らないで、オルメア! エレノアを送ってくれて、感謝しているから」
「……ありがとう、ロミィ」
オルメアのほっとした様子の笑みに、胸がきゅんと跳ねる。ちょっと弱っているみたいな感じで、オルメアには申し訳ないけれど、その表情が可愛らしかった。オルメアは風船をちょんっと弾く。
「花火、間に合ってよかった」
「……あ! な、なんかごめんなさい。こんな、変なところに……」
「変? 全然、どこも変じゃないよ」
オルメアは辺りを見回してからそう答えた。
でも、私としてはとっておきの場所で見て欲しかったのだけれど……。なんだか、勝手に感傷に浸っていたものだから、こんな寂しいところに来てしまった。
「誰もいないから、花火を貸し切っているみたいだ」
「……そう? ありがとう、そう言ってもらえて、嬉しい」
でも、オルメアが笑ってくれるならいいかな。社交辞令でも構わない。
あ、でも……もしかしなくても、私のこと、探してくれたのかな……?
また、胸が小さく跳ねる。こんなところまで、探しに来てくれたんだ。
「普段は、派手な花火しか見たことがないから、こういう場所で見ると、また新鮮だな」
「……ええ、そうね」
オルメアは柵に手をかけ、前のめりになって寄りかかる。たまに見せるそういう無邪気なところに、私の心はまた惹きつけられる。
「ロミィ、誘ってくれてありがとう」
「ううん。いいの」
オルメアこそ、ありがとう。私を見つけてくれて。
言葉にしない気持ちを、私は胸にギュッとしまい込む。
「ロミィ、僕はもうすぐ帰ってしまうけど、また学校でもよろしくな」
「……ええ、勿論。今度こそ、SSを取って見せるんだから。見ていてね」
気持ちが緩んだ私は、大きな宣言をしてみせる。一時のテンションに任せたものだ。浮かれているのだろう。
「ははははっ、それは楽しみだ」
「ふふっ、そうでしょう?」
私とオルメアは、軽快に笑い声をあげる。
あの時と同じ。
風船は一つしかないけれど、そこには二つの笑い声が響いていた。
記憶の中で、オルメアが微笑んでいる。優しくて、少し意地悪な感じで。
「オルメアも、そういうのに興味があるとは思わなかった」
私も楽しそうに笑っている。
二人は、夜道を歩きながら、コメディアンに貰った風船を持っていた。ぷかぷかと空に浮かぶ風船は、まるで夜空を散歩しているように見える。
「クタルストンに行くって聞いたとき、退屈を恐れたけど、そんなのはいらない心配だったな」
「あら? クタルストンは退屈なの?」
「いいや。でも、少しのどかすぎるだろう?」
「ふふふ。オルメアには刺激が足りないかしら?」
また笑い合う。私は、まだ目覚めたばかりの気持ちに翻弄されながらも、オルメアのことを見る。オルメアの横顔は、とても無邪気に見えた。学校では見せない飾らない表情。私の瞳が、どんどんと彼を求める。
「でも、ロミィだってパーティーがつまらないって、抜け出しただろ? おあいこだ」
「それを言ってしまうの? だってあのパーティーは、本当に苦手なんだもの」
南の国のカーニバルをテーマにしたパーティーは、私の苦手分野。賑やかで、鮮やかでとても素敵だけど、クタルストンでそれをやっても乗り切れない。
私は舌を出して、くすくすと笑う。
「コメディーショーが近くでやっているんですもの。こっちの方が、貴重じゃない」
「はははっ、そうかもしれないな。巡業にばったり会えるんだからな」
「そうよ!」
オルメアの笑い声に浸っていると、突然ドンッという音が聞こえてくる。
「そうだ、花火……!」
そこで私は、思い出したように空を見上げる。降り注ぐ星空に浮かぶ、星ではない輝き。それは星たちに歓迎されることを望むように、キラキラと輝いては消える。
「ああ、花火もパーティーの後に予定されていたんだったね」
「そう!」
興奮気味に言う私を、オルメアは優しく見守る。そして空を見上げて、その美しさに見惚れていく。
「花火って、こうやって見るとなんだか異質だね」
「ええ、そうね。どうして空に向かって打ち上げられるのかしら。それもあんなに綺麗な形と色で!」
「……人って、不思議なことをするものだね」
「オルメア?」
私がオルメアの顔を見ると、オルメアの瞳は花火を映して輝いていた。だけど、その奥には照らしきれない何かが残っている気がした。オルメアの家業は、重工業。それは、人を助けるためだけのものではない。
「……オルメア、少し遠回りして帰りましょう?」
「……ああ、そうしよう」
二つの風船が、ゆらゆらと揺らめきながら花火の振動に振れ、一段と煌めいていく。そのまま私たちは、コメディーショーの話に夢中になったのだった。
目を開けると、ここでも夜空に花が咲く。
ドンッという音が心臓まで響き、自然とワクワクとした気持ちが湧いてしまう。だけど、今は。
私は、ぎゅっと目の前にある柵を掴む。ここは湖から少し離れた、ライブラリーのテラス。メインの観賞場所から少し遠いから、人は全然いない。
私は一人で花火を見上げた。その心なんて関係なく、打ちあがった火の粉は私の顔を照らす。
カーニバルパーティーはやっぱり抜け出して、私は一人でコメディーショーを見に行った。そして、今は花火の時間。花火は少し前に始まったのだと思う。戻ってきてすぐに、私はここまで来た。花火を見上げている人たちで賑わっている場所へは行きたくなかったのだ。
せっかくだからと、洋服は選んだものを着ている。雰囲気だけを味わっても罰は当たらない。柵から手を離し、私はまた目を伏せる。折角の美しい花火。それなのにくすんで見えてしまうのは何故だろう。片手には、貰った風船が揺らぐ。
オルメアは、まだ戻ってきていない。エレノアも同じく、病院に行ったままだ。ここでも、二人は一緒なのね。そんなやるせない気持ちが胸を突く。
所詮、私はヒロインに花を添える役割。その呪縛から逃れられていたと思ったのは、ただの勘違いだったのかもしれない。私の思い込みで、私の願望。
奪われていた自由を取り戻したところで、二人の運命は変わらず、私は結局入り込めないのだろうか。運命の綻びなんてなくて、あれが私の完璧な姿だったのかも。そう思えてくる。
運命には逆らえない。それが、真理だとでも言いたいのだろうか。この世界は。それを教えようとしてくれているの?
ぎゅっと、唇を噛む。瞳が揺らいで、花火がぼやける。
私は、期待することすら許されないと言うのだろうか。
そんな悲しいこと、知りたくもない。
こぼれそうな涙をぬぐい、私は姿勢を正し、ぐっと胸を張る。
例え世界がそう望もうとも、私はそんなの望みたくない。
この想いに報いがないのだとしても、勝手に諦めるのは、嫌。だから、だからあの奇跡の体験が起きたんじゃない。きっと……。それなら、こんなこと考えていちゃだめ。
もし、オルメアとエレノアが結ばれる運命だというのであれば、それを見届けよう。それが二人の真の想いなのであれば、祝福すべきこと。私も、本当の気持ちでそれを迎え入れる。邪険にしたり、妬んだりするのではなくて、心からの喜びを送るの。シナリオではない気持ちを、存分に出していいの。
そうよ。それが出来ることこそ、喜ばしいことなんじゃないの?
だってもう、人を貶したり傷つけなくていいんだから。そんな必要、ないんだから。
私の瞳の中で、花火の輝きが、少しだけ復活した気がする。
「ふふふふ。そうよ、私、負けるな……!」
自分を鼓舞して、小さく気合いを入れると、自然と頬が綻んできた。
「ロミィ?」
そう、オルメアが名前を呼んでくれた時のように。……あれ? これって、本当のオルメアの声?
恐る恐る振り返ると、オルメアが少し息を切らしてこちらに歩いてくる。走ってきたのかもしれない。息を整えてから、彼はニコッと笑う。
「ごめんね、遅くなってしまった……」
「オルメア……!? え、どうして……。あ、エレノアは?」
私は、動揺を隠せないままワタワタとする。表情に余裕はなくなるし、無駄に手が動く。風船が飛んでいきそうになって、慌てて抑えた。
「エレノアは大丈夫。骨にヒビが入っていたから、大事をとるけど……」
「そ、そう、なのね! よかった……? のかな?」
「ははは。うん。重症ではなかったから、よかった、と思うよ。今はご家族と一緒にいる」
「そ、そっか……! それなら、一安心ね」
ほっと、私は息を吐きだす。ついでに調子も整える。
「木が倒れたらしくて、作業をしていてね。道が混んでいて、予定よりも遅くなってしまったんだ。本当にすまない」
「謝らないで、オルメア! エレノアを送ってくれて、感謝しているから」
「……ありがとう、ロミィ」
オルメアのほっとした様子の笑みに、胸がきゅんと跳ねる。ちょっと弱っているみたいな感じで、オルメアには申し訳ないけれど、その表情が可愛らしかった。オルメアは風船をちょんっと弾く。
「花火、間に合ってよかった」
「……あ! な、なんかごめんなさい。こんな、変なところに……」
「変? 全然、どこも変じゃないよ」
オルメアは辺りを見回してからそう答えた。
でも、私としてはとっておきの場所で見て欲しかったのだけれど……。なんだか、勝手に感傷に浸っていたものだから、こんな寂しいところに来てしまった。
「誰もいないから、花火を貸し切っているみたいだ」
「……そう? ありがとう、そう言ってもらえて、嬉しい」
でも、オルメアが笑ってくれるならいいかな。社交辞令でも構わない。
あ、でも……もしかしなくても、私のこと、探してくれたのかな……?
また、胸が小さく跳ねる。こんなところまで、探しに来てくれたんだ。
「普段は、派手な花火しか見たことがないから、こういう場所で見ると、また新鮮だな」
「……ええ、そうね」
オルメアは柵に手をかけ、前のめりになって寄りかかる。たまに見せるそういう無邪気なところに、私の心はまた惹きつけられる。
「ロミィ、誘ってくれてありがとう」
「ううん。いいの」
オルメアこそ、ありがとう。私を見つけてくれて。
言葉にしない気持ちを、私は胸にギュッとしまい込む。
「ロミィ、僕はもうすぐ帰ってしまうけど、また学校でもよろしくな」
「……ええ、勿論。今度こそ、SSを取って見せるんだから。見ていてね」
気持ちが緩んだ私は、大きな宣言をしてみせる。一時のテンションに任せたものだ。浮かれているのだろう。
「ははははっ、それは楽しみだ」
「ふふっ、そうでしょう?」
私とオルメアは、軽快に笑い声をあげる。
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風船は一つしかないけれど、そこには二つの笑い声が響いていた。
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