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9.ツギハギの心
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今夜は花火大会がある。私は、朝起きてからはずっとそのことばかりを考えている。
オルメアを花火に誘ってからというもの、この日を楽しみにしていた。クローゼットを開け、持ってきた服の中から順番にピックアップする。
花火大会は夜だから、あまりに洋服が地味だと見えなくなってしまうだろう。だから、明るい色の洋服を選ぼう。鏡の前で服を合わせながら、私はそんなことを考える。
「とんとーん」
扉を叩く音がゾイアの声とともに聞こえてくる。
「お邪魔しても大丈夫?」
顔だけを扉から覗かせ、ゾイアが微笑む。
「大丈夫だよ。服を選んでいるところだから」
「服選び!? わぁ! 仲間に入れてよ!」
ゾイアは扉を全開にし、部屋の中に飛び込んできた。クローゼットの前まで駆け寄り、ハンガーを掴む。
「花火の服よね? それなら、この白のレースがいいんじゃない? あ、これも素敵ね! そのブラウスは良くないわ、こっちの方がマシ。そうだ、手袋はしていくの?」
矢継ぎ早に喋るゾイアに、私は何も返事ができないまま服だけを受け取る。
「あ! この服、とっても可愛い! いいなぁ」
「ゾイアも着ていいよ」
「本当!? やったぁ」
ゾイアは手に持っていたスカートを抱きしめた。
見繕ってくれた洋服をベッドに並べ、両手を腰に当ててそれらを見下ろす。私の真剣な表情に、ゾイアがくすくすと笑うのが聞こえる。
「どれも素敵よ、ロミィ」
優しくそう言ってくれるけれど、私には自信がなかった。確かに、どの服も素敵。私にも似合うと思う。だけど、以前の夏と違ってこの夏はオルメアに全然会えない。むしろ、エレノアと顔を合わせる方が多い。
エレノアの笑顔が頭に浮かぶと、私はまた自信がなくなる。
彼女はいつも素敵だ。同年代の中では、まさしく理想的。どんな洋服だって似合うし、着こなせてしまいそう。それに、会話をしていてもとても楽しいし、話を聞いて欲しいとすら思ってしまう。
そんな存在が近くにいすぎて、オルメアに会う貴重な瞬間すべてが私にとっては重大イベントに思える。もしかしたら、オルメアはもうエレノアの魅力に気づいているかもしれない。
そうしたら、その心は本物で、もう、何の言い訳もできない。
ズキズキと心が痛んできた。
これは緊張? それとも、自虐?
首をブンブンと横に振り、自分で頬を叩いた。
だめだ。しっかりしないと。
この問答を何回繰り返せば気が済むのか。これには何の意味もない。無駄に自傷するのはやめよう。
「よし!」
私の大きな声に、私のチークを拝借しようと頬に叩いていたゾイアが驚いてむせた。
「ゾイア、これはどうかな?」
そんな妹に、私は最終的なアドバイスを求める。
ゾイアは真剣な表情で頷き、「完璧よ。どこにそんな服を隠していたの?」と、からかってきた。
洋服選びが終わり、私は外に出た。ゾイアは美容院に行くとかで、途中で別れた。
特に目的もなく歩いていると、ボールを弾く軽快な空気の音が聞こえる。きっとテニスだ。そういえばこの近くにはテニスコートがあったはず。私は足をそちらへと向かわせる。
テニスコートに着くと、ちょうど数名が試合をしているようだった。私はテニスをそこまでやったことはない。運動も苦手ではないけれど、汗っかきだから、積極的にはやろうとも思わない。
ぼうっとテニスコートを見ていると、私はあることに気づく。私が見ていた試合は、女性同士の対戦だったのだけれど、片方はエレノアだった。エレノアは日よけのために帽子を被っていたから、目元がよく見えなくてすぐには気が付けなかった。
得点を見ると、エレノアがリードしているのが分かる。
エレノアは本当に何でもできるのね。また、心がチクリと痛む。
対戦相手は知らない人だったけれど、エレノアよりも年上の大学生くらいに見える。そちらもいい動きをしているが、エレノアの方が一枚上手のようだ。
ボールが左右に行き交うので、私はそれを目で追う。残像となって黄色い線が視界に浮かぶ。ずっと追っていると、目が回りそう。私がぎゅっと目をつぶったその時、女性の悲鳴が聞こえた。
「エレノア! 大丈夫!?」
対戦相手の女性の声だった。尻もちをついているエレノアのところまで駆け寄っていくのが見える。目を離した隙に、何が起きたのだろう。私も思わずエレノアのもとへと向かう。
「いたたた……。あ、ごめんなさい。大丈夫ですー!」
女性に対して、エレノアはニコッと笑ってみせる。だけどその前に、顔をしかめていたのを私は見ている。
「エレノア、大丈夫? どうしたの?」
私が駆け寄ると、エレノアは少し驚いたように顔を上げる。
「ロミィ? 大丈夫だよ。ちょっと足をひねっただけ」
「本当? でも……」
足を動かせないでいるエレノアを見て、私は大丈夫じゃないと確信した。心配をかけさせないためにそう言っているだけだ。転んだ拍子に擦りむいた足の傷に血が滲んでくる。
「て、手当しないと……!」
急いで辺りを見回すと、応急処置の道具を持った人がこちらに駆けてくるのが見えた。
「私、ちょっと連絡してくるから!」
対戦相手の女性は、ラケットを置いたままどこかへと走っていく。医療班を呼びに行ったのだと思う。この近くには病院はないから、もし大怪我をしていた場合、ちゃんとした手当はできない。
車で一番近くの病院まで行かないと、しっかりとした診断は下せないだろう。
「ごめんなさい、皆、迷惑をかけてしまって……」
エレノアが申し訳なさそうな顔をするので、私は彼女の背中に手を回す。
「何を言っているの? 誰もそんなこと思わない。遠慮なんてしなくていいの」
「ありがとうロミィ。……いたた」
まだ痛むみたい。それはそうよね。
応急処置の道具がこちらに来ると、スタッフの人が手際よく処置をする。ようやく傷口を洗浄できる。私はハラハラした気持ちでそれを見ていた。
「エレノア、大丈夫か?」
そこに、オルメアがやってきた。ちょうどこれからテニスをしようとしていたらしい。ラケットを手に持って、私たちの前に来る。
「……ひどい怪我じゃないか。骨は?」
「わからない。けど、動かすのが怖くて……すごく痛むから……」
エレノアは弱弱しい笑顔でそう言う。痛みが強くなっているのかもしれない。
「病院に行った方がいいんじゃないかしら」
だから、私はそう提案した。骨が折れているとか、ヒビが入っているとかしているかもしれないから。
「ロミィの言う通りだ。エレノア、無理は良くない」
「……ええ、そうね。……ありがとう、ロミィ」
「いいえ。……あ、でも、今、車って出せるのかしら……?」
私はふと、スタッフの顔を見る。
「申し訳ございません。現在、事務局の方は出払っておりまして……」
「そんな……」
スタッフの人は悪くない。だけど、ついがっかりした顔をしてしまった。
「エレノア、ご家族の方は?」
「今日は、兄の用事で出かけているの……だから、車はないわ……」
「え、そうしたら……」
私が運転する!
本当はそう言いたかった。言えるものなら。
けれども、言えるはずがない。だって、私は免許を取っていないから。
「どうしよう……」
結局、その言葉が出て行く。不甲斐なくて、私は肩を落とした。
「大丈夫だ、ロミィ。僕が送る」
「……え?」
私の肩を優しく叩いてくれたオルメア。優しい笑みで、エレノアに向かってしゃがみこむ。
「僕の家の車なら空いているから、僕が送るよ」
「オルメア、でも、いいの?」
「ああ。早く行ってしまわないとね」
「……あっ!」
オルメアは、動けないエレノアをそっと抱き上げた。まるでお姫様のように。
「ロミィ、君がいてくれて助かった。ありがとう」
「……ううん。いいの。気を付けてね。エレノアをよろしく」
「ああ」
心臓の音が大きくて、私は自分の声が聞こえなかった。
ズキズキズキズキと、容赦なく脈を打つ。
オルメアの微笑みが遠くに行くと、私は貼り付けていた笑顔を解く。途端に、その表情は崩れてしまう。ため息を吐き、私はとぼとぼとコテージへと戻る。
何を落ち込んでいるの。オルメアは、エレノアの怪我を思ってやっていること。そのはずよね。
胸のあたりに手を添えて、私は深呼吸をする。ふと目に入るのは、花火の準備をしているニアたちの姿。明るいうちから、色々確認して準備しないといけないのよね。そういった努力の恩恵を、私たちは受けるだけ。
人々の心を彩るために、今日はこの空に花火が打ちあがる。……そうだ。花火。
病院まで、往復するとどれくらいかかっただろうか。もし道が混んでいたら?
「はぁ……」
別に、後悔なんてしていない。
病院まで行くことを提案したことも、免許を持っていないことも。
だけど、だけど……。
私は、まだ明るい空を見上げる。
絵空事の記憶が、この空の下でも私を戒め続けていく。
オルメアを花火に誘ってからというもの、この日を楽しみにしていた。クローゼットを開け、持ってきた服の中から順番にピックアップする。
花火大会は夜だから、あまりに洋服が地味だと見えなくなってしまうだろう。だから、明るい色の洋服を選ぼう。鏡の前で服を合わせながら、私はそんなことを考える。
「とんとーん」
扉を叩く音がゾイアの声とともに聞こえてくる。
「お邪魔しても大丈夫?」
顔だけを扉から覗かせ、ゾイアが微笑む。
「大丈夫だよ。服を選んでいるところだから」
「服選び!? わぁ! 仲間に入れてよ!」
ゾイアは扉を全開にし、部屋の中に飛び込んできた。クローゼットの前まで駆け寄り、ハンガーを掴む。
「花火の服よね? それなら、この白のレースがいいんじゃない? あ、これも素敵ね! そのブラウスは良くないわ、こっちの方がマシ。そうだ、手袋はしていくの?」
矢継ぎ早に喋るゾイアに、私は何も返事ができないまま服だけを受け取る。
「あ! この服、とっても可愛い! いいなぁ」
「ゾイアも着ていいよ」
「本当!? やったぁ」
ゾイアは手に持っていたスカートを抱きしめた。
見繕ってくれた洋服をベッドに並べ、両手を腰に当ててそれらを見下ろす。私の真剣な表情に、ゾイアがくすくすと笑うのが聞こえる。
「どれも素敵よ、ロミィ」
優しくそう言ってくれるけれど、私には自信がなかった。確かに、どの服も素敵。私にも似合うと思う。だけど、以前の夏と違ってこの夏はオルメアに全然会えない。むしろ、エレノアと顔を合わせる方が多い。
エレノアの笑顔が頭に浮かぶと、私はまた自信がなくなる。
彼女はいつも素敵だ。同年代の中では、まさしく理想的。どんな洋服だって似合うし、着こなせてしまいそう。それに、会話をしていてもとても楽しいし、話を聞いて欲しいとすら思ってしまう。
そんな存在が近くにいすぎて、オルメアに会う貴重な瞬間すべてが私にとっては重大イベントに思える。もしかしたら、オルメアはもうエレノアの魅力に気づいているかもしれない。
そうしたら、その心は本物で、もう、何の言い訳もできない。
ズキズキと心が痛んできた。
これは緊張? それとも、自虐?
首をブンブンと横に振り、自分で頬を叩いた。
だめだ。しっかりしないと。
この問答を何回繰り返せば気が済むのか。これには何の意味もない。無駄に自傷するのはやめよう。
「よし!」
私の大きな声に、私のチークを拝借しようと頬に叩いていたゾイアが驚いてむせた。
「ゾイア、これはどうかな?」
そんな妹に、私は最終的なアドバイスを求める。
ゾイアは真剣な表情で頷き、「完璧よ。どこにそんな服を隠していたの?」と、からかってきた。
洋服選びが終わり、私は外に出た。ゾイアは美容院に行くとかで、途中で別れた。
特に目的もなく歩いていると、ボールを弾く軽快な空気の音が聞こえる。きっとテニスだ。そういえばこの近くにはテニスコートがあったはず。私は足をそちらへと向かわせる。
テニスコートに着くと、ちょうど数名が試合をしているようだった。私はテニスをそこまでやったことはない。運動も苦手ではないけれど、汗っかきだから、積極的にはやろうとも思わない。
ぼうっとテニスコートを見ていると、私はあることに気づく。私が見ていた試合は、女性同士の対戦だったのだけれど、片方はエレノアだった。エレノアは日よけのために帽子を被っていたから、目元がよく見えなくてすぐには気が付けなかった。
得点を見ると、エレノアがリードしているのが分かる。
エレノアは本当に何でもできるのね。また、心がチクリと痛む。
対戦相手は知らない人だったけれど、エレノアよりも年上の大学生くらいに見える。そちらもいい動きをしているが、エレノアの方が一枚上手のようだ。
ボールが左右に行き交うので、私はそれを目で追う。残像となって黄色い線が視界に浮かぶ。ずっと追っていると、目が回りそう。私がぎゅっと目をつぶったその時、女性の悲鳴が聞こえた。
「エレノア! 大丈夫!?」
対戦相手の女性の声だった。尻もちをついているエレノアのところまで駆け寄っていくのが見える。目を離した隙に、何が起きたのだろう。私も思わずエレノアのもとへと向かう。
「いたたた……。あ、ごめんなさい。大丈夫ですー!」
女性に対して、エレノアはニコッと笑ってみせる。だけどその前に、顔をしかめていたのを私は見ている。
「エレノア、大丈夫? どうしたの?」
私が駆け寄ると、エレノアは少し驚いたように顔を上げる。
「ロミィ? 大丈夫だよ。ちょっと足をひねっただけ」
「本当? でも……」
足を動かせないでいるエレノアを見て、私は大丈夫じゃないと確信した。心配をかけさせないためにそう言っているだけだ。転んだ拍子に擦りむいた足の傷に血が滲んでくる。
「て、手当しないと……!」
急いで辺りを見回すと、応急処置の道具を持った人がこちらに駆けてくるのが見えた。
「私、ちょっと連絡してくるから!」
対戦相手の女性は、ラケットを置いたままどこかへと走っていく。医療班を呼びに行ったのだと思う。この近くには病院はないから、もし大怪我をしていた場合、ちゃんとした手当はできない。
車で一番近くの病院まで行かないと、しっかりとした診断は下せないだろう。
「ごめんなさい、皆、迷惑をかけてしまって……」
エレノアが申し訳なさそうな顔をするので、私は彼女の背中に手を回す。
「何を言っているの? 誰もそんなこと思わない。遠慮なんてしなくていいの」
「ありがとうロミィ。……いたた」
まだ痛むみたい。それはそうよね。
応急処置の道具がこちらに来ると、スタッフの人が手際よく処置をする。ようやく傷口を洗浄できる。私はハラハラした気持ちでそれを見ていた。
「エレノア、大丈夫か?」
そこに、オルメアがやってきた。ちょうどこれからテニスをしようとしていたらしい。ラケットを手に持って、私たちの前に来る。
「……ひどい怪我じゃないか。骨は?」
「わからない。けど、動かすのが怖くて……すごく痛むから……」
エレノアは弱弱しい笑顔でそう言う。痛みが強くなっているのかもしれない。
「病院に行った方がいいんじゃないかしら」
だから、私はそう提案した。骨が折れているとか、ヒビが入っているとかしているかもしれないから。
「ロミィの言う通りだ。エレノア、無理は良くない」
「……ええ、そうね。……ありがとう、ロミィ」
「いいえ。……あ、でも、今、車って出せるのかしら……?」
私はふと、スタッフの顔を見る。
「申し訳ございません。現在、事務局の方は出払っておりまして……」
「そんな……」
スタッフの人は悪くない。だけど、ついがっかりした顔をしてしまった。
「エレノア、ご家族の方は?」
「今日は、兄の用事で出かけているの……だから、車はないわ……」
「え、そうしたら……」
私が運転する!
本当はそう言いたかった。言えるものなら。
けれども、言えるはずがない。だって、私は免許を取っていないから。
「どうしよう……」
結局、その言葉が出て行く。不甲斐なくて、私は肩を落とした。
「大丈夫だ、ロミィ。僕が送る」
「……え?」
私の肩を優しく叩いてくれたオルメア。優しい笑みで、エレノアに向かってしゃがみこむ。
「僕の家の車なら空いているから、僕が送るよ」
「オルメア、でも、いいの?」
「ああ。早く行ってしまわないとね」
「……あっ!」
オルメアは、動けないエレノアをそっと抱き上げた。まるでお姫様のように。
「ロミィ、君がいてくれて助かった。ありがとう」
「……ううん。いいの。気を付けてね。エレノアをよろしく」
「ああ」
心臓の音が大きくて、私は自分の声が聞こえなかった。
ズキズキズキズキと、容赦なく脈を打つ。
オルメアの微笑みが遠くに行くと、私は貼り付けていた笑顔を解く。途端に、その表情は崩れてしまう。ため息を吐き、私はとぼとぼとコテージへと戻る。
何を落ち込んでいるの。オルメアは、エレノアの怪我を思ってやっていること。そのはずよね。
胸のあたりに手を添えて、私は深呼吸をする。ふと目に入るのは、花火の準備をしているニアたちの姿。明るいうちから、色々確認して準備しないといけないのよね。そういった努力の恩恵を、私たちは受けるだけ。
人々の心を彩るために、今日はこの空に花火が打ちあがる。……そうだ。花火。
病院まで、往復するとどれくらいかかっただろうか。もし道が混んでいたら?
「はぁ……」
別に、後悔なんてしていない。
病院まで行くことを提案したことも、免許を持っていないことも。
だけど、だけど……。
私は、まだ明るい空を見上げる。
絵空事の記憶が、この空の下でも私を戒め続けていく。
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