ギルティ・ショック ～ぼっちな高校生はデスゲームでハーレムなひと時を～

９ side アテーレ

私は雨重五月雨（あめしげさみだれ）。

プレイヤーネームは《アテーレ》。


仕事の合間にやろうと思って始めたゲームでしたが、

まさか閉じ込められて、命懸けで戦わされるなんて、思ってもいませんでした。


そんな時です。


キャラメイクが終わって広場に転送された時、ッ一人の男の子が目に入りました。


虫さんのコスプレ（？）をしていてとても可愛らしい男の子でした。

たまに背中から尻尾みたいに伸びる虫の腹部もひくひく動いていて、何やら警戒しているご様子。


とにかく可愛くて、きゅんきゅんして…………ついついストーキングしたくなってしまいました。

だって仕方ないでしょう？

可愛いは正義なのです。


そしてその可愛いを陰でそっと守って愛でるのも正義なのです。

つまり義は私にあるのです……！


男の子は他の人が広場に留まってる中、一人盗賊ギルドに行って受付のおじさんとお話していました。


行動力があって可愛らしいです♡


ああ、私が受付嬢になればお話出来るのでしょうか……？

いいえ、それよりも同じギルドのメンバーとして手取り足取り、全身隈なく教えて差し上げた方がいいでしょう。

私ったらなんて頭いいんでしょう……！


『ぼ、僕……怖いんだ……』

『大丈夫よ、お姉さんが守ってあげるから（キリッ』

『アテーレさんっっっ！』


――――なんてなったりして～！


……これは、いいです。イイものです。


思い立ったが吉日、私も早急に盗賊ギルドに登録し、ストーキングを再開することにしました。


受付のおじさんが何か言ってましたけど……どうでもいい事です！


登録している間に見失ってしまいましたが、ちょうど宿屋さんから出て来る所を見つけました。

ラッキーです……えへへ。


男の子はギルドに行って、街中を少しぶらぶらして、それから外に出ました。

”隠密”スキルを取っておいて正解でした。

今の所バレている様子はありません。


この街は渓谷の崖に出来た大きなくぼみの中に作られました。

その為、別の街に行くには洞窟の中を通る必要があります。


さっそく後を追って洞窟の中に入ると、”ネバネバする何か”が飛んで来たり、道に張ってあった”でっかいクモの糸”に引っ掛かってしまったりと散々な目に遭ってしまいました……。

一体この洞窟にはどんな魔物が居ると言うのでしょうか……。


でもそういうピンチを助けてこそ、私の株が上がるという物です！

多少見失いましたが、スキルの補助を使って何とかまた見つける事が出来ました。


……ってあれ？


あの子、私以外にも付けられてる…………？