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第拾弐話〜まさかの事実〜

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「あぁ!!居た!この人だよね!?」
そこには"期待の新人アイドル!天楽 龍之介"
とデカデカとした見出しと
男の俺でも見惚れてしまうイケメンが写っていた

「あ、はい、それ自分です」そう言いながら頬を赤らめているが
ん?同一人物!?
未だに状況は読めなかった
目の前にいる龍造君と雑誌の龍之介はあまりにも
印象の違いがありすぎた


あやのはすぐ様に龍造くんを質問攻め
知っていたのは歩夢は苦笑い
俺は別世界の入り口に立っている


「ん?てか、アイドルなんだよな?なんであんな時間にあんなところいたんだ??」
そう、今知った事実ではあるが
本物であるならわざわざあんな事しなくてもという疑問

「自分憧れの人がいてその人はアイドルなんでよ
 それで頑張ってたら事務所に抜擢されちゃって…」
そのまま夜で出会ったきっかけを聞いてみると
元々絵を書くのが好きだったらしく
でもいま現状の自分の立場だと表に出せないから
招待を明かさずにたまにああしていたらしい


それにしても……才能ありすぎだろ
歌や演技は駆け出しらしいがどれも人を引きつけるらしく
バラエティーにも積極的に出ているらしい
そしてこの絵だ
俺はこれに惹き付けられた
この絵だけじゃなくどれもだが
それは真似できるものじゃないと思った

「まあ、事情はわかったけど
 危ねえからもうやめとけ?」
アイドルだからとかじゃなく
一般学生と考えてもあんな時間にふらついたりするもんじゃない
ただ絵を見てほしいって思いは俺もわかる
なので


ーー数時間後ーー


店を一時休憩にし
せこせこと棚を作っていた

俺らは少し広めのスペースで余ってたところに龍造の絵を置けるコーナーを
いろんな人が見れて時間関係なく気にいれば買ってもらえる
そんなコーナーだ(密かに俺が作ってるもんもおいてるけど)


「蒼汰さん!あやのさん!歩夢くん!
 ありがとうございます!!」
うん、かわいい子にお礼言われるのは悪くないな
なんて思いつつ
俺らも絵のことをいろんな人に見てほしいという思いもあったから
お礼なんていらなかった
俺が気に入った絵同様他の絵も
好いた人たちの手に渡ってほしかった


「あぁ!?やべ、作るの夢中で店閉めたまんまだった!!!」
慌てて俺とあやのは店の支度をし始めた
ドタバタしながらも
残した二人を見ると
知り合いから友人に変わるくらいに打ち解けていた

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