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第拾壱話〜今更だけど...え!?〜

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さて、朝食や他の客の対応をしていて
気づけばあれから四時間経っているのだが…
「未だ起きねえな その人」
流石にあやのも呆れてはいたが
流石に叩き起こすには……
可哀想とも思える寝顔をされていて俺らも困る


ーーチリンチリンーー


「蒼汰さん、あやのさん
 また勉強するのにお邪魔しますね」
やってきたのは歩夢一人だった
最近課題が多いらしく家に帰ると
妹に押し負けるから避難している
「そろそろガツンっと言ったらどうだ?」
なんて言ったこともあったが
可愛いは"正義"と言う事で駄目らしい


「あれ、珍しい人来てますね?」
どうやら幸せな笑みを浮かべて眠ってるこの人と歩夢は知り合いらしく
同じ大学の生徒で有名人らしい

そんな話していれば本人は大きなあくびをしながら目を覚した
「あ、俺寝ちゃったのか…すみません」
畏まりながらも消えることのない眩しい光は俺らに放たれた

いや、ホントなんだこの光
グラサンでもかけたいくらいなんだけど…
「あーそういやどうだった料理の方?
 割と満足げでいたけど」
こんなんでも一応料理人客が満足してなきゃ
不甲斐ない自分をまた鍛え上げなきゃいけない
と思っていたが

「とても美味しかったですよ!
 お母さんの味っていうのかな?
 優しくって温かくて僕はとても好きです!」



うん、なんか気になる単語あったけどスルーしておこう



「プッ…おか、お母さんみたいだって」
存分に吹き出したのはあやのだった
まあ、いじらないわけ無いですよねわかってました
わかってたけどこいつあとで締める
歩夢も我慢はしてるみてーだけど
肩が笑ってるんだよなコイツ…
と心ん中で思いつつ
合格がもらえたのでひとまず置いておこう


「あーそういやだいぶ寝ちまった見てーだけど大事なのか?
 おま、じゃなくて………あれ、そういや名前聞いたっけ?」
長い沈黙が起きる
ここまでの流れがあって誰もお互いの名前を出してない
ことにみんなして気づいた

「あ、えっと…自分は蘭香 龍造らんか りゅうぞうっていいます」
自己紹介しながらもはにかんだところがかわいらしくも...
いや、相手男だし!?いや、男とか関係ないけど
そうじゃなくて


「あれ?どっかで名前聞いたことある気がするんだけど」
そういって近くにあった雑誌をあやのはめくり始めた
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