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第一部 第三章 動き出す歯車
第二十二話 異変の始まり
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時間は少し遡り、世界が鳴動した時より少し前。
イリアはシャノン、シェリル、リシアと王都の散策へ出ていた。
特に何か予定があった訳ではなく、気分転換を兼ねてのお出掛けだ。
商店街の区画までは馬車で出て、服飾店が立ち並ぶ通りを歩き、おしゃべりをしながら街を眺めてのんびりと。
そうしてあてもなく歩き、北西の城門付近まで来たところでちょうどいい喫茶店を見つけたので、路上に面したテラス席で休憩を兼ねてお茶をする事にした。
テーブルの上にはそれぞれが頼んだ飲み物とスイーツが並び、話に花を咲かせる。
「ところでイリアさん。お兄様とはその後いかがですか?」
「な……! い、いかがって何が!?」
他愛のない話をしていたのに、シェリルから脈絡もなく話題を振られて、イリアは危うく手に持ったティーカップを落としそうになった。
ウェーブの掛かったふわふわの長い桃色の髪に、大きな紅の瞳を瞬かせたシェリルが、可愛らしい笑顔でこちらを見ている。
「ダメよ、シェリル。そんな野暮な事聞いちゃ。見てればわかるでしょ? 何の進展もしてないわよ」
左手に座るシャノン——シェリルと同じ容姿の、髪をハーフアップにまとめた少女が諫めるように言い放った。
二人の服装は 白を基調とした布地に赤と金のラインの軍服を纏い、腰には銀の剣を帯剣している。
喫茶店にはちょっと不釣り合いな格好だなと思うが、自分の護衛も兼ねているので仕方がないだろう。
「見事に団長さんを避けてますよね」
右手のリシアが空笑いを浮かべて言った。
彼女の服装もいつもの純白の祭服。
亜麻色のボブ調の髪に漆黒の瞳が良く映える色だ。
三人の視線はじっとこちらを見つめている。
その後、とは。
あの日の出来事を指しているのだろう。
今でも鮮明に蘇る記憶と感触——。
イリアは思い出して、鼓動が早まり、顔が熱で茹で上がって行くのを感じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それはルーカスさんが誤って飲酒をして、帰って来た日のこと。
ルーカスさんはロベルトさんの肩を借りて、邸宅へと戻って来た。
ロベルトさんは特務部隊の副団長さんなのだとか。
とても落ち着きがあって琥珀色の髪をルーカスさんと同じ髪型に纏めた背の高い人だった。
ルーカスさんの帰宅時に、私はたまたま玄関ホールへ居合わせ、ぐったりとした彼さんの様子に具合が悪いのかと思って慌てて駆け寄った。
間違ってお酒を摂取して、眠っていただけなのだけど、そんな事情がある事は知らなくて。
ロベルトさんは困ったように青翠玉色の瞳を細めて笑ってみせた。
私がルーカスさんの名を呼んで「大丈夫ですか?」と問い掛けると、ピクリと反応を示し、ゆっくりと伏せられた顔が持ち上がる。
その瞼が開くと柘榴石のように紅く、微睡んだ瞳が私を捉えて、細められた。
そしてルーカスさんの大きな手が優しく撫でるように頬へと触れて——。
普段の彼ならしない行動に、驚いて身動きが出来なかった。
視線を逸らせずに、頬が熱くなるのを感じながら「ルーカスさん?」と呼びかけると。
引き結ばれた形の良い唇の口角が上がって、彼は柔らかな笑みを浮かべた。
(とても幸せそうな、笑顔だった……)
今まで見た、どこか遠慮しがちの笑みとは全然違う。
純粋に喜びを表して笑う彼は、その整った容姿も相まって綺麗だった。
思わず見とれてしまって、目が離せずにいるとルーカスさんは笑顔を保って呟いた。
「可愛い」——と。
多分その時、私は間の抜けた声を出していたと思う。
狼狽えて何が起きているのか考えているうちに、仄かにお酒の匂いが香って、ルーカスさんの腕が背に回り。
気付いた時にはぎゅっと全身を抱き込まれていた。
少し硬くて温かな胸の感触。
トクントクンと伝わる鼓動。
彼の腕に抱きしめられてるとわかって、一気に頬が熱くなり、心臓の鼓動が早まる。
言われた言葉と、笑顔と、行動の意味を考えて、混乱した。
顔が熱くて、思考がぐるぐるして、自分の心臓の音がドクドクと煩く響いていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
——正直、どうやってあの腕から逃れたのかあまり覚えていない。
皆が引き離してくれたのだと思うけど、思考に手一杯でそれどころじゃなかった。
あれは全部お酒に酔ったせい。
だから、彼は何があったのか覚えていなかった。
(でも私は……)
彼を見る度に、あの笑顔と感触を思い出してしまって。
ドキドキと胸が苦しくなって。
まともに顔を見られなくて、あれ以来、不自然に彼を避けてしまっていた。
(だって、どうしたらいいかわからない。こんな気持ち、知らない)
一緒に居たくても、気恥ずかしくて顔を合わせられない。
それなのに会えないと寂しいだなんて、矛盾してる。
自分が今までどうやって彼と接していたのか、思い出せない。
(でも、わかってる。
このまま避けて、ギクシャクしたままなのは良くないって)
結局、夜の祭典へ出掛けた時に出会った、私を「姉さん」と呼んだ彼の事も聞けていない。
そうでなくても——他愛のない事でも前みたいに話したいと思うのに。
「どうしたらいいのかな……」
イリアは呟いて、ルーカスにプレゼントしてもらったブレスレットの光る左手でひさしを作り、答えを探すように空を見上げた。
綿を引き延ばしたような雲と、澄み渡る青色で描かれた空。
今日も空は綺麗だった。
しかし——その空模様は一瞬にして変化する。
空がゆらゆらと揺らめいた。
まるで陽炎のような現象に、錯覚かと思ってイリアは瞬きをする。
次に瞼を開いたとき、飛び込んで来た空の色は——血のように赤く、闇夜を思わせる黒が混じって、混沌と赤黒く変色していた。
「——え?」
見間違えかと思って何度も瞬きを繰り返す。
陽が沈む時間に見られる、夕闇の光景に似ていたが、周囲は明るいまま。
空だけが異様な変化を見せていた。
イリアはシャノン、シェリル、リシアと王都の散策へ出ていた。
特に何か予定があった訳ではなく、気分転換を兼ねてのお出掛けだ。
商店街の区画までは馬車で出て、服飾店が立ち並ぶ通りを歩き、おしゃべりをしながら街を眺めてのんびりと。
そうしてあてもなく歩き、北西の城門付近まで来たところでちょうどいい喫茶店を見つけたので、路上に面したテラス席で休憩を兼ねてお茶をする事にした。
テーブルの上にはそれぞれが頼んだ飲み物とスイーツが並び、話に花を咲かせる。
「ところでイリアさん。お兄様とはその後いかがですか?」
「な……! い、いかがって何が!?」
他愛のない話をしていたのに、シェリルから脈絡もなく話題を振られて、イリアは危うく手に持ったティーカップを落としそうになった。
ウェーブの掛かったふわふわの長い桃色の髪に、大きな紅の瞳を瞬かせたシェリルが、可愛らしい笑顔でこちらを見ている。
「ダメよ、シェリル。そんな野暮な事聞いちゃ。見てればわかるでしょ? 何の進展もしてないわよ」
左手に座るシャノン——シェリルと同じ容姿の、髪をハーフアップにまとめた少女が諫めるように言い放った。
二人の服装は 白を基調とした布地に赤と金のラインの軍服を纏い、腰には銀の剣を帯剣している。
喫茶店にはちょっと不釣り合いな格好だなと思うが、自分の護衛も兼ねているので仕方がないだろう。
「見事に団長さんを避けてますよね」
右手のリシアが空笑いを浮かべて言った。
彼女の服装もいつもの純白の祭服。
亜麻色のボブ調の髪に漆黒の瞳が良く映える色だ。
三人の視線はじっとこちらを見つめている。
その後、とは。
あの日の出来事を指しているのだろう。
今でも鮮明に蘇る記憶と感触——。
イリアは思い出して、鼓動が早まり、顔が熱で茹で上がって行くのを感じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それはルーカスさんが誤って飲酒をして、帰って来た日のこと。
ルーカスさんはロベルトさんの肩を借りて、邸宅へと戻って来た。
ロベルトさんは特務部隊の副団長さんなのだとか。
とても落ち着きがあって琥珀色の髪をルーカスさんと同じ髪型に纏めた背の高い人だった。
ルーカスさんの帰宅時に、私はたまたま玄関ホールへ居合わせ、ぐったりとした彼さんの様子に具合が悪いのかと思って慌てて駆け寄った。
間違ってお酒を摂取して、眠っていただけなのだけど、そんな事情がある事は知らなくて。
ロベルトさんは困ったように青翠玉色の瞳を細めて笑ってみせた。
私がルーカスさんの名を呼んで「大丈夫ですか?」と問い掛けると、ピクリと反応を示し、ゆっくりと伏せられた顔が持ち上がる。
その瞼が開くと柘榴石のように紅く、微睡んだ瞳が私を捉えて、細められた。
そしてルーカスさんの大きな手が優しく撫でるように頬へと触れて——。
普段の彼ならしない行動に、驚いて身動きが出来なかった。
視線を逸らせずに、頬が熱くなるのを感じながら「ルーカスさん?」と呼びかけると。
引き結ばれた形の良い唇の口角が上がって、彼は柔らかな笑みを浮かべた。
(とても幸せそうな、笑顔だった……)
今まで見た、どこか遠慮しがちの笑みとは全然違う。
純粋に喜びを表して笑う彼は、その整った容姿も相まって綺麗だった。
思わず見とれてしまって、目が離せずにいるとルーカスさんは笑顔を保って呟いた。
「可愛い」——と。
多分その時、私は間の抜けた声を出していたと思う。
狼狽えて何が起きているのか考えているうちに、仄かにお酒の匂いが香って、ルーカスさんの腕が背に回り。
気付いた時にはぎゅっと全身を抱き込まれていた。
少し硬くて温かな胸の感触。
トクントクンと伝わる鼓動。
彼の腕に抱きしめられてるとわかって、一気に頬が熱くなり、心臓の鼓動が早まる。
言われた言葉と、笑顔と、行動の意味を考えて、混乱した。
顔が熱くて、思考がぐるぐるして、自分の心臓の音がドクドクと煩く響いていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
——正直、どうやってあの腕から逃れたのかあまり覚えていない。
皆が引き離してくれたのだと思うけど、思考に手一杯でそれどころじゃなかった。
あれは全部お酒に酔ったせい。
だから、彼は何があったのか覚えていなかった。
(でも私は……)
彼を見る度に、あの笑顔と感触を思い出してしまって。
ドキドキと胸が苦しくなって。
まともに顔を見られなくて、あれ以来、不自然に彼を避けてしまっていた。
(だって、どうしたらいいかわからない。こんな気持ち、知らない)
一緒に居たくても、気恥ずかしくて顔を合わせられない。
それなのに会えないと寂しいだなんて、矛盾してる。
自分が今までどうやって彼と接していたのか、思い出せない。
(でも、わかってる。
このまま避けて、ギクシャクしたままなのは良くないって)
結局、夜の祭典へ出掛けた時に出会った、私を「姉さん」と呼んだ彼の事も聞けていない。
そうでなくても——他愛のない事でも前みたいに話したいと思うのに。
「どうしたらいいのかな……」
イリアは呟いて、ルーカスにプレゼントしてもらったブレスレットの光る左手でひさしを作り、答えを探すように空を見上げた。
綿を引き延ばしたような雲と、澄み渡る青色で描かれた空。
今日も空は綺麗だった。
しかし——その空模様は一瞬にして変化する。
空がゆらゆらと揺らめいた。
まるで陽炎のような現象に、錯覚かと思ってイリアは瞬きをする。
次に瞼を開いたとき、飛び込んで来た空の色は——血のように赤く、闇夜を思わせる黒が混じって、混沌と赤黒く変色していた。
「——え?」
見間違えかと思って何度も瞬きを繰り返す。
陽が沈む時間に見られる、夕闇の光景に似ていたが、周囲は明るいまま。
空だけが異様な変化を見せていた。
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