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【番外編・カイルとの恋愛エンディング】
02 お友達のその先は?
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カイルがドラゴンの死骸をたった一人で『この世から消滅させる』という、強大な力を見せつけたことにより、この国の勢力図は一変した。
そんなことをまったく気にせず、今日もカイルは元気いっぱいに、神殿にあるメアリーの部屋を訪ねてきた。
「メアリーさーん!」
パティによく似た可愛らしい顔に、ニコニコと明るい笑顔を浮かべている。
「おはよう、カイルくん」
ドラゴンがいなくなったおかげで、もう聖女も聖女候補もいらなかったが、『カイルのお気に入り』ということで、神殿側からメアリーに「どうか神殿に残ってください!」と必死にお願いされていた。
(王族も神殿もカイルを必死に取り込もうとしているけど、本人はまったく興味がないのよね……)
そして、毎日、嬉しそうに『お友達』のメアリーに会いに来る。
カイルは紫色の綺麗な瞳をキラキラさせながら、「今日は、広場に遊びに行きませんか?」と聞いてきた。
「姉ちゃんが、『友達と行ったら楽しい場所』をいろいろ教えてくれて!」
右手に持っている紙を嬉しそうに上下に振っている。
(何だろう、この可愛い生き物は)
カイルは、パティの姿に変身しているときから可愛かったが、本当の姿のカイルも、パッと見、美少女と間違えてしまうほど可愛らしい。
(カイルくんのおかげで、私の周りは本当に平和だわ……)
カイルの怒りを買うことを恐れて、カイルのお気に入りのメアリーを無理やり利用しようとする者は一切いなくなった。今や、大神官やハロルド王子ですら、メアリーに敬意を払うようになっていた。
(カイルくんには感謝してもしきれないわ)
カイルはワクワクしながら、メアリーの返事を待っている。答えはもちろん決まっていた。
「誘ってくれてありがとう。嬉しいわ」
メアリーが微笑みかけると、カイルの頬はほんのりと赤く染まる。
「じゃあ、行きましょう!」
カイルは元気よく、こちらに向かって両手を広げた。
「カイルくん、もしかして……」
「はい、いつものように、俺がかついでいきます! 馬車よりもこっちの方が早いんで。よっと」
メアリーの返事を待たず、カイルは軽々とメアリーの身体を抱きかかえた。カイルは、その小柄な身体からは想像ができないほど力が強い。
(カイルくん、これはかついでいるんじゃなくて、お姫様抱っこをしてるって言うんだよ)
心の声をそっとしまい、メアリーはカイルの胸元の服をきゅっと握った。本当なら、カイルの首に腕を巻き付けて安全を確保したいところだが、『お友達』として、そこまで密着するのはどうかなと思ってしまう。
「メアリーさん、危ないので、目をつぶって口を閉じててくださいね!」
言われるがままに目をつぶり、口を閉じると浮遊感がした。メアリーがしばらく目をつぶっていると、「はい、着きましたよ」と声をかけられた。
目を開くと、カイルは丁寧に地面に下ろしてくれる。そこは前にエイベルが連れて来てくれた広場だった。
(ああ、広場ってここなのね。前にエイベルと来たことがあるわ)
メアリーがキョロキョロと辺りを見回している間、カイルは側でパティがくれたというメモを一生懸命に見ていた。そして、「こっちに、女性に大人気の雑貨屋があるらしいです」と左側を指さす。
「え? カイルくん、雑貨に興味があるの?」
カイルは左右に首を振った。
「いえ、でも、俺、メアリーさんと行きたいです」
(どうして?)
よく分からないが、カイルがそういうなら付き合おうと並んで歩き出した。
チラッとカイルが持ってるメモを覗き込むと、丸っこく可愛らしい字で『おススメ<デート>スポット』と書かれてあった。そして、デートの部分は後から塗りつぶしたのか荒く消されている。
(いや、パティ、私と遊びに行くカイルくんに、デートスポットを紹介してどうするの!?)
真剣な表情のカイルは、パティに騙されていることに気が付いていないようだ。
(……まぁ、カイルくんがそこに行きたいなら、それでいっか)
メモのことは見なかったことにして、カイルと二人で可愛らしい外見の雑貨店に入った。『女性に大人気』ということで、お店の中は若い女性や、幸せそうなカップルで溢れている。
カイルが小声で「うわ」と呟いたので、メアリーは「大丈夫?」と声をかけた。
「だ、大丈夫です! メアリーさんは、どういうのが好きですか!?」
必死にそう聞かれたので、店内を見回すと、隅っこに可愛らしいピンクのウサギのぬいぐるみを見つけた。
「これ可愛い!」
「え? アクセサリーとかじゃなくて、メアリーさん、こういうのが好きなんですか?」
驚くカイルに、「うん、だってこれ、すっごくカイルくんっぽいもん!」と言いながらぬいぐるみを手に取る。
「ほらほら、ピンクの毛並みがカイルくんの髪と同じだし、瞳の色まで一緒だよ! かわいいー!」
「俺、ウサギっぽい……?」
カイルは、ダメージを受けたように肩を落とした。
「あ、ごめんね。カイルくん、男の子なのに。かわいいって言われても嬉しくないよね」
「い、いえ、大丈夫です……」
少しも大丈夫そうに見えないカイルは、ふらつきながらもメアリーが持っていたぬいぐるみをそっと手に取った。そして、「欲しいのはこれだけですか?」と聞いてくる。
「え? もしかして、買ってくれるの?」
「はい」
(うーん、お友達に物を買ってもらっていいのかしら? 男友達との距離感って難しいわね)
メアリーが「えっと、じゃあ、お願いします?」と伝えると、嬉しそうに「はい!」という元気なお返事が返ってきた。
(どう見ても、女性として好かれているようにしか思えないけど、カイルくんに『お友達』って言われているんだから、私は『お友達』でいいのよね?)
正確には『お友達<から>』と言われたので、カイルの気が変わると、この関係はお友達ではなくなるのかもしれない。でも、一生、お友達のままかもしれない。
(まぁ、これはカイルくんに保護してもらっているような存在の私が考えることではないわね。私にできることは、カイルくんが自分自身の気持ちに気がつくまで『お友達』でいることね)
そんなことを考えている間に、カイルはレジで会計を済ませて戻ってきた。
「はい、どうぞ」と渡されたぬいぐるみは、綺麗にラッピングされ赤いリボンがついている。
「カイルくん、ありがとう。今日からずっと、この子と一緒に寝るね」
メアリーが微笑みかけると、カイルはカァと頬を赤く染めた。そして、「ぬいぐるみと一緒に寝るって、クソ可愛いかよ!」と何かをかみ殺すように小さな声が漏れ聞こえる。
「カイルくん?」
「はっ!? ……あ、その、メアリーさんに喜んでもらえて、良かったです」
(えっと……今のは聞かなかったことにすればいいのかな?)
照れて視線を逸らすカイルが可愛らしい。カイルの長いまつ毛が、赤く染まった頬に影を作っていた。
(はぁ、美少年はいくら見ても飽きないわぁ)
カイルに恋愛感情を持っているかと言われると良く分からない。ただ、カイルの側はとても安全で安心できる。
雑貨屋から出ると、カイルが急に右手をこちらに差し出した。
「メアリーさん! その……」
カイルの赤い頬がさらに赤く染まっていく。
「手、繋ぎませんか?」
「え?」
メアリーが首をかしげると、カイルは「いや、と、友達! 友達でも、手くらい繋ぎますよね!?」と慌てふためている。
(どうだろう……)
カイルの『お友達』の定義がよく分からない。
(私はカイルくんに、今すぐ恋人になろうと言われても、断るつもりはないけど)
カイルに助けてもらった命、カイルに与えてもらった平穏なので、できることは全てカイルにしてあげるつもりだった。
カイルは「い、嫌だったらいいんです! その、メアリーさんの気持ちも考えずに早まりました……」と肩を落とした。
(あ、これは……)
今までメアリーは、カイルは『お友達と恋人の違いが、まだ分かっていない』と思っていた。だから、その答えが分かるまで待ってあげようと思っていた。
(もしかして、待ってもらっているのは私の方?)
その考えを裏付けるように、カイルは「俺達はゆっくり少しずつ、仲良くなって行きましょう」と微笑んだ。
(そっか、カイルくんは、私からの恩返しじゃなくて、私が心からカイルくんのことを好きになれるように、今、頑張ってくれていたんだ。だから、『お友達<から>』だったのね)
目の前の美少年は、実は誰よりも心が広く男らしいのかもしれない。メアリーは隣を歩くカイルの右手をそっと握った。
「カイルくん、カッコいいね」
メアリーは自然と口元が緩み、気が付けばそう言っていた。カイルは、恥ずかしそうに左腕で顔を隠している。腕の隙間から見えるカイルの耳は真っ赤に染まっていた。
そんなことをまったく気にせず、今日もカイルは元気いっぱいに、神殿にあるメアリーの部屋を訪ねてきた。
「メアリーさーん!」
パティによく似た可愛らしい顔に、ニコニコと明るい笑顔を浮かべている。
「おはよう、カイルくん」
ドラゴンがいなくなったおかげで、もう聖女も聖女候補もいらなかったが、『カイルのお気に入り』ということで、神殿側からメアリーに「どうか神殿に残ってください!」と必死にお願いされていた。
(王族も神殿もカイルを必死に取り込もうとしているけど、本人はまったく興味がないのよね……)
そして、毎日、嬉しそうに『お友達』のメアリーに会いに来る。
カイルは紫色の綺麗な瞳をキラキラさせながら、「今日は、広場に遊びに行きませんか?」と聞いてきた。
「姉ちゃんが、『友達と行ったら楽しい場所』をいろいろ教えてくれて!」
右手に持っている紙を嬉しそうに上下に振っている。
(何だろう、この可愛い生き物は)
カイルは、パティの姿に変身しているときから可愛かったが、本当の姿のカイルも、パッと見、美少女と間違えてしまうほど可愛らしい。
(カイルくんのおかげで、私の周りは本当に平和だわ……)
カイルの怒りを買うことを恐れて、カイルのお気に入りのメアリーを無理やり利用しようとする者は一切いなくなった。今や、大神官やハロルド王子ですら、メアリーに敬意を払うようになっていた。
(カイルくんには感謝してもしきれないわ)
カイルはワクワクしながら、メアリーの返事を待っている。答えはもちろん決まっていた。
「誘ってくれてありがとう。嬉しいわ」
メアリーが微笑みかけると、カイルの頬はほんのりと赤く染まる。
「じゃあ、行きましょう!」
カイルは元気よく、こちらに向かって両手を広げた。
「カイルくん、もしかして……」
「はい、いつものように、俺がかついでいきます! 馬車よりもこっちの方が早いんで。よっと」
メアリーの返事を待たず、カイルは軽々とメアリーの身体を抱きかかえた。カイルは、その小柄な身体からは想像ができないほど力が強い。
(カイルくん、これはかついでいるんじゃなくて、お姫様抱っこをしてるって言うんだよ)
心の声をそっとしまい、メアリーはカイルの胸元の服をきゅっと握った。本当なら、カイルの首に腕を巻き付けて安全を確保したいところだが、『お友達』として、そこまで密着するのはどうかなと思ってしまう。
「メアリーさん、危ないので、目をつぶって口を閉じててくださいね!」
言われるがままに目をつぶり、口を閉じると浮遊感がした。メアリーがしばらく目をつぶっていると、「はい、着きましたよ」と声をかけられた。
目を開くと、カイルは丁寧に地面に下ろしてくれる。そこは前にエイベルが連れて来てくれた広場だった。
(ああ、広場ってここなのね。前にエイベルと来たことがあるわ)
メアリーがキョロキョロと辺りを見回している間、カイルは側でパティがくれたというメモを一生懸命に見ていた。そして、「こっちに、女性に大人気の雑貨屋があるらしいです」と左側を指さす。
「え? カイルくん、雑貨に興味があるの?」
カイルは左右に首を振った。
「いえ、でも、俺、メアリーさんと行きたいです」
(どうして?)
よく分からないが、カイルがそういうなら付き合おうと並んで歩き出した。
チラッとカイルが持ってるメモを覗き込むと、丸っこく可愛らしい字で『おススメ<デート>スポット』と書かれてあった。そして、デートの部分は後から塗りつぶしたのか荒く消されている。
(いや、パティ、私と遊びに行くカイルくんに、デートスポットを紹介してどうするの!?)
真剣な表情のカイルは、パティに騙されていることに気が付いていないようだ。
(……まぁ、カイルくんがそこに行きたいなら、それでいっか)
メモのことは見なかったことにして、カイルと二人で可愛らしい外見の雑貨店に入った。『女性に大人気』ということで、お店の中は若い女性や、幸せそうなカップルで溢れている。
カイルが小声で「うわ」と呟いたので、メアリーは「大丈夫?」と声をかけた。
「だ、大丈夫です! メアリーさんは、どういうのが好きですか!?」
必死にそう聞かれたので、店内を見回すと、隅っこに可愛らしいピンクのウサギのぬいぐるみを見つけた。
「これ可愛い!」
「え? アクセサリーとかじゃなくて、メアリーさん、こういうのが好きなんですか?」
驚くカイルに、「うん、だってこれ、すっごくカイルくんっぽいもん!」と言いながらぬいぐるみを手に取る。
「ほらほら、ピンクの毛並みがカイルくんの髪と同じだし、瞳の色まで一緒だよ! かわいいー!」
「俺、ウサギっぽい……?」
カイルは、ダメージを受けたように肩を落とした。
「あ、ごめんね。カイルくん、男の子なのに。かわいいって言われても嬉しくないよね」
「い、いえ、大丈夫です……」
少しも大丈夫そうに見えないカイルは、ふらつきながらもメアリーが持っていたぬいぐるみをそっと手に取った。そして、「欲しいのはこれだけですか?」と聞いてくる。
「え? もしかして、買ってくれるの?」
「はい」
(うーん、お友達に物を買ってもらっていいのかしら? 男友達との距離感って難しいわね)
メアリーが「えっと、じゃあ、お願いします?」と伝えると、嬉しそうに「はい!」という元気なお返事が返ってきた。
(どう見ても、女性として好かれているようにしか思えないけど、カイルくんに『お友達』って言われているんだから、私は『お友達』でいいのよね?)
正確には『お友達<から>』と言われたので、カイルの気が変わると、この関係はお友達ではなくなるのかもしれない。でも、一生、お友達のままかもしれない。
(まぁ、これはカイルくんに保護してもらっているような存在の私が考えることではないわね。私にできることは、カイルくんが自分自身の気持ちに気がつくまで『お友達』でいることね)
そんなことを考えている間に、カイルはレジで会計を済ませて戻ってきた。
「はい、どうぞ」と渡されたぬいぐるみは、綺麗にラッピングされ赤いリボンがついている。
「カイルくん、ありがとう。今日からずっと、この子と一緒に寝るね」
メアリーが微笑みかけると、カイルはカァと頬を赤く染めた。そして、「ぬいぐるみと一緒に寝るって、クソ可愛いかよ!」と何かをかみ殺すように小さな声が漏れ聞こえる。
「カイルくん?」
「はっ!? ……あ、その、メアリーさんに喜んでもらえて、良かったです」
(えっと……今のは聞かなかったことにすればいいのかな?)
照れて視線を逸らすカイルが可愛らしい。カイルの長いまつ毛が、赤く染まった頬に影を作っていた。
(はぁ、美少年はいくら見ても飽きないわぁ)
カイルに恋愛感情を持っているかと言われると良く分からない。ただ、カイルの側はとても安全で安心できる。
雑貨屋から出ると、カイルが急に右手をこちらに差し出した。
「メアリーさん! その……」
カイルの赤い頬がさらに赤く染まっていく。
「手、繋ぎませんか?」
「え?」
メアリーが首をかしげると、カイルは「いや、と、友達! 友達でも、手くらい繋ぎますよね!?」と慌てふためている。
(どうだろう……)
カイルの『お友達』の定義がよく分からない。
(私はカイルくんに、今すぐ恋人になろうと言われても、断るつもりはないけど)
カイルに助けてもらった命、カイルに与えてもらった平穏なので、できることは全てカイルにしてあげるつもりだった。
カイルは「い、嫌だったらいいんです! その、メアリーさんの気持ちも考えずに早まりました……」と肩を落とした。
(あ、これは……)
今までメアリーは、カイルは『お友達と恋人の違いが、まだ分かっていない』と思っていた。だから、その答えが分かるまで待ってあげようと思っていた。
(もしかして、待ってもらっているのは私の方?)
その考えを裏付けるように、カイルは「俺達はゆっくり少しずつ、仲良くなって行きましょう」と微笑んだ。
(そっか、カイルくんは、私からの恩返しじゃなくて、私が心からカイルくんのことを好きになれるように、今、頑張ってくれていたんだ。だから、『お友達<から>』だったのね)
目の前の美少年は、実は誰よりも心が広く男らしいのかもしれない。メアリーは隣を歩くカイルの右手をそっと握った。
「カイルくん、カッコいいね」
メアリーは自然と口元が緩み、気が付けばそう言っていた。カイルは、恥ずかしそうに左腕で顔を隠している。腕の隙間から見えるカイルの耳は真っ赤に染まっていた。
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