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【番外編・カイルとの恋愛エンディング】
01 カイルに助けを求める
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--もしも、物語の途中で、メアリーがカイルに助けを求めていたら……?
※01,02話は小説家になろうに掲載していたものとほぼ同じです。
**
メアリーは自室で一人、頭を抱えていた。なぜなら、つい先ほど、エイベル、ルーフォス、カルヴァンの三人に「聖女に指名する」と言われてしまったからだ。
(私が聖女になる訳にはいかないのに)
悪女メアリーが聖女になると、この国は滅びてしまう。
悩みに悩んだ末に、メアリーはカイルに相談することを決めた。専属メイドのラナに手紙を託すと、カイルはすぐに部屋まで会いに来てくれた。
「どうしたんですか!? 大丈夫ですか、メアリーさん?」
急に手紙を送ったので、カイルは何かあったのではと心配してくれているようだ。
「実は、三人の聖騎士に私を『聖女に指名する』と言われてしまって……」
カイルはパティの顔でポカンと口を開けた。
「やっぱ、そうですよね!? 姉ちゃんが聖女になるなんておかしいと思ってたんです! 俺だってメアリーさんが聖女になった方がいいって思いますから!」
カイルは、両手を握りしめて嬉しそうな顔をした。
「あのね、前にも言ったけど、私が聖女になったら、この国が滅びちゃうの」
必死に説明しても、カイルは「うちの姉ちゃんが聖女になった方が滅びそうだけどなぁ」と不思議そうに首をひねっている。
「カイルくん、私は聖女になりたくないの。私を助けてくれないかな?」
真剣に伝えると、カイルはメアリーの顔を見つめた後、頬を赤く染めた。
「もちろんです! 俺が今、ここにいるのはメアリーさんを守るためなんで!」
「ありがとう」
メアリーが微笑みかけると、カイルは乱暴に自分の頭をガシガシとかいた。
「あ、あの、メアリーさん! もし、もしですよ? 俺がその、うまくメアリーさんを助けられたら……」
カイルの顔がみるみると赤くなっていく。ちなみに、顔はパティなので、清楚系美女が恥じらう姿は本当に愛らしい。
「うんうん、なになに?」
パティの美しさにメロメロになりながら、カイルの言葉を待っていると、「俺と、その……その!」とそこまで言って黙り込んでしまう。
(あ、そっか、カイルくんは、本当は男のこだもんね。何歳か知らないけど、大人な経験がしたい年ごろなのかな?)
本人の希望とは言え、パティの弟に手を出すわけにはいかない。
(いや、でもまぁお礼にキスをするくらいならいいのかな? さすがにそれ以上のことになると、ピュアな少年を毒牙にかける悪女そのものになってしまうような気が……)
そんなことを考えていると、カイルが覚悟を決めたように、勢いよく右手を差し出し頭を下げた。
「メアリーさん、俺と友達になってください!」
(友達だったーーー!?)
想像以上のピュアな発言に、醜い心が浄化されたような気がする。メアリーの頬に一筋の涙が流れた。
「……カイルくん、私のような心の穢れた女でよければ、ぜひお友達になって」
差し出されたカイルの手を握り返すと、カイルの頬が赤く染まる。
「やった! メアリーさん、約束ですよ!」
「うんうん」
「じゃあ、俺、行ってきます!」
「え? どこへ?」
「俺に任せてください!」
満面の笑みを浮かべたカイルは、満面の笑みで帰って行った。
「カイルくん……何をするつもりなのかしら?」
次の日の早朝、轟音と共に神殿が大きく縦に揺れた。ベッドで眠っていたメアリーは「何!? 地震!?」と言って飛び起きた。しばらくすると、ラナとルーフォスがメアリーの寝室に飛び込んでくる。
「お嬢様、大丈夫ですか!?」
「メアリー、無事か!?」
「ええ、私は大丈夫。二人とも大丈夫?」
お互いの安否を確認していると、窓の外からメアリーを呼ぶ声がする。
「メアリーさーん! メアリーさーん!」
窓を開けると、そこには異形の生き物の大きな頭蓋骨が落ちていた。その横で、パティが大きく手を振っている。隣にいるルーフォスが、「何だ、これ……。まるで伝説のドラゴンの頭のようだな」と呟いた。
(もしかして、これって、神殿の地下に葬られているドラゴンの死骸……?)
パティの姿をしたカイルは跳躍(ちょうやく)すると、軽々とメアリー達がいる窓枠にふわりと着地する。
(ここ、四階だけど……?)
ラナもルーフォスも口をあんぐりと開けている。
「メアリーさん! ドラゴンは再生出来ないように粉々にぶっ潰しておきました! これで、もうこの国に聖女なんていらないですよね!」
パティの顔で無邪気な笑顔を浮かべるカイルに、その場にいた全員が言葉を失った。一番早く我に返ったメアリーは、カイルにおそるおそる聞いてみた。
「……カイルくん、あなたって何者?」
カイルは人差し指で頬をかくと、「よく分からないんですけど、姉ちゃんは、俺のこと『追加だうんろーどこんてんつで追加された攻略キャラの一人で、ドラゴンスレイヤー』って言ってました」
ドラゴンスレイヤーとは、ドラゴンすら殺すことのできる神話上の武器、あるいは竜殺しの英雄のことだ。
「つ、追加、ダウンロードコンテンツ?」
「メアリーさんも、知ってますか?」
「し、知らない。私、本編しかプレイしてない……」
カイルの話をまとめると、乙女ゲーム『聖なる乙女の祈り』には、本編の他に、追加ダウンロードコンテンツが発売されていたらしい。
(存在すら知らなかったわ。私は、それが発売される前に死んだのかしら?)
そして、パティはプレイしていたので、弟のカイルが攻略キャラでかつ、ドラゴンを倒せるほど強いと知っていた。
(だから、カイルくんに身代わりを頼んだの? でも、弟を攻略って……あ、もしかして、パティとカイルくんって、実は血が繋がってない?)
カイルは頬を染めてメアリーに右手を差し出した。
「メアリーさん、俺、約束を果たしましたよね?」
これからこの国がどうなるのか分からないが、おそらく、神殿も王族も彼の圧倒的な力には逆らえない。カイルの側にいれば、メアリーの安全は保障されているようなものだった。
「本当に、助けてくれてありがとう」
メアリーがカイルの右手をそっと握り返すと、カイルは、パティの顔のまま頬を染めてどこかうっとりした表情になった。
「はい、約束したとおり、お友達からでお願いします!」
「……え? お友達『から』?」
お友達の先に、いったい何が待っているのか今はまだ分からない。
※01,02話は小説家になろうに掲載していたものとほぼ同じです。
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メアリーは自室で一人、頭を抱えていた。なぜなら、つい先ほど、エイベル、ルーフォス、カルヴァンの三人に「聖女に指名する」と言われてしまったからだ。
(私が聖女になる訳にはいかないのに)
悪女メアリーが聖女になると、この国は滅びてしまう。
悩みに悩んだ末に、メアリーはカイルに相談することを決めた。専属メイドのラナに手紙を託すと、カイルはすぐに部屋まで会いに来てくれた。
「どうしたんですか!? 大丈夫ですか、メアリーさん?」
急に手紙を送ったので、カイルは何かあったのではと心配してくれているようだ。
「実は、三人の聖騎士に私を『聖女に指名する』と言われてしまって……」
カイルはパティの顔でポカンと口を開けた。
「やっぱ、そうですよね!? 姉ちゃんが聖女になるなんておかしいと思ってたんです! 俺だってメアリーさんが聖女になった方がいいって思いますから!」
カイルは、両手を握りしめて嬉しそうな顔をした。
「あのね、前にも言ったけど、私が聖女になったら、この国が滅びちゃうの」
必死に説明しても、カイルは「うちの姉ちゃんが聖女になった方が滅びそうだけどなぁ」と不思議そうに首をひねっている。
「カイルくん、私は聖女になりたくないの。私を助けてくれないかな?」
真剣に伝えると、カイルはメアリーの顔を見つめた後、頬を赤く染めた。
「もちろんです! 俺が今、ここにいるのはメアリーさんを守るためなんで!」
「ありがとう」
メアリーが微笑みかけると、カイルは乱暴に自分の頭をガシガシとかいた。
「あ、あの、メアリーさん! もし、もしですよ? 俺がその、うまくメアリーさんを助けられたら……」
カイルの顔がみるみると赤くなっていく。ちなみに、顔はパティなので、清楚系美女が恥じらう姿は本当に愛らしい。
「うんうん、なになに?」
パティの美しさにメロメロになりながら、カイルの言葉を待っていると、「俺と、その……その!」とそこまで言って黙り込んでしまう。
(あ、そっか、カイルくんは、本当は男のこだもんね。何歳か知らないけど、大人な経験がしたい年ごろなのかな?)
本人の希望とは言え、パティの弟に手を出すわけにはいかない。
(いや、でもまぁお礼にキスをするくらいならいいのかな? さすがにそれ以上のことになると、ピュアな少年を毒牙にかける悪女そのものになってしまうような気が……)
そんなことを考えていると、カイルが覚悟を決めたように、勢いよく右手を差し出し頭を下げた。
「メアリーさん、俺と友達になってください!」
(友達だったーーー!?)
想像以上のピュアな発言に、醜い心が浄化されたような気がする。メアリーの頬に一筋の涙が流れた。
「……カイルくん、私のような心の穢れた女でよければ、ぜひお友達になって」
差し出されたカイルの手を握り返すと、カイルの頬が赤く染まる。
「やった! メアリーさん、約束ですよ!」
「うんうん」
「じゃあ、俺、行ってきます!」
「え? どこへ?」
「俺に任せてください!」
満面の笑みを浮かべたカイルは、満面の笑みで帰って行った。
「カイルくん……何をするつもりなのかしら?」
次の日の早朝、轟音と共に神殿が大きく縦に揺れた。ベッドで眠っていたメアリーは「何!? 地震!?」と言って飛び起きた。しばらくすると、ラナとルーフォスがメアリーの寝室に飛び込んでくる。
「お嬢様、大丈夫ですか!?」
「メアリー、無事か!?」
「ええ、私は大丈夫。二人とも大丈夫?」
お互いの安否を確認していると、窓の外からメアリーを呼ぶ声がする。
「メアリーさーん! メアリーさーん!」
窓を開けると、そこには異形の生き物の大きな頭蓋骨が落ちていた。その横で、パティが大きく手を振っている。隣にいるルーフォスが、「何だ、これ……。まるで伝説のドラゴンの頭のようだな」と呟いた。
(もしかして、これって、神殿の地下に葬られているドラゴンの死骸……?)
パティの姿をしたカイルは跳躍(ちょうやく)すると、軽々とメアリー達がいる窓枠にふわりと着地する。
(ここ、四階だけど……?)
ラナもルーフォスも口をあんぐりと開けている。
「メアリーさん! ドラゴンは再生出来ないように粉々にぶっ潰しておきました! これで、もうこの国に聖女なんていらないですよね!」
パティの顔で無邪気な笑顔を浮かべるカイルに、その場にいた全員が言葉を失った。一番早く我に返ったメアリーは、カイルにおそるおそる聞いてみた。
「……カイルくん、あなたって何者?」
カイルは人差し指で頬をかくと、「よく分からないんですけど、姉ちゃんは、俺のこと『追加だうんろーどこんてんつで追加された攻略キャラの一人で、ドラゴンスレイヤー』って言ってました」
ドラゴンスレイヤーとは、ドラゴンすら殺すことのできる神話上の武器、あるいは竜殺しの英雄のことだ。
「つ、追加、ダウンロードコンテンツ?」
「メアリーさんも、知ってますか?」
「し、知らない。私、本編しかプレイしてない……」
カイルの話をまとめると、乙女ゲーム『聖なる乙女の祈り』には、本編の他に、追加ダウンロードコンテンツが発売されていたらしい。
(存在すら知らなかったわ。私は、それが発売される前に死んだのかしら?)
そして、パティはプレイしていたので、弟のカイルが攻略キャラでかつ、ドラゴンを倒せるほど強いと知っていた。
(だから、カイルくんに身代わりを頼んだの? でも、弟を攻略って……あ、もしかして、パティとカイルくんって、実は血が繋がってない?)
カイルは頬を染めてメアリーに右手を差し出した。
「メアリーさん、俺、約束を果たしましたよね?」
これからこの国がどうなるのか分からないが、おそらく、神殿も王族も彼の圧倒的な力には逆らえない。カイルの側にいれば、メアリーの安全は保障されているようなものだった。
「本当に、助けてくれてありがとう」
メアリーがカイルの右手をそっと握り返すと、カイルは、パティの顔のまま頬を染めてどこかうっとりした表情になった。
「はい、約束したとおり、お友達からでお願いします!」
「……え? お友達『から』?」
お友達の先に、いったい何が待っているのか今はまだ分からない。
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