コード・ナイン

OSARAGI

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序章

被験者たちのレベル

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「こちらBAY-02、現在複数の被験者らと交戦中、人的被害あり!射撃許可を請う!」
即応部隊が本庁司令部へと射撃の許可を請う。
「司令、即応部隊が射撃許可を求めています。」
通信士が司令官へと伝える。
「射殺を許可する。」
「しかし、相手は。。。」
「構わない。奴らはすでにヒトではない。もはや機械ともいえよう。それに。。。」
無慈悲にも司令官は射殺を命じる。
「こちら司令部。射殺を許可します。」
「こちらBAY02、了解。」

「司令、本当にいいんですか。」
「奴らは人ではないうえに防衛機密の塊だ。ここから逃がすわけにはいかない。」
「。。。」
通信士が言葉を失う。
「ヒトではなくなったものと分かり合おうなど、到底無理な話なんだよ。」


施設内では射撃許可の号令とともに銃声が鳴り響く。
「今の目標数は」
「元居た4体から2体を射殺。残るは2体です」
「うちの隊も残るは4人か、バケモノめ」
隊長が苦しい表情を浮かべる。
遮蔽物に身を隠す被験者たち。
「クサカ、ここは俺が出る。お前だけでもここを出ろ」
「ユウキ、俺たちはみんなでここを出ると約束したはずだ。お前が行くなら俺も。。。」
「あいつらは俺の元班員のジョウジとヤマグチを殺したんだ。頼む。」
そう言って立ち上がるユウキを見て
「。。。、志をともにした仲間だ、俺も。」
とクサカも立ち上がる。
ユウキは即応部隊のいるほうをじっと見つめる。
「俺の分まで頼むぞ、クサカ。」
ユウキはクサカの肩をつかみその場に倒しこむ。
そしてユウキは即応部隊のほうへ駆けてゆく。
ドドドドドド。
ものすごい銃声の後に、ドサン。
なにかが倒れるような音がした。
「こちらBAY-02、被験者一体の射殺に成功した模様。うなじの刻印はNo,3。ん?」
「こちら司令部、どうかしましたか。」
その時、奥の遮蔽物の裏から両手を挙げて立ち上がる人影が見えた。
「誰か。」
隊員たちが一斉に銃口を向ける。
「あの格好は。。。」
「こちら司令部、聞こえていますか。何がありましたか」
「こちらBAY-02、被験者が両手を挙げてこちらへ向かってきています。」
「投降ということですか」
「そのようです。」

「司令、被験者が投降してきたようです。」
「なんだと?」
司令が少し驚いた表情を見せる。
「どうしますか」
司令が視線をずらし間を空ける。
そして顔を上げると少しニヤリとしている。
「わかった。ありがたく迎え入れてやれ。」
「わかりました。こちら司令部、警戒を続けつつ、投降を受け入れてください。」
「了解。これより被験者を引き連れて帰投します。制圧はこれにて完了。」
「こちら司令部、了解。引き続き。。。」
通信士の声にかぶるように
「いや、待て!」
と司令が声を張り上げる。
「帰投まて」
焦った声で通信士が即応部隊に伝える。
「どうしたのですか。」
と通信士が司令のほうを振り向く。
すると司令は手元の何かに冊子をぺらぺらとめくっている。
「制圧した被験者の数は」
司令が焦った表情で通信士に聞く。
「射殺が3、保護が1で計4体です。」
「足りない。」
「え?」
「計画では5体のはずだ。もう一体はどうした!!」
「まさか、01隊の」
司令部内に一気にこれまで以上の緊張状態が訪れる。
「まだ敷地内にいるはずだ、本隊の準備は」
「はい、もうできているようです」
司令が冊子をドン!とデスクに叩きつける。
「すぐに動員して哨戒に回せ!くまなく探して射殺するんだ」
「了解、本隊、直ちに出動してください。敷地内にいるのを確認した場合、無条件に。。。射殺してください。」
デスクに置かれた冊子に表紙には
【サイボーグ・ウルトラ作戦第一号】
と書いてあった。


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