上 下
63 / 84
第8章 時空の狭間の小旅行

第58話 初陣

しおりを挟む
果物を食べ終えたノヴァはあることに気が付いたようだ。

「グレース様!!能力値が伸びてます!!」
「フフッ気が付いたか、この世界の食べ物は食べれば能力値が上昇する、数値はレア度により変動するがな、食べることも重要だから覚えておくんだぞ」

これで、ノヴァも食事を楽しんでもらえるだろう。

「そうなんですけど...なんか増え続けているんです!!」

彼女は何を言ってるんだ?
不思議に思い【状態ステータス】を使いノヴァのステータスみると確かにステータスが上昇し続けている。

ふむふむ...なるほどわからん...ミーシャ達の事だ、もしかしたら【力の宝種】に品種改良でも施したのかもしれんからな。」

「もしかして【血の循環】の影響かもしれませんね」

ふむふむ...いわれてみれば...血も食事の一環だからな...それが体内で常に活動しているとしたら...おや?おやおや?

吸血鬼にはランクによって血のレア度が変わってくる、つまり吸血鬼の姫ともなればかなりの高ランクのはずだ...となるとかなり早い速度で成長してるんじゃないか?
もしかしたらマーシャやゼルセラ達以上に化けるかもしれないな....。

「さぁボスエリアに向かうとしよう、戦いに入ったらこの世界の仕組みを説明しよう」

そして元気な返事を確認すると俺は真っすぐ草原の丘エリアへ向かう。
広大な草原を歩いているといかにも初心者の相手であろう小ウサギが現れる。

「こうゆうのを倒せばいいんですよね?」

本来はミーシャ達の様に力が無い状態でこの世界に来る事が多いはずだからノヴァの様に最初からある程度力があるならこの辺は別に戦闘を行う必要がないのである。

「いや、倒す必要は無いが...」
「【眷属召喚】!!」

ノヴァがスキルを発動すると影から4体のヴァンパイアが出現した、その吸血鬼達は迷うことなく周囲の魔物の処理していった。

「眷属が倒したのも経験値は入っているのか?」

俺の素朴な疑問に元気よく返事をし俺の意見を肯定する。

「しばらくはこれで進むとしよう」

いつしか二体の吸血鬼が魔物を倒し残りの二体がアイテムを拾うローテーションが形成されていた。
そうして4体の吸血鬼を供とし草原の丘を越える。

「あれはドラゴン?!」

ノヴァが指を差すのでそちらに目をやれば深緑を思わせる鱗が全身を包む巨大なドラゴンが草原の真ん中で眠っていた。

「あれは竜ではなく龍だな、それとノヴァの相手はあっちだ」

俺は別のドラゴンを指さす、竜ではなくさらに下位の飛竜ワイバーンだ、さすがにこの世界の龍はまだノヴァには早いのだ。

「飛竜くらい私の眷属で...」

不満そうに眷属たちに命令を出す、確かに元の世界であれば龍種と互角くらいには戦えるだろう、だが...
突撃していった眷属は無残にも飛竜に食い散らかされてしまった。

「私の眷属が...飛竜ワイバーンに負けるなんて」
「当たり前だろ、あの飛竜のステータスは平均が5万、ノヴァが戦って丁度いいくらいだ」
「あんな飛竜が私と....」

少し怒ったのか魔法陣を次々と展開し飛竜に向ける、様々な魔法が飛竜に命中するがどれも致命傷とは程遠いかすり傷程度だった。

「生意気な...」

少し離れて見ていればより一層大きな魔法陣がノヴァの頭上を覆いやがて光輝いていく。

「【崩壊之新星ジル・ノヴァ】!!」

ノヴァの両手の平に真っ白な光の玉が生成される、二つの玉は真っすぐ飛竜へと飛んでいき直撃する。
二つの玉は直撃と同時に大きな爆発を引き起こす、かなり広範囲かつ高威力の魔法の様だ、その証拠に倍以上のステータスを誇る緑龍にまで被害が及びHPを半分以上減らしている。
飛竜が直撃を生き延びれる訳もなく跡形もなく消滅してしまっている。

「あの龍...範囲に入っているのに生きてるなんて...」

どうやら自信のある技の様で緑龍を倒せなかったのが少しショックだったようだ。

「かなり削った方じゃないか?あいつのステータスはどれも30万程だからな」
「人間の国を一つ滅ぼせるはずなのに...」

確かに...例えばノエル王国、その王城に直撃させることが出来ればノエル王国は地図から消える事になるだろう。
伊達に古参魔王ではないという事だ
緑龍は攻撃を喰らった事に反応しこちらに突進してくる、全ステータスの平均は約30万、飛竜を倒しレベルが上がってるとはいえ...勝てないだろう、ここは俺の見せ所だな。
何の魔法を使うか考えているとノヴァが再び魔法陣を組み立てる、だが今度は先ほどと同じものが10個描かれている。

まさか....

「滅びろ....【崩壊之新星ジル・ノヴァ】!!!!」

先程と同じ真っ白な玉がノヴァの前に出現する、色や大きさは同じ位だが、違うのはその数だ一つの魔法陣に2つの玉だとすると20個の玉があることになる。
そしてそれらの玉は先ほどと同じように真っすぐ緑龍に向かっていく―――そして大爆発。

衝撃は圧倒的だった、この子が現世で最強だと言っても過言ではないほど、魔法を使う時に魔力を消費しないと、こうゆう力業が出来てしまうのだ...。
強い魔法一発で倒せないなら同時に何個も発動させてしまえばいい。

ノヴァは強くさせたらまずい存在かもしれないと思ったが正直、興味はあったゼルセラやマーシャをも超える逸材かもしれない。

この調子ならばエリアボスは愚か隠しボスまで倒せるかもしれない....。

「まだ戦えるならエリアボスも行ってみるか?」

だが...そんな強い能力にも欠点が合ったようだ、魔法陣を複数用意するにはそれなりに脳への負荷が掛かる。
それも、高位の魔法の多重召喚など、は【並列思考】などがないとかなり体力的にきついだろう。

「ごめんなさい...ちょっと...力を...」

意識を失い倒れそうになるのをお姫様抱っこで抱え拠点へと連れ帰った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。  記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。  そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。 「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」  恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

さようなら、家族の皆さま~不要だと捨てられた妻は、精霊王の愛し子でした~

みなと
ファンタジー
目が覚めた私は、ぼんやりする頭で考えた。 生まれた息子は乳母と義母、父親である夫には懐いている。私のことは、無関心。むしろ馬鹿にする対象でしかない。 夫は、私の実家の資産にしか興味は無い。 なら、私は何に興味を持てばいいのかしら。 きっと、私が生きているのが邪魔な人がいるんでしょうね。 お生憎様、死んでやるつもりなんてないの。 やっと、私は『私』をやり直せる。 死の淵から舞い戻った私は、遅ればせながら『自分』をやり直して楽しく生きていきましょう。

【完結】婚約者様の仰られる通りの素晴らしい女性になるため、日々、精進しております!

つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のバーバラは幼くして、名門侯爵家の若君と婚約をする。 両家の顔合わせで、バーバラは婚約者に罵倒されてしまう。 どうやら婚約者はバーバラのふくよかな体形(デブ)がお気に召さなかったようだ。 父親である侯爵による「愛の鞭」にも屈しないほどに。 文句をいう婚約者は大変な美少年だ。バーバラも相手の美貌をみて頷けるものがあった。 両親は、この婚約(クソガキ)に難色を示すも、婚約は続行されることに。 帰りの馬車のなかで婚約者を罵りまくる両親。 それでも婚約を辞めることは出来ない。 なにやら複雑な理由がある模様。 幼過ぎる娘に、婚約の何たるかを話すことはないものの、バーバラは察するところがあった。 回避できないのならば、とバーバラは一大決心する。 食べることが大好きな少女は過酷なダイエットで僅か一年でスリム体形を手に入れた。 婚約者は、更なる試練ともいえることを言い放つも、未来の旦那様のため、引いては伯爵家のためにと、バーバラの奮闘が始まった。 連載開始しました。

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし

猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。  曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。  おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。  それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。  異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。  異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる── ◆◆◆  ほのぼのスローライフなお話です。  のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。 ※カクヨムでも掲載予定です。

処理中です...