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第7章 魔法学院
第47話 魔力測定
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試験会場の部屋の中に大きなクリスタルが宙に浮いている。
魔力検査で使用する為の物だ。
「98」
「189」
「165」
前に並ぶ受験生が水晶に魔力を込める。
すると水晶に文字が浮き上がりそれを試験官が読み上げそれを紙に記入していく。
「160」
「200」
「3500」
珍しく4桁の数字が出る。
周りの生徒はもちろん試験官ですらそれに感心を示している。
この水晶は使用した者の魔力を取り込み効果範囲を増大させる、その増加具合を魔力として判定する。
さらに簡単に説明するならば、魔力を流すと水晶は見えないし触れないが巨大化するのだ、その巨大化した分の面積を魔力として数値に表す。
「それではミーシャ・ストロニアさん手をかざしてください」
「こんな感じかな」
「こ....これは....」
ミーシャが水晶に手をかざすと水晶にはびっしりと文字が書き込まれている。
試験官は間違えないように一桁一桁確実に書き留めていく。
16桁の数字を書き込むのはそれなりの時間を要する。
しばらくすると書き終わったようでミーシャは次の工程に案内された。
「それでは...マーシャ・ストロニアさん、手をかざしてください」
「ん」
マーシャが手をかざすとミーシャの時以上に文字が書かれている。
それもそうだろう....28桁もあるのだから。
「なんだあの二人....」
「まさか勇者さまか....」
他の受験生にまで噂は広がり周囲がざわついている。
「え...えと...つ、次の方...シーラ・シュテルケさん手をかざしてください」
水晶に近づいて行くと不意に服の袖を引っ張られる、なにかと思い振り向くと引っ張っていた正体はキーラだった。
「姉様....順番変えてほしいんだけど....」
「どうしてですか?」
試しに聞いてみると予想通りの答えが返ってくる。
「姉様の後はハードルが高いから....」
「いいでしょう...試験官に交渉してみましょう」
キーラに微笑んだあと試験官の方へ向かい順番の交渉をする。
交渉の結果あっさりと了承を貰えたのでキーラに伝えると喜んで水晶のもとへ走って行った。
「これに手を翳せばいいの?」
「はい、えっと...キーラ・シュテルケさんですね....どうぞ」
キーラが手を翳すと水晶に文字が浮き出る、だがその文字は明らかに双子の2人よりも少ない、これを危惧していたのだろう。
さっきのざわめきに比べると周りの関心は薄い様に感じられた。
だが...この世界においてはかなりの強者に分類されるはずだ。
キーラの魔力量は9999億9999万9999ミーシャ達の前の受験生に比べると破格の数字だ。
その様子に試験官でさえこんなものかと言った様な表情を浮かべている。
「では...シーラ・シュテルケさんこちらに手を翳してください」
さて....どうしたものか...。
悩みながらも手を翳すこっそりとだがミーシャ達も見ている、きっと彼女らも私の魔力量が気になっているのだろう。
「0....です...ありえない....生まれたばかりの赤子でさえ魔力を保有していると言うのに....こんなこと....」
試験官が慌て始めどこかに連絡を取っている、少し大事になってしまっただろうか。
上司から連絡があったのか試験官がこちらに走ってくる。
「あの....隠蔽するな...との事です」
「やはりばれてましたか....」
どうやらばれていたようだ、この水晶は魔力を流した際に広がる水晶の体積の量により魔力量を図る事ができる。
逆に言えば流す魔力量次第では自分の魔力量を隠すことだってできる。
並大抵の魔力制御ではできることではないが、私には出来るのだ。
「仕方ありませんね」
本来の魔力を流し込むすると文字が現れる。
「0....隠蔽....」
試験官が喋り始めるころ水晶は震え始めやがて砕け散ってしまった。
試験官は目を点にし顎が外れたかのように口をパクパクさせている。
「やはりこうなりましたか....」
私の魔力が多すぎるせいで水晶では再現が出来なくなってしまったせいだ。
最初からこうなる事は想定出来ていたのでわざわざ魔力を隠蔽したのだが...。
「それでお兄様はなんと言っていたのですか?」
「は、はい...『砕けるだろうから魔力は適当にしてくれ、それと水晶は直すよう伝えてくれ』と先ほど連絡したときに申されていました。ですが...ほんとに砕けるとは...」
「そうですか、なら直します」
「ですが...この魔道具は専用の鉱石とクリスタルが必要ですが...」
「構いません」
一言だけ告げ新たに水晶を作り出す。
「こんなにあっさり作るなんて...」
「では、私はこれで...」
試験官に言われる前に次の工程へと進んだ。
「さすが姉様!!」
「すごい...」
「魔力測定の装置に隠蔽工作できるなんて...」
次々と隠れていた少女らが話しかけてきた。
「私にもその話方なんですねマーシャ....」
「うん...キャラ作り」
無機質な声でマーシャが答える。
「さぁ次はお兄様待望の実技試験です、くれぐれも手加減するように...」
「私は全力を出しきる!!」
「ん」
「何事も程々にね」
理解をしてない返事と無機質な返事さらにやる気のない返事を聞き次の試験会場に足を運んだ。
魔力検査で使用する為の物だ。
「98」
「189」
「165」
前に並ぶ受験生が水晶に魔力を込める。
すると水晶に文字が浮き上がりそれを試験官が読み上げそれを紙に記入していく。
「160」
「200」
「3500」
珍しく4桁の数字が出る。
周りの生徒はもちろん試験官ですらそれに感心を示している。
この水晶は使用した者の魔力を取り込み効果範囲を増大させる、その増加具合を魔力として判定する。
さらに簡単に説明するならば、魔力を流すと水晶は見えないし触れないが巨大化するのだ、その巨大化した分の面積を魔力として数値に表す。
「それではミーシャ・ストロニアさん手をかざしてください」
「こんな感じかな」
「こ....これは....」
ミーシャが水晶に手をかざすと水晶にはびっしりと文字が書き込まれている。
試験官は間違えないように一桁一桁確実に書き留めていく。
16桁の数字を書き込むのはそれなりの時間を要する。
しばらくすると書き終わったようでミーシャは次の工程に案内された。
「それでは...マーシャ・ストロニアさん、手をかざしてください」
「ん」
マーシャが手をかざすとミーシャの時以上に文字が書かれている。
それもそうだろう....28桁もあるのだから。
「なんだあの二人....」
「まさか勇者さまか....」
他の受験生にまで噂は広がり周囲がざわついている。
「え...えと...つ、次の方...シーラ・シュテルケさん手をかざしてください」
水晶に近づいて行くと不意に服の袖を引っ張られる、なにかと思い振り向くと引っ張っていた正体はキーラだった。
「姉様....順番変えてほしいんだけど....」
「どうしてですか?」
試しに聞いてみると予想通りの答えが返ってくる。
「姉様の後はハードルが高いから....」
「いいでしょう...試験官に交渉してみましょう」
キーラに微笑んだあと試験官の方へ向かい順番の交渉をする。
交渉の結果あっさりと了承を貰えたのでキーラに伝えると喜んで水晶のもとへ走って行った。
「これに手を翳せばいいの?」
「はい、えっと...キーラ・シュテルケさんですね....どうぞ」
キーラが手を翳すと水晶に文字が浮き出る、だがその文字は明らかに双子の2人よりも少ない、これを危惧していたのだろう。
さっきのざわめきに比べると周りの関心は薄い様に感じられた。
だが...この世界においてはかなりの強者に分類されるはずだ。
キーラの魔力量は9999億9999万9999ミーシャ達の前の受験生に比べると破格の数字だ。
その様子に試験官でさえこんなものかと言った様な表情を浮かべている。
「では...シーラ・シュテルケさんこちらに手を翳してください」
さて....どうしたものか...。
悩みながらも手を翳すこっそりとだがミーシャ達も見ている、きっと彼女らも私の魔力量が気になっているのだろう。
「0....です...ありえない....生まれたばかりの赤子でさえ魔力を保有していると言うのに....こんなこと....」
試験官が慌て始めどこかに連絡を取っている、少し大事になってしまっただろうか。
上司から連絡があったのか試験官がこちらに走ってくる。
「あの....隠蔽するな...との事です」
「やはりばれてましたか....」
どうやらばれていたようだ、この水晶は魔力を流した際に広がる水晶の体積の量により魔力量を図る事ができる。
逆に言えば流す魔力量次第では自分の魔力量を隠すことだってできる。
並大抵の魔力制御ではできることではないが、私には出来るのだ。
「仕方ありませんね」
本来の魔力を流し込むすると文字が現れる。
「0....隠蔽....」
試験官が喋り始めるころ水晶は震え始めやがて砕け散ってしまった。
試験官は目を点にし顎が外れたかのように口をパクパクさせている。
「やはりこうなりましたか....」
私の魔力が多すぎるせいで水晶では再現が出来なくなってしまったせいだ。
最初からこうなる事は想定出来ていたのでわざわざ魔力を隠蔽したのだが...。
「それでお兄様はなんと言っていたのですか?」
「は、はい...『砕けるだろうから魔力は適当にしてくれ、それと水晶は直すよう伝えてくれ』と先ほど連絡したときに申されていました。ですが...ほんとに砕けるとは...」
「そうですか、なら直します」
「ですが...この魔道具は専用の鉱石とクリスタルが必要ですが...」
「構いません」
一言だけ告げ新たに水晶を作り出す。
「こんなにあっさり作るなんて...」
「では、私はこれで...」
試験官に言われる前に次の工程へと進んだ。
「さすが姉様!!」
「すごい...」
「魔力測定の装置に隠蔽工作できるなんて...」
次々と隠れていた少女らが話しかけてきた。
「私にもその話方なんですねマーシャ....」
「うん...キャラ作り」
無機質な声でマーシャが答える。
「さぁ次はお兄様待望の実技試験です、くれぐれも手加減するように...」
「私は全力を出しきる!!」
「ん」
「何事も程々にね」
理解をしてない返事と無機質な返事さらにやる気のない返事を聞き次の試験会場に足を運んだ。
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