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第4章

破壊者ハルアン~ペット~

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 僕は今日から中等部に上がる。そして中等部の学園は家との距離が近くなる。
 ただこっちの学園に行く道中は父さんが強いモンスターをやっつけてくれてもそこそこ強いモンスターが自然と集まってくる所らしい。だから小等部の時の学園も今日から通う中等部の近くに小等部の学園があったんだけど、小等部の時は僕の安全のためにちょっと遠い学園に通わなきゃ行けなかったんだ。

 でももう僕は中等部の学生になる。ちょっとやそっと強いモンスターが出ても僕一人でなんとかなる。……だろう。……たぶん。……おそらく。
 まぁ、本当に強いモンスターは父さんが定期的にやっつけてくれるらしいからそんな心配しなくていいと思うけど。ちなみに昨日も父さんが使いモンスターは倒してきたらしいから一先ひとまずは安心だ。……たぶん。

 父さんたまに「ハルアン、お前ならやれると思って残しといたぞ」とか無茶ぶりしてくるから僕が勝てないようなモンスターがいたりして……。あ、いや、さすがに入学式だし今日に限ってそれはないか。……ないよね?

 そんな不安を抱えながら僕は新しい学園に向かっていたその時、草の茂みから白い何かが飛び出してきた。それは小さく、そしてモコモコ。それはつぶらな瞳をしていてその眼で僕を見つめてきた。
















「キャン! キャン!」

 と鳴いたそれは可愛らしい小型の獣……つまり犬だった。
 僕は抑えられない衝動に駆られ、その白い子犬に襲い掛かりモフモフする。

「フェンリル!!」

「キャンキャン!」

「よし! 今日からお前の名前はフェンリルだ。アハハハハ。アハ、アハハハハ。……って、こんなことしてる場合じゃない。学園に行かなきゃ! あ、でもフェンリルは学園に連れてけないし……。ごめん、フェンリル。僕が帰って来たときにまた逢ったら家まで連れてくよ!」

「キャンキャン!」

 ただの白い小型犬にフェンリルと名付けた僕はフェンリルを置いて学園に向かう。

「キャンキャン!」

「あ! こら、ついてきちゃダメだろ」

「キャン!」

「やれやれ。仕方ないなぁ」

「キャン!」

「フッ。フェンリルも一緒に怒られるか!」

 僕はそのままフェンリルと一緒に学園に行ったが、当然、校門で怒られた。教師からは入学式にペットを連れてきた問題児として見られ、生徒みんなからは英雄と言われからかわれた。
 フェンリルのお陰ですぐにみんなと仲良くなれた。ありがとうフェンリル。





 そして帰り道にちっちゃくてモフモフの黒い犬と出会う。












「ベヒモス!」





 僕はベヒモスと名付けた。













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