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最終章 魔王編
魔大陸探索
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魔大陸での探索は順調だった。朝から夕方まで探索を行い、夜になる前にエルの転移魔法で魔大陸の入り口まで戻る。門を出て魔大陸から出ると、都合のいい事に小さな家が建っており、中には食料やら衣料品やら物資が整っている。ナンデダロウナー。
という茶番はさておき、これは前もってメイと話していたことだ。要は5人で魔王討伐をすればいいんだろう?誰かが勝手に置いて行ったものはその範囲ではないはず・・・。今のところ特に神罰とかないから大丈夫だろう。
探索だが、もちろん道なんてなく、手探りで探す。扉を中心に円を描くように探索しようと思っていたのだが・・・。
飛針さんがけもの道の様なものを作ってくれていたのだ、ご丁寧に。草が踏まれ、何度も踏み鳴らされた所は自然と道ができる。罠の可能性もあるが、ひとまずこの道を進むことにした。
途中で山道に入る。赤い木々が生い茂る山を登っていると。
腕を組んで待ち構えている人がいた。金色の体毛、まるでゴリラのようなフォルムの大男だった。
「ふん!飛針はやられたようだな。しかし!奴は百八天王最弱!!あいつ程度を倒せたところで調子に乗るなよ?」
「ステイステイ。まだ名乗りの途中だから攻撃したら駄目だぞ~」
チャキっと鯉口を切ったメリーの肩を掴んで止め、グッと突っ込もうとしていたレイを手で制して止める。
「我こそ百八天王の一人!猿尾のゴル!ここで亡き者にしてやろう!勇者よ!」
「もういい?」
「ん~・・・ん?エル!」
木々の奥から大量の殺気を感じる。エルも感じたようで、即座に魔法を放つ。
「バーストストリーム」
ボゥ!と炎の渦が巻き起こり、そして・・・。
ドドドドドドーンと連鎖的に爆発を起こす。
「オーバーキルすぎない?」
「そんなことないと思いますが・・・」
ドサッと一体小さな猿みたいな魔物が横に落ちる。若干まだ息があるのか、つぶらな瞳でこちらを見る。
「なんでいちいち・・・可愛い顔してるんだ?デフォルメされた人形かよ」
「かわいい・・・治してもいい~?」
「無駄ですよ。直に死にます」
エルの言う通り、間もなくその猿の魔物は息絶え、黒い煙となって消えて行った。
「エルの悪魔!」
「駄目ですよシノ。どんな姿をしていようが、相手は私たちを殺そうとしていました。可愛いから殺さないなんて考えること自体が愚かです」
「むぅ・・・利用されてたかもしれないじゃない」
「私たちが躊躇ったことで、カイ様が大きな傷を負われたらどうするのですか?私たちは無傷で魔王の元に、カイ様を送り届けなければなりません。
私たちの世界を守るための戦いなのです。甘いことは言わないでください」
「・・・そうだね。エルの言う通りだよごめん」
躊躇は、一瞬で勝負が決まるようなギリギリの戦いでは致命的な差になる。俺の場合は戦いになるとそういうの(老若男女)は全く見えなくなる。
シノはサポート役だからそういう事には疎いのかもしれない。
「まぁまぁ。エル、落ち着けよ。しっかし・・・弱いな・・・」
エルの魔法に巻き込まれて、空中で霧となっていたえんび?さん。なんでボスが、周りの雑魚相手に放った攻撃に巻き込まれてやられてんだよ・・・。
「でも道はこっちで合ってるっぽいね」
「わざわざ待ち構えていたくらいですし、この先にあるのでしょうね」
「それじゃあ今後は敵の作った、けもの道を目印に行こう。百八天王とやらを倒しながらな」
「わかった」
こうして俺たちは百八天王を道標にしつつも倒しながら進んだ。これだったら一年もかからないかもな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
山を越え、岩石地帯を越え(アルマジロみたいな敵を撃破)、湖を越え(タツノコみたいな敵を撃破)、砂漠を越え(トカゲみたいな敵を撃破)、湿地帯を越え(カエルみたいな敵を撃破)、竹林を越え(パンダみたいな敵を撃破)、森林を越え(トラみたいな敵と、犬みたいな敵を撃破)、海を越え(サメとタコとイカみたいな敵を撃破)、平野を越え(なんかいっぱい待ち構えていた敵を撃破)・・・・・・・・。
「お・・・思ったより広いな・・・」
前回は約200名で探索を行ってはいたが、こんなに広くなかったはず。日本で言えば、精々北海道程度の大きさだった。慎重に慎重を重ねた調査で時間はかかってはいたが、真っすぐ移動して数か月もかかるような広さではなかった。
「しかしカイ様。まだ半年もたってませんし・・・ここまで倒したなんちゃら天王も、ほぼほぼ倒し終っているので・・・もうすぐかと」
「百八天王ね。確かに先に進めば進むほど強くはなっているんだけど・・・」
「弱い」
「うん・・・まぁ油断はするなよ」
気を抜きすぎて、常時暇なシノは俺の背中でおねんね中だし・・・。
強さを分かりやすく数値化するとすれば、最初のハリネズミさんの戦力を1としよう、次に戦ったお猿さんが2でどんどん1ずつ上がっていく感じ。
因みにメリーがだいたい500くらいの強さだ。エルが800でレイが750くらいだろうか?
まあ俺の感覚だから何とも言えないし、窮鼠猫を噛むともいうし、油断をしてはいけないがな。
そしてさっきネズミのような敵をレイがサクッと倒して先に進んでいた。そしてまた景色が変わる・・・。
「これはまた・・・いきなり世界が変わったかの様な・・・」
今までのおどろおどろしい景色とは違う。輝かしい日の光が辺りを照らし、キラキラと光っているようだった。今までの不気味な木ではなく、緑生い茂った木が所々生えている。
花が咲き乱れ、まるで世界が輝いているようだった。
「異様ですね」
「今までの道中が嘘だったみたいだね」
気味が悪くて気の滅入る景色が、後ろを振り返るとあるのだ。
「ここからが本番ということか?」
「そうですね・・・ひとまずシノ。いつまでカイ様の背中に乗ってるんですか!!」
「引きはがす」
レイに無理やり引きはがされ、ダルそうに歩きはじめるシノ。
「どうせ出番ないよ~敵弱すぎ、みんな強すぎ、かすり傷すら負わないよね・・・って、なにここ?今日は探索終わり?」
「いきなり景色が変わったんです。漂う魔素の量もかなり減りましたし・・・。警戒するべきです」
エルの言う通り、警戒はすべきだ。今までの敵が弱かったとはいえ、次に戦う敵が弱いとは限らないしな。
見渡す限り平和そうな場所を、最大限警戒して進むことにした。
しかし、しばらく敵が現れることもなく・・・。数日後。
「カイ様。あーん」
「いや、自分で食えるからな?」
「アーン」
「あ・・あーん・・・」
エルの気迫に押され、口にから揚げを入れてもらう。
「どうですか?」
「うん。うまい」
「ふへへ。私が作ったんですよ!」
「知ってるよ。何年一緒に居たと思ってるんだ・・・エルは将来いいお嫁さんになりそうだな」
「へ?すでにいいお嫁さんですが」
小首をかしげて、何言ってんだこいつ?みたいな目で見つめるエル。
綺麗な湖で休憩をとっている。大きな木陰で、レジャーシートを広げ、弁当を食べる。
右太ももにメリー、左太ももにシノが寝ており、懐にはレイちゃんが丸まって寝ている。
「平和だなぁ~」
「そうですね」
コテンと俺の方に頭を預けるエル。
ここが魔大陸だということも忘れ、普通にピクニック気分で探索をしていた。
敵が現れないというのもあるが、道標としていた道が途絶えてしまったのも原因の一つだ。
この場所にミスリードされた可能性もあるが、ここに出る前に倒した敵が、
「この先へは・・・行かせないでちゅー!!」
と言ってめちゃめちゃ阻止しようとしてたし・・・。違ってもまた探索を始めればいい。各地点にエルが転移魔法陣を敷いているので戻るのも簡単だし。
ずっと気を張ってたし、少しはのんびりするのもいいのかもな・・・。俺はほぼ何もしてないけど・・・。
「エルも昼寝するか?」
「いえ・・・流石に自分たちの使命を怠るわけにはいかないので・・・」
レイちゃんを落とさない様に体を倒し、寝っ転がる。大の字になり、空を見上げる。ここはずっと昼なのか、常にお日様みたいなものが真上にある。時間はメイに持たされた腕時計の様な魔道具で分かる。今は13時。昼寝をするにはちょうどいい時間だろう。
レイちゃんは寝心地が悪かったのか、俺の上から転がり落ち、左腕を枕にしてまた眠り始めた。
それを見たエルが右腕を枕にして寝転がり、俺を見つめる。
「ふふふ。こういうのもいいですね・・・邪魔者はいますが・・・」
「ああ。とは言え数年前まではこんな感じで、自然の中でのんびり生きてたけどな」
「そういう事じゃないんですけど・・・まあいいです」
そういうとエルは目を瞑り、寝息をたてはじめる。
「なんかあれだな・・・保育士ってこんな感じなのかな・・・そこまでは小さい子ではないか」
彼女たちの寝顔を見て、ほっこりした。そして・・。
「ちゃんと仕事はしないとな・・・。見てんだろ?すぐ倒しに行ってやるから首を洗って待ってろ」
視線を感じる先にそう言うと、気配が消える。ちょくちょく視線を感じるのだ。相手はわからないが、多分敵だろう。
あらかた弱点を探しているという所か。
俺の愛する世界を害するというなら、たとえどんな奴でもぶっ倒す。そう心に思い、俺は殺意を自らの内に秘めるのだった。
という茶番はさておき、これは前もってメイと話していたことだ。要は5人で魔王討伐をすればいいんだろう?誰かが勝手に置いて行ったものはその範囲ではないはず・・・。今のところ特に神罰とかないから大丈夫だろう。
探索だが、もちろん道なんてなく、手探りで探す。扉を中心に円を描くように探索しようと思っていたのだが・・・。
飛針さんがけもの道の様なものを作ってくれていたのだ、ご丁寧に。草が踏まれ、何度も踏み鳴らされた所は自然と道ができる。罠の可能性もあるが、ひとまずこの道を進むことにした。
途中で山道に入る。赤い木々が生い茂る山を登っていると。
腕を組んで待ち構えている人がいた。金色の体毛、まるでゴリラのようなフォルムの大男だった。
「ふん!飛針はやられたようだな。しかし!奴は百八天王最弱!!あいつ程度を倒せたところで調子に乗るなよ?」
「ステイステイ。まだ名乗りの途中だから攻撃したら駄目だぞ~」
チャキっと鯉口を切ったメリーの肩を掴んで止め、グッと突っ込もうとしていたレイを手で制して止める。
「我こそ百八天王の一人!猿尾のゴル!ここで亡き者にしてやろう!勇者よ!」
「もういい?」
「ん~・・・ん?エル!」
木々の奥から大量の殺気を感じる。エルも感じたようで、即座に魔法を放つ。
「バーストストリーム」
ボゥ!と炎の渦が巻き起こり、そして・・・。
ドドドドドドーンと連鎖的に爆発を起こす。
「オーバーキルすぎない?」
「そんなことないと思いますが・・・」
ドサッと一体小さな猿みたいな魔物が横に落ちる。若干まだ息があるのか、つぶらな瞳でこちらを見る。
「なんでいちいち・・・可愛い顔してるんだ?デフォルメされた人形かよ」
「かわいい・・・治してもいい~?」
「無駄ですよ。直に死にます」
エルの言う通り、間もなくその猿の魔物は息絶え、黒い煙となって消えて行った。
「エルの悪魔!」
「駄目ですよシノ。どんな姿をしていようが、相手は私たちを殺そうとしていました。可愛いから殺さないなんて考えること自体が愚かです」
「むぅ・・・利用されてたかもしれないじゃない」
「私たちが躊躇ったことで、カイ様が大きな傷を負われたらどうするのですか?私たちは無傷で魔王の元に、カイ様を送り届けなければなりません。
私たちの世界を守るための戦いなのです。甘いことは言わないでください」
「・・・そうだね。エルの言う通りだよごめん」
躊躇は、一瞬で勝負が決まるようなギリギリの戦いでは致命的な差になる。俺の場合は戦いになるとそういうの(老若男女)は全く見えなくなる。
シノはサポート役だからそういう事には疎いのかもしれない。
「まぁまぁ。エル、落ち着けよ。しっかし・・・弱いな・・・」
エルの魔法に巻き込まれて、空中で霧となっていたえんび?さん。なんでボスが、周りの雑魚相手に放った攻撃に巻き込まれてやられてんだよ・・・。
「でも道はこっちで合ってるっぽいね」
「わざわざ待ち構えていたくらいですし、この先にあるのでしょうね」
「それじゃあ今後は敵の作った、けもの道を目印に行こう。百八天王とやらを倒しながらな」
「わかった」
こうして俺たちは百八天王を道標にしつつも倒しながら進んだ。これだったら一年もかからないかもな。
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山を越え、岩石地帯を越え(アルマジロみたいな敵を撃破)、湖を越え(タツノコみたいな敵を撃破)、砂漠を越え(トカゲみたいな敵を撃破)、湿地帯を越え(カエルみたいな敵を撃破)、竹林を越え(パンダみたいな敵を撃破)、森林を越え(トラみたいな敵と、犬みたいな敵を撃破)、海を越え(サメとタコとイカみたいな敵を撃破)、平野を越え(なんかいっぱい待ち構えていた敵を撃破)・・・・・・・・。
「お・・・思ったより広いな・・・」
前回は約200名で探索を行ってはいたが、こんなに広くなかったはず。日本で言えば、精々北海道程度の大きさだった。慎重に慎重を重ねた調査で時間はかかってはいたが、真っすぐ移動して数か月もかかるような広さではなかった。
「しかしカイ様。まだ半年もたってませんし・・・ここまで倒したなんちゃら天王も、ほぼほぼ倒し終っているので・・・もうすぐかと」
「百八天王ね。確かに先に進めば進むほど強くはなっているんだけど・・・」
「弱い」
「うん・・・まぁ油断はするなよ」
気を抜きすぎて、常時暇なシノは俺の背中でおねんね中だし・・・。
強さを分かりやすく数値化するとすれば、最初のハリネズミさんの戦力を1としよう、次に戦ったお猿さんが2でどんどん1ずつ上がっていく感じ。
因みにメリーがだいたい500くらいの強さだ。エルが800でレイが750くらいだろうか?
まあ俺の感覚だから何とも言えないし、窮鼠猫を噛むともいうし、油断をしてはいけないがな。
そしてさっきネズミのような敵をレイがサクッと倒して先に進んでいた。そしてまた景色が変わる・・・。
「これはまた・・・いきなり世界が変わったかの様な・・・」
今までのおどろおどろしい景色とは違う。輝かしい日の光が辺りを照らし、キラキラと光っているようだった。今までの不気味な木ではなく、緑生い茂った木が所々生えている。
花が咲き乱れ、まるで世界が輝いているようだった。
「異様ですね」
「今までの道中が嘘だったみたいだね」
気味が悪くて気の滅入る景色が、後ろを振り返るとあるのだ。
「ここからが本番ということか?」
「そうですね・・・ひとまずシノ。いつまでカイ様の背中に乗ってるんですか!!」
「引きはがす」
レイに無理やり引きはがされ、ダルそうに歩きはじめるシノ。
「どうせ出番ないよ~敵弱すぎ、みんな強すぎ、かすり傷すら負わないよね・・・って、なにここ?今日は探索終わり?」
「いきなり景色が変わったんです。漂う魔素の量もかなり減りましたし・・・。警戒するべきです」
エルの言う通り、警戒はすべきだ。今までの敵が弱かったとはいえ、次に戦う敵が弱いとは限らないしな。
見渡す限り平和そうな場所を、最大限警戒して進むことにした。
しかし、しばらく敵が現れることもなく・・・。数日後。
「カイ様。あーん」
「いや、自分で食えるからな?」
「アーン」
「あ・・あーん・・・」
エルの気迫に押され、口にから揚げを入れてもらう。
「どうですか?」
「うん。うまい」
「ふへへ。私が作ったんですよ!」
「知ってるよ。何年一緒に居たと思ってるんだ・・・エルは将来いいお嫁さんになりそうだな」
「へ?すでにいいお嫁さんですが」
小首をかしげて、何言ってんだこいつ?みたいな目で見つめるエル。
綺麗な湖で休憩をとっている。大きな木陰で、レジャーシートを広げ、弁当を食べる。
右太ももにメリー、左太ももにシノが寝ており、懐にはレイちゃんが丸まって寝ている。
「平和だなぁ~」
「そうですね」
コテンと俺の方に頭を預けるエル。
ここが魔大陸だということも忘れ、普通にピクニック気分で探索をしていた。
敵が現れないというのもあるが、道標としていた道が途絶えてしまったのも原因の一つだ。
この場所にミスリードされた可能性もあるが、ここに出る前に倒した敵が、
「この先へは・・・行かせないでちゅー!!」
と言ってめちゃめちゃ阻止しようとしてたし・・・。違ってもまた探索を始めればいい。各地点にエルが転移魔法陣を敷いているので戻るのも簡単だし。
ずっと気を張ってたし、少しはのんびりするのもいいのかもな・・・。俺はほぼ何もしてないけど・・・。
「エルも昼寝するか?」
「いえ・・・流石に自分たちの使命を怠るわけにはいかないので・・・」
レイちゃんを落とさない様に体を倒し、寝っ転がる。大の字になり、空を見上げる。ここはずっと昼なのか、常にお日様みたいなものが真上にある。時間はメイに持たされた腕時計の様な魔道具で分かる。今は13時。昼寝をするにはちょうどいい時間だろう。
レイちゃんは寝心地が悪かったのか、俺の上から転がり落ち、左腕を枕にしてまた眠り始めた。
それを見たエルが右腕を枕にして寝転がり、俺を見つめる。
「ふふふ。こういうのもいいですね・・・邪魔者はいますが・・・」
「ああ。とは言え数年前まではこんな感じで、自然の中でのんびり生きてたけどな」
「そういう事じゃないんですけど・・・まあいいです」
そういうとエルは目を瞑り、寝息をたてはじめる。
「なんかあれだな・・・保育士ってこんな感じなのかな・・・そこまでは小さい子ではないか」
彼女たちの寝顔を見て、ほっこりした。そして・・。
「ちゃんと仕事はしないとな・・・。見てんだろ?すぐ倒しに行ってやるから首を洗って待ってろ」
視線を感じる先にそう言うと、気配が消える。ちょくちょく視線を感じるのだ。相手はわからないが、多分敵だろう。
あらかた弱点を探しているという所か。
俺の愛する世界を害するというなら、たとえどんな奴でもぶっ倒す。そう心に思い、俺は殺意を自らの内に秘めるのだった。
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