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第二章 闘技大会編

大会終了

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 大会が終了した翌日。俺、メリー、エル、レイ、シノが王城に集められた。

 俺・・・那海霧 誡(ケンシン)、言わずと知れた異世界からの来訪者で勇者、歴史上最強と名高い戦闘能力を持った男。

 メリー・・・前魔王討伐軍回復魔法士長メイの孫。二刀の刀を巧みに使いこなし、後の先を極めた技巧派剣士。

 エル・・・俺が20年前に気まぐれで買ったルリエと言う奴隷の娘。ルリエの英才教育により、全ての能力が高いハーフエルフ。独自開発された圧倒的な性能を誇る新魔法を使いこなす。

 レイ・・・龍人族最強といわれるリュウコを圧倒した龍人。先祖返りと呼ばれる氷と言う属性を見に宿した少女は、自らを神龍の化身と化すことも。まだ制御は出来ないが、神龍化したときの制圧力は圧倒的。

 シノ・・・かつて勇者が作った獣人国からお忍びで来た狐耳の巫女。獣人は本来身体能力が高く、魔力は少ない・・・はずだが、どういうわけか魔力量が高く、他の回復魔法士に比べて回復の性能が段違い。欠損も傷を残すことなく治す魔法は試験管の度肝を抜いたとか。

 今日は魔王討伐についての説明だ。方針は既に一年前に俺とメイで決めてあった。
 その決めてあった説明を、今メイが話している。

「と言うわけです。前回と同じという事はないでしょう。なのでその不測の事態に対応していただくのが、貴女方4人の役目になります」

 はい!とメリーが手をあげる。

「という事は、私たちの役目は露払いであって、魔王討伐ではないという事ですか?」
「そういうことになりますね。ケンシン・・・カイ様と戦ったあなたならわかると思いますが、別にカイ様一人で行っても問題はないと思います。しかしそれでは民衆は不満でしょう」

 すっと手をあげるレイ。

「つまり・・・私たちはただの飾り。魔王の元に無事カイを届けて帰って来る」
「まあおおむね正解ですね」

 はーい!と元気良く手をあげるシノ。

「回復役は最後まで居てもいいんですよねー?カイが無傷で倒せるとは思えないし!」
「ダメです。カイ様一人を残して全員撤退していただきます。万が一がありますので」

 エルが静かに手をあげる。

「もしカイ様が死んだらどうするんですか?メイ様。あなたにはその責任を負えるのですか?勇者が負けるという事は、世界の終りも同然です。ならば私達が盾となり、最優先でカイ様を守るのが定石でしょう」
「答えはノーですねエル。勇者はもう一人います。もしカイ様が失敗しても、もう一人の勇者とあなた方4人。そして大勢の魔王討伐軍を編成し、再び向かいます」
「カイ様が勝てなかった相手に、烏合の衆が勝てると――」

「その為に、あなた方には魔王の情報、ひいては魔大陸の情報を生きて持って帰って頂きたいのです。二の矢は必殺でないといけません。一の矢で情報を得る、二の矢で必殺。これが今回の作戦になります」
「それじゃあまるでカイ様が捨て駒じゃないですかっ!」

「いいえ。これはカイ様と共に決めたことです。それに・・・」

「俺が負けなければ万事おkだろ?エル」
「そう・・・ですが・・・」
「前回と同じ魔王なら俺が必ず勝つ。もし違っても勝つ。相性が悪かったら・・・任せたって感じだな。生き意地が汚いからな俺は、多分死にはしないだろう。それに・・・」
「前回の魔王と同じでないことはほぼ確定でしょうね」

 メイに言葉を取られる。前回の魔王出現の兆候にしては、あまりに魔物の活性化が激しすぎる。

「前回は魔物の活性化がほぼ確認できず、気づいたら出現しており、向こうも力をつけた状態でした。ですが今回はその逆。魔物は異常に活性化しており、本来Eランクの魔物がCランクまでの強さになっている事もあります」
「だったら尚更っ!」
「そう尚更情報を持ち帰って対策したほうがいいだろう」

 捨て駒になる気なんてさらさらないが、万が一俺と相性が悪いやつだったらまずいしな。

「納得しろエル。もしできないならお留守番だ」
「・・・・・わかりました」

 魔王討伐の作戦会議はお開きとなり、一か月後に王城より大々的に出発する。
 パーティーの絆を深めるためという口実と共に、5人で同じ家に泊まり準備をすることとなった。
 

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 大きな屋敷に案内される。玄関を入ると大きなホールが目の前に、ホールの奥に螺旋状の階段が左右に分かれる。
 ホールの奥が飯を食う所で、二階は寝床、一階には大きな風呂とキッチン、メイドの寝床などがあるらしい。

「おかえりなさいませご主人様」

 と出迎えてくれるのはメイド服を着たルリエ。

「どうですかご主人様?可愛いですか?」
「おう。可愛いが・・・なぜルリエが?」
「なぜと言われましても・・・私はそもそもご主人様の奴隷ですし・・・」

 まあそうだけど・・・。

「それに妻が夫の家にいるのは当たり前かと?」
「おい!!いつまで恥ずかしがってんだこら!!」
「まって!やっぱり無理だって!!」
「大丈夫ですよ!リディさん可愛い・・・」

 奥の方から騒がしい声が聞こえる。

「カイ様!とりあえず部屋に荷物を置きに行きましょう!嫌な予感がプンプンしますので!」

 ぐいぐいとエルに背中を押される。

「そ・・そうだな。ルリエとりあえず部屋に・・・」
「えーい!しゃらくせぇ!!吹っ飛べ!!」
「キャアアア!!」
「あぁ!リディさん!?」

 奥の部屋の扉が吹っ飛び、メイド服を着たリディと共に扉がこちらに飛んでくる。
 リディを受け止め、扉はルリエが弾いていた。

「カカカカイ・・・これは違うの!リュウコに無理やり・・・」
「お帰りだぜ!ご主人!」
「お帰りなさいご主人様!」

 メイド服を着たリュウコとハルちゃんが出迎えてくれる。

「ハル可愛い!!」
「うへへ。ありがとうメリー!」
「何をしてるの?リュウコ様」
「あ?ルリエがこの服を着てここに居たら、カイと暮らせるって聞いたからな」
「浅はか」
「なんだと?やんのかこら」
「上等。またボコボコにする」

 仲睦まじくキャッキャとはしゃいでいるメリーとハルちゃん。お互いにらみ合うリュウコとレイ。俺の腕の中で顔を真っ赤にして俯いてるリディ。あらあらと笑顔でその様子を見るルリエに、俺の腕を引っ張り、この場を何とか離れさそうとするエル。シノは傍観を決めたのか、少し後ろからじっと様子を見ていた。

 うんカオス。三人揃うだけでも姦しいのに・・・。

 ひとまず騒ぎが収まるまで、ぼーっと宙を見つめることにした。




 何とか全員落ち着きを取り戻し、各自部屋に入る。
 少し大きめのベット、机と椅子、クローゼットと箪笥と最低限の家具が揃っている。窓際は大きな窓があり、外の様子をうかがえる。
 窓から外を見ると、花が沢山咲いた花壇が見える。

 トレイは水洗でウォシュレット、温水便座付き。風呂が大浴場があり、ボディーソープ、シャンプーにコンディショナー、トリートメントが揃っており。脱衣所にはドライヤーにマッサージ機、身体重計が揃っていた。

 え?俺がいた時はトイレは肥溜め式だったし、風呂は有れど石鹸はない。ドライヤー?あるわけないじゃん!さすがに技術進みすぎてない?


 晩御飯は俺に合わせてくれたのか昔懐かしの日本食だった。肉じゃがに焼き魚、豆腐の味噌汁に・・・何より白米が嬉しかった。

「ケンシ・・・カイの為に色々持ってきたんだよ!」
「マジかシノ・・・グッジョブ!最高!愛してるぞ!!」
「うへへぇ!私も愛してるぜーカイ!!」
「料理を作ったのは私ですけどね」
「流石俺の嫁奴隷!!愛してる!」
「お口に合ったようで何よりですカイ様」

 久々の米にテンションがマックス。ひたすら米を食う。

「ルリエの料理はおいしいからね~」
「私だってこれくらい作れます!!」
「うまけりゃなんでもいいだろ?俺は肉をもっと食いたかったけどな」
「同じく」

 ほっぺを膨らませつつ拗ねているエルに、お代わりしまくってるリュウコとレイ。

 屋敷では喧嘩禁止、言い争いも。破ったら俺は一人で魔王討伐に行く、というとみんな言う事を聞いてくれた。
 長い間共に行動する仲間なのに、ギスギスされたらたまったもんじゃないからな。

 

 飯を食い終わり、少し食休みをしたら今度は風呂だ。

 大きな浴槽は入浴剤でも入っているのか、白い濁り湯で、なんか花の甘い匂いがする。
 頭と体を洗い、普段使いもしないコンディショナーで髪をサラサラにしてから風呂に浸かる。

 あ”あ”~~~。風呂はいいな・・・。こう強張った体が弛緩していく感じが気持ちいい・・・。

 風呂に浸かってボケーッとしていると、風呂場の扉が開き、女性達がガヤガヤと話しながら風呂に入ってくる。

「カイ様!お背中お流ししますよ!!」
「申し出は有り難いがエル。もう俺は年老いた老人じゃないからな。もう自分で洗った」
「えー!」
「えーじゃない。ほら、お前も体を洗って湯船につかれ、風邪ひくぞ」
「はい・・・」

 ハルちゃんとメリーとリディはバスタオルを体に巻き、それ以外はすっぽんぽんで湯船に入ってくる。
 なんていうか・・・俺の見た目は正直エルやハルちゃんとかと同じくらいだろう。ならば同世代の異性の裸に興奮する・・・はずなんだけどな。

 俺は肉体が若返って、言葉も当時のそれになったわけだが、心はじじいのままなんだよなぁ・・・。

「どうしましたカイ様?何か考え事ですか?」

 ルリエが俺の横にスッと座り、声をかけてくる。

「ん?なんか肉体と心が乖離してる感じがして・・・一年たってもまだ慣れないなぁと」
「とは言え精々60年程度しか生きてせんよね?」
「まぁエルフからしたら少年くらいの歳か」
「俺等からしたら赤ん坊みてぇなもんだな!」
「そもそも歳なんて数えない・・・ああ・・・もうだめ・・・」

 龍人はある意味不老みたいなもんだしなぁ・・・。レイはお風呂が苦手なのか、そそくさと先に出て行ってしまった。

「エルフだと歳の差なんて有ってないものですし、子供に欲情したからと言って蔑まれることもないですねぇ・・・」
「子供が作れるならもういっぱしの大人だろ?」
「そう・・ではないと思うけどな」
「要はカイ様はたたないというわけですね」
「直球だな。まあ興味がないわけじゃないんだかなーエロいかって言われると・・・」

 ルリエの裸を見て思う。美しいものって言うのはそういうのを越えるんだよな。性的に見れないというか・・・。
 そもそも童貞歴65年をなめてもらっては困る。この域まで来たらもう賢者なんだよな。30でせいよくと向き合う道に入り(魔道士)、40でせいよくを操る術を学び(魔術師)、50で悟りを開き(賢人)、60で賢者として開花すんだよ。
 そこまで来たらもう、ひたすら無。性別なんてものを越え、生物としての垣根をも超越するのだっ!

「難しい事は分かんねぇな~。別にヤりたくないならヤらなくていいじゃねえか。気分が高まって、抱きたくなれば抱けばいい。そん時に俺を呼べばいいんじゃね?」
「リュウコ様。カイ様は好意に応えたいとは思っているのですよ。私は確定としても、もし他の人たちも、自分に寄り添ってくれるなら、それに応えたいと・・・」
「ふーん。エルとメリーとハルは焦るかもな。俺とリディとレイはお前とは生きる時間が違いすぎるからな。焦らなくていいぞ。多分だが、シノも千年ほど生きるだろうし」

 俺たち人間が、セミが儚いと言ってるようなものなのか。というか・・・。

「なんでここにいる全員が俺の事が好きみたいになってんだよ・・・。俺が言ってんのはリディ、ルリエ、リュウコの事だろ」

 流石にこれだけ真っすぐに好意を示されては俺でもわかる。リュウコとリディもルリエと同じく、俺に好意を持ってくれているんだろう。
 エルはお父さん大好き!だろ?メリーは憧れでハルちゃんは同郷仲間だ。レイだってそんなに接した覚えもない。多分強いから尊敬してくれてんのかな?シノだって好意を持たれるほど接したわけでもない。
 それにエル達はまだ精神的には子供だ。好きという感情にまだ区別がついていないのだろう。 

「つってもエルはハーフエルフだろ?結構長生きするんじゃねえの?」
「そうですねー・・・数百年程度でしょうか。私より先に死んでしまうであろう娘には幸せに生きてほしい物なんですけどね」
「いや、十分長生きだからな?」
「お前は気にしすぎなんだよ。お前のヤりたいようにヤればいいんだよ」

 そんなもんなのか。まあ気長に考えよう・・・。
 エル達もこれからいろんな世界を見て、親離れしていくだろうし、その為にもしっかり魔王を倒して、平和な世界を生きていけるようにしてやらないとな。

「リュウコがそういうなら、甘えさせてもらうかな。少し待たせるかもしれないけどな」
「何言ってんだ。こちとらすでに40年は待ってんだ。今更焦ることもねぇよ」

 そう言ってリュウコは男前な笑顔を見せた。

  
 

 



 




「夜伽に参りました」

 そう言って夜、ベットで横になって寝ようとした頃に、ルリエが俺の部屋に入ってくる。
 部屋に入るなり、ドアの鍵を閉め、何やら魔法を唱えている。

「あれ?気長に待ってくれるという話ではなかったでしたっけ?ルリエさん」
「はい?カイ様が私を求めて下さるのは待ちましょう。しかし私が求めるのは別では?」
「え?そうなの?」
「はい。大丈夫です。これでも私は娼婦として売られていたのですから、それなりに技術はあります」

 いや、知ってるけどさ。あれー?俺が襲ってくれるのは待つけど、襲うのは関係ないよねってことですか?

「初めて同士の夜の営みほど、滑稽なものはありませんからね。よく美談として語られますけど」
「俺も初めて同士がいいとは言わんが、襲われることに興奮したりしないぞ?性欲がほぼ死んでるんだぞ?俺を襲ってもルリエが満足できるとは・・・」

「ご安心ください。カイ様は何もしなくてもいいんです。ちょっと天井のシミでも数えてていただけると、すぐに済みますから・・・」

 月明かりの中、パサッと来ていた服を床に落とし裸になるルリエ。寝転んでいた俺の上に乗り、布団を引きはがされ・・・。

「ふふっ防音の魔法をかけたので、いくら叫んでもいいですよ?」
「え?なに?どういうこと・・・・アッーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 この夜、俺は守り続けていた貞操を失ったのであった。
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