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第43話●ビッカース皇国2
しおりを挟む「ネーヴェサム魔獣国がビッカース皇国に攻撃されている?」
髭面のウェストリがリットのクランの青年から話しを聞く。
「リットの奴またへまを打ったのか?」
「違うよ、おっちゃん。ビッカースの奴らが一方的に決め付けて来たんだ。」
ビッカースと言えばなんでも自分達を正当化して来る面倒くさい奴らじゃないか。
侵略じゃないし戦争でもない成敗だ、とか言って結局なんでもかんでも掠奪していく輩だ。
帝級魔術師やテイマーがいる。
「やばい、アレイン王様の所魔獣ばっかりじゃねえか。テイマー相手じゃ分が悪いぜ。」
「おっちゃん、どうしよう。」
「た、たぶんアレインは負けはしないだろうが....ここで知らん顔こいたらもう大きな顔をして空族なんかやってられんぞ。ギルドのみんなに激を飛ばせ、全クランでアレインを支援するってな。」
なんか言うだけ言ってパッと消えた。
携帯転移陣を実用化しているんだ。
コスタドガル帝国の技術とは違う。
帝国と皇国じゃ大荒野の端と端であまり交流はなさそうだから独自の技術発展をしているんだろう。
「アレイン、あいつら体制を整えてまた来るわよ。今回はこっちの戦力を測りに来ただけ、皇国のいつもの動きなのよ。」
ペレペルキナが言う。
さすがは伯爵令嬢国際問題には詳しい。
などと言っているとまた空いっぱいを魔導飛機が埋め尽くす。
髭面のウェストリとリットの兄弟を先頭になんか知らない空族の人達がいっぱい来た。
髭面のおっちゃんが言う。
「王様、待ってちゃダメだ、先制して向こうの魔術師部隊を潰さないと、あいつらにはテイマーがいるんだ。」
「ターフメがー。ターフメが連れて行かれたー。」
エイベルが泣き叫んでいる。
あいつらが来て急に体が言う事を聞かなくなって。
ターフメがふらふらと広場の外に行ってしまったらしい。
テイムされたのか?
「まずい、ターフメってあのちっちゃな子だろ?下手すると暗冥の王が絡んで来る。あいつロリコンで子供を虐待する奴が大嫌いなんだ。そこに勇者なんか来たら何もかも吹き飛んでしまうぞ。」
ウェストリが青い顔をしている
「勇者って助けてくれるんじないの?」
ゼデが言う。
「いや、あいつら頭変だから問題は全部まとめてぶっ飛ばして終わり。何にも残らない。」
クラリスが遠い目をしている。
「間に合ったー。」
ノナロロが息を切らしている。
アンダレスプ共和国カヴートの街の冒険者ギルドのギルド長エリクセンが取れそうな髭を手で押さえている。
「我々も一枚噛ませてもらおう。」
エリクセンが空族達を見てふふんと鼻で笑う。
「なんだー小僧、首を突っ込んで来るんじゃねえよ。」
ウェストリがイキリ立つがエリクセンは平気だ。
「ギルドとしての歴史が違うのさ。構成員の層の厚さの違いを見せてあげるよ。」
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